-
1/14日産グローバル本社ギャラリーに展示中の、アレマーノ製プロトタイプである1960年「プリンス・スカイラインスポーツ コンバーチブル」(写真手前)と「同クーペ」(同奥)。
-
2/14ボディーサイズは全長4650mm、全幅1695mm、全高1410mmで、ほぼ5ナンバー枠いっぱい。2535mのホイールベースはベースとなった初代「スカイライン」「グロリア」と共通だが、全長はそれらより300mm前後も長いため、リアのオーバーハングが非常に長い。
-
3/14「コンバーチブル」のインストゥルメントパネル。メーターは速度計と集合計のみで、エンジン回転計はなし。ちなみに生産型ではエンジン回転計が付き、集合計の代わりに中央部分に小径4連メーターが付く。本革張りのシートは、オリジナルの赤茶から黒に貼り替えられている。
-
4/141960年「プリンス・スカイラインスポーツ クーペ」(日産蔵)。フェンダーミラーはノンオリジナル。
-
5/14当時の劣悪な道路状況を反映して205mmの最低地上高を確保した実用車のシャシーがベースのため、いささか腰高な印象は否めない。しかし、ピラー類の細さはイタリアンデザインならではの繊細さを感じさせる。
-
日産 スカイライン の中古車webCG中古車検索
-
6/14こちらは「クーペ」のインテリア。メーターの配置はコンバーチブルと同じだが、盤面のデザインや針は微妙に異なる。ステアリングホイールはコンバーチブルと同じだが、リムに革製カバーを装着。こちらの本革張りシートはオリジナルと思われる。ドア内張に付けられたウィンドウレギュレーターの位置が、コンバーチブルとは異なることに注目。プロトタイプの製作期間は約半年で、トリノショー当日の朝にようやく仕上がったという突貫工事だったため、2台のディテールには異なる部分が少なくない。
-
7/14このクルマで最も魅力の乏しい部分であろう、初代「グロリア」用の直4 OHV 1862ccエンジン。最高出力80psにすぎないが、これでも1960年当時の国産乗用車用としては最大級のエンジンだったのだ。これは「クーペ」用だが、「コンバーチブル」用も同一である。ちなみに生産型では、ベース車のパワーアップに伴い最高出力は94psとなる。
-
8/14(※写真をクリックすると、エンブレムやルームミラーなど、車両のディテールが見られます)
-
9/141960年「プリンス・スカイラインスポーツ コンバーチブル」。デザインを担当したミケロッティは製作工房を持たないデザインスタジオだったため、製作は長年のパートナーだったカロッツェリア・アレマーノが担当した。
-
10/14「コンバーチブル」のステアリングホイールは、トリノショー出展時はナルディのウッドリムが装着されていたそうだが、これは生産車用と同じ。リムの材質は当時ポピュラーだったエボナイトである。4段マニュアルギアボックスのシフトレバーはコラムから生えている。ベースとなった初代「スカイライン」「グロリア」が、フロアトンネルの出っ張りを小さくするためギアボックスを横倒ししてマウントしていた関係上、フロアシフト化が困難だったためと思われる。
-
11/14「コンバーチブル」のフロントフェンダーに貼られた、カロッツェリア・アレマーノのエンブレム。生産車では、似たようなデザインで、アレマーノの「A」の部分がプリンスの「P」となる。
-
12/14「コンバーチブル」のフロントフェンダー前端に貼られた、スタジオ・ミケロッティのエンブレム。プロトタイプ完成当時の写真を見た限りでは、このエンブレムは「クーペ」だけに付けられている。だが現在はクーペからは失われ、コンバーチブルには付いている。生産車には双方とも付いているので、その部品を貼ったのかもしれない。
-
13/14「クーペ」のフロントグリルに貼られたエンブレム。生産車では中央のレタリングがプリンスの「P」になるが、これは「T」とも「F」ともつかない形。ドイツのNSUからの、「Princeはわが社のPrinzとまぎらわしいので使用するな」というクレームに対応したため、ともいわれている。
-
14/14「クーペ」のインナーミラー。左右に五輪マークが筋彫りされているのがおわかりだろうか。この年(1960年)に開かれたローマオリンピックを祝したものと思われる。ちなみにコンバーチブルには、形状が異なるものが装着されており、そちらには五輪マークもない。

沼田 亨
1958年、東京生まれ。大学卒業後勤め人になるも10年ほどで辞め、食いっぱぐれていたときに知人の紹介で自動車専門誌に寄稿するようになり、以後ライターを名乗って業界の片隅に寄生。ただし新車関係の仕事はほとんどなく、もっぱら旧車イベントのリポートなどを担当。
日産 スカイライン の中古車webCG中古車検索
自動車ニュースの新着記事
-
スズキが新型バイク「SV-7GX」を発表 排気量645ccのアドベンチャーモデルNEW 2025.11.6 スズキが伊モーターサイクルショー「EICMA 2025」で「SV-7GX」を発表した。排気量645ccのスポーティーなアドベンチャーバイクで、スリムなボディーや豊富な電子装備により、ツーリング時の快適性や高い利便性も追求している。
-
ロイヤルエンフィールドが「ブリット650」を発表 クラシックな装いの大型モーターサイクルNEW 2025.11.6 ロイヤルエンフィールドが伊モーターサイクルショー「EICMA 2025」で「ブリット650」を発表した。1932年からの歴史を持つ「ブリット」の最新モデルで、歴代の機種が受け継いできた伝統的な意匠を継承。排気量650ccの空冷並列2気筒エンジンを搭載する。
-
ベントレーが新型「スーパースポーツ」導入を予告 初のフル電動SUVも開発中NEW 2025.11.6 英ベントレーモーターズは2025年11月5日(現地時間)、ブランド史上4度目のラインナップとなるスーパースポーツモデルのほか、全長5m未満でフル電動の“ラグジュアリーアーバンSUV”の導入計画を発表した。
-
アクラポビッチ製マフラー搭載 「アルファ・ロメオ・ジュリア」に台数46台の限定車が登場NEW 2025.11.6 ステランティス ジャパンは2025年11月6日、アルファ・ロメオのスポーツセダン「ジュリア」に台数46台の限定車「ジュリアQuadrifoglio Estrema(クアドリフォリオ エストレマ)」を設定。同日、販売を開始した。
-
ホンダがミニバン「オデッセイ」の一部改良モデルを発売 新色のボディーカラーも設定NEW 2025.11.6 本田技研工業は2025年11月6日、3列シートのミニバン「オデッセイ」を一部改良し、同年11月7日に発売すると発表した。2列目シート大型ロールサンシェードを全グレードに標準装備としている。
新着記事
-
NEW
ジャパンモビリティショー2025(ダンロップ)
2025.11.6画像・写真Rubber/Resilience/Reliable、Innovation、Solution、Evolutionの意味を込めた「R.I.S.E.」をテーマにブースを展開するダンロップ。「次世代モビリティタイヤ」(コンセプト)や「プレミアムスポーツタイヤ」(コンセプト)が並んだブースを写真で紹介する。 -
NEW
ジャパンモビリティショー2025(ブリヂストン)
2025.11.6画像・写真「ブリザック」「レグノ」「デューラー」といった市販ブランドの最新ラインナップに加え、空気充てんが要らない次世代タイヤソリューション「AirFree」や月面探査車用タイヤが並んだブリヂストンブース。その様子を写真で紹介する。 -
NEW
ロレンツォ視点の「アウトモト・デポカ2025」 幻のコンセプトカーとの邂逅も
2025.11.6画像・写真イタリア最大のヒストリックカーの祭典「アウトモト・デポカ」。今回の目玉はF1の歴史をなぞる特別展示だが、小規模なブースに目を転じれば、カロッツェリアの手になる貴重なモデルも多数展示されていた。イベントの様子を、大矢アキオが写真で紹介する。 -
NEW
次世代のスバルをここから 車両開発の最前線「イノベーションハブ」とは?
2025.11.6デイリーコラムスバルが2024年1月に開設した群馬・太田の「イノベーションハブ」。新技術や次世代スバル車の開発拠点となる同施設の内部と、そこで生み出されたジャパンモビリティショー2025で話題のコンセプトモデルを紹介する。 -
NEW
第935回:晴れ舞台の片隅で……古典車ショー「アウトモト・デポカ」で見た絶版車愛
2025.11.6マッキナ あらモーダ!イタリア屈指のヒストリックカーショー「アウトモト・デポカ」を、現地在住のコラムニスト、大矢アキオが取材! イタリアの自動車史、モータースポーツ史を飾る出展車両の数々と、カークラブの運営を支えるメンバーの熱い情熱に触れた。 -
NEW
ディフェンダー・オクタ(前編)
2025.11.6谷口信輝の新車試乗レーシングドライバー谷口信輝が今回試乗するのは、ディフェンダーのラインナップにおいて最もタフで最もラグジュアリーといわれる「ディフェンダー・オクタ」。果たして、ワインディングロードを走らせての第一印象は?






























