ニュルブルクリンク24時間 2015(前編)
2015.05.19 画像・写真2015年5月16-17日、ドイツの名門サーキット「ニュルブルクリンク」で、毎年恒例の24時間耐久レースが開催された。今年は世界からどんなGTマシンが集まったのか? 代表的なレーシングカーの姿を写真で紹介する。(文と写真=廣本 泉/text&photo=Izumi Hiromoto)
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2015年のニュルブルクリンク24時間耐久レースには、151台のマシンが参戦。スタート直後から激しいバトルが見られ、フィニッシュ直前まで同一周回で争われる接戦のレース展開となった。
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2015年のニュルブルクリンク24時間耐久レースには、151台のマシンが参戦。スタート直後から激しいバトルが見られ、フィニッシュ直前まで同一周回で争われる接戦のレース展開となった。
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今大会で抜群のパフォーマンスを見せたのが、新型「R8 LMS」を投入したアウディ勢だった。雨にたたられた1回目の予選で1号車がベストタイムをマーク。決勝では、28号車がコンスタントな走りで優勝した。
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BMWのカスタマーチームも、熟成を極めた「Z4 GT3」で躍進。フリー走行で20号車がベストタイムをマークしたほか、決勝の上位グリッドを決するトップ30クオリファイで26号車がベストタイムをマークし、ポールポジションを獲得。決勝でも25号車が安定した走りを披露し、総合2位の座を獲得した。
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軽さを武器にニュルブルクリンクを攻略してきたポルシェ勢は、粘り強い走りを見せた。着実にラップを重ねたファルケン・モータースポーツの「997 GT3 R」が終盤まで上位争いを展開し、3位表彰台を獲得した。
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2013年の大会を制した「メルセデス・ベンツSLS AMG GT3」が、今大会においても優れたパフォーマンスを発揮。ブラックファルコンの2号車が2回目の予選でベストタイムをマーク。決勝では同チームの5号車が5位完走を果たした。
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アストンマーティンもニュル24時間レースの常連だ。ここ数年は抜群のスピードを見せていたのだが、エースカーの7号車が予選で20位、トップ30予選で12位とふるわず。決勝でも16位止まりとなった。ちなみにマシンの開発は、かつて世界ラリー選手権(WRC)でスバルの活動を担ったプロドライブが担当している。
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2013年のガルフ12時間レースで、耐久レースシーンにデビューした「ベントレー・コンチネンタルGT3」が満を持してニュル24時間レースにチャレンジ。84号車が2回目の予選で3位、トップ30予選で8位につけたほか、決勝では11号車が8位でフィニッシュするなど、素晴らしいパフォーマンスを発揮した。ちなみにマシン開発はWRCでフォードの活動を担うM-SPORTが担当している。
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日本の自動車メーカーも活躍。中でも素晴らしい走りを見せたのが、日産GTアカデミー チームRJNが投入した35号車の「GT-R」だ。速度制限違反のペナルティーにより予選は22位に沈んだものの、決勝では安定した走りを披露、日本車勢の最高位となる総合9位で完走を果たした。
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トヨタの社員がメカニックを担当するGAZOO Racingは、53号車の「レクサスLFA Code X」がトップ30予選で23位の座を獲得したほか、決勝でも総合14位でSP-PROクラスに勝利。GT3マシンに迫るパフォーマンスを見せた。
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スバルのモータースポーツ活動を担うSTIは、VAB型の「スバルWRX STI」を投入。2015年仕様車は空力性能が向上しており、フリー走行、予選ともに圧倒的な速さでクラストップタイムをマーク。決勝でもライバルを寄せ付けない速さを見せ、総合18位、SP3Tクラスのクラス優勝を果たした。
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GAZOO Racingは53号車の「レクサスLFA Code X」のほか、SP3Tクラスに「レクサスRC」を投入。同モデルは改造範囲が狭く、市販モデルに近い状態での参戦となるが、予選ではクラス4位のポジションを獲得。決勝でも総合39位、SP3Tクラス4位と健闘した。
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ニュル24時間には毎年のようにオリジナルマシンや発売前のモデルが登場しているが、今大会にはスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)のオリジナルスポーツカー「SCG 003C」がエントリーした。同モデルはレース専用に開発されたホンダの3.5リッターV6ターボを搭載するものの、40号車が1回目の予選でクラッシュを喫し、そのままリタイアしたほか、9号車も予選24位、決勝35位にとどまることとなった。
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ニュル24時間の“レジェンド”「オペル・マンタ」は今年も健在だ。ここ数年はマシントラブルでリタイアするシーンが多かったが、2015年の大会では終始コンスタントな走りを披露。予選でSP3クラスのトップタイムをマークすると、決勝でも最新のライバル車両を抑えて総合52位で完走。激戦のSP3クラスで勝利を手にした。
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昨年からニュル24時間への参戦を開始したトヨタチームタイランドがSP3クラスに2台の「カローラ アルティス」を投入。さまざまなアクシデントに見舞われながらも、149号車が総合82位、155号車が87位で完走を果たし、それぞれSP3クラスの6位、7位を獲得した。
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独自のレギュレーションを持つニュル24時間は、車種のバリエーションが多彩なレースだ。ATクラスには、レーシングイメージの薄い「ボルボV40 D5」がエントリー。残念ながらわずか30周でリタイアすることとなったが、予選では3位につけるなど、そのポテンシャルをアピールした。
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SP2Tクラスには「ヒュンダイ・ヴェロスター」がエントリー。日本ではなじみの薄いモデルだが、WRCのワークスチームから技術支援を受けているようで、フリー走行から決勝まで、他を寄せ付けない速さを見せた。