
-
-
ドイツ・ベルリンのテンペルホフ国際空港跡地で開催された電気自動車(EV)イベント「e-モビリティー・ウィークス」では、「e-ゴルフ」などのジャーナリスト向け国際試乗会のほか、EV関連の展示やエレクトリックミュージックの“クラブナイト”なども行われた。
-
「e-ゴルフ」はフォルクスワーゲンのモジュラープラットフォーム「MQB」をベースに開発されている。開発当初からEV仕様の設定を前提としており、ゴルフ本来のスペースユーティリティーが保たれているとうたわれる。
-
ボンネット下に収まるEEM85型モーターは85kW(115ps)と270Nm(27.5kgm)を発生。デフおよび1段ギアボックスとともに、ひとつのコンパクトなモジュールを形成している。
-
ヨーロッパ地区の場合、電気残量ほぼゼロの状態からフル充電までに必要な時間は家庭用電源(230V)では最長13時間。ウォールボックスと呼ばれるオプションの充電補助装置を使えば8時間まで短縮される。また、欧米の自動車メーカーが推進するコンバインド充電システム(CCS)対応の充電ステーションでは、約30分間で80%充電まで回復できるという。なお、日本仕様はCHAdeMO対応となる予定。
-
フロントバンパーに配置された「C」形状のデイタイムランニングライトが目印。また、フロントグリルからヘッドライトまで通ったブルーのラインはモーターを搭載した「ゴルフ」であることを示している。
-
装備は充実しており、「ディスカバープロ」ナビゲーション、オートエアコン、パーキング冷暖房システム、熱線入りウインドシールド、本革巻きステアリングなどが標準で備わる。
-
左側にあったタコメーターは、駆動用バッテリーの状態と出力を示すパワーディスプレイに代わっている。右側のスピードメーターの表示は160km/hまで。
-
回生ブレーキはD1、D2、D3、Bの4段階から選択できる(利きはD1が最少でBが最大)。レベルD2、D3、Bでは減速度が大きくなるため、ブレーキランプが自動点灯する。また、満充電時には回生ブレーキは作動しない仕組みになっている。
-
-
「e-up!」の量産仕様は2013年3月のジュネーブショーで公開され、ヨーロッパでは同年秋に販売が開始された。動力性能は0-100km/hが12.4秒で、最高速が130km/h。
-
「e-up!」は60kW(82ps)のモーターを搭載する。総重量230kgのリチウムイオンバッテリー(エネルギー容量18.7kWh)がフロア下に搭載されている。
-
「e-up!」の室内。メータークラスター内の従来タコメーターがあった場所にパワーインジケーターが備わる。
-
2014年3月のジュネーブショーで公開されたばかりのプラグインハイブリッド車「ゴルフGTE」も登場。1.4リッターのTSIエンジン(150ps)とモーター(102ps)を搭載し、204psと350Nm(35.7kgm)というシステム総出力を備える。新欧州走行サイクル(NEDC)複合モード燃費は1,5リッター/100km(約66.7km/リッター)。
-
リチウムイオンバッテリーのエネルギー容量は8.8kWh。1524kgの車重のうち、バッテリーが120kgを占めている。ギアボックスはハイブリッド車用の6段DSGで、3つのクラッチを備える。
-
フォルクスワーゲンのEVを購入すると、ドイツでは、従来型のエンジンを搭載した他のフォルクスワーゲン車が無料で借りられるサービスが提供される(購入後3年間、年間最高30日まで)。これによりEV購入者は遠くにドライブするときなど、不便な思いをする心配がない。
-
センターパネルのモニターにはエネルギーフローが表示される。写真では加速中(ブルーの矢)であることが表示されている。
-
タイヤサイズは205/55R16。既存の「ゴルフ ブルーモーション」に装着されるタイヤと比較して、転がり抵抗が10%改善されている専用品を装着している。
-
-
フォルクスワーゲンe-ゴルフ
-
フォルクスワーゲンe-up!
-
フォルクスワーゲン・ゴルフGTE