「Modulo X・Modulo体験試乗会」の会場から
2018.12.03 画像・写真2018年11月24日、「Modulo X・Modulo体験試乗会」がツインリングもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で開催された。
このイベントは、その名の通り一般ユーザーにホンダの純正コンプリートカー「モデューロX」と、純正アクセサリーブランド、「モデューロ」の用品装着車のステアリングを握ってもらい、その魅力と実力を知ってもらおうというもの。定員が絞られていたこともあり、参加者はじっくりとモデューロ車に試乗することができた。
今回の主役は、徹底したトータルチューニングが施されたコンプリートカー、モデューロXで、「S660モデューロX」を特設のクローズドコースで味わう「スポーツカー試乗」コースと、ミニバンの「ステップワゴン モデューロX」「フリード モデューロX」を公道で試す「ミニバン試乗」コースのいずれかを体験することができた。これに加え、ゲストであるプロドライバーによるトークショーやS660モデューロXの同乗体験など、スペシャルな企画がいくつも用意されていた。
モデューロの世界にどっぷりと浸ることができた特別な一日の模様を写真とともにお伝えする。
(文=大音安弘/写真=荒川正幸)
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1/30参加者全員での記念撮影。今回は「スポーツカー試乗」に20人、「ミニバン試乗」に12人(同伴者は除く)が参加した。スペシャルゲストとして、開発アドバイザーである土屋圭市さんをはじめ、モデューロとゆかりの深いレーシングドライバーたちも参加。イベントを盛り上げた。
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2/30試乗車のラインナップは、「モデューロX」の現行ラインナップ全モデル。プログラムには、特設コースでの「S660モデューロX」の試乗と、ミニバンの公道試乗が用意されていた。また、会場では用品装着車の試乗も随時可能となっており、「ジェイド」「S660」「ヴェゼル」の3台が用意されていた。
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3/30イベントの拠点となった「VIPスイートエントラント」にて、受け付けを済ます参加者たち。ここは「ミニバン試乗」コースの拠点となったほか、豪華プロドライバーによる楽しいトークショーなども行われた。
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4/30コンプリートカー「モデューロX」についてプレゼンテーションを行う、ホンダアクセスの福田正剛さん。モデューロの用品やモデューロXの開発を統括する人物だ。開発者自らがモデューロにかける思いを語ることで、参加者たちはブランドが目指す方向性や価値を理解することができた。
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5/30「モデューロX」の第4弾となった「フリード」。専用装備として、エアロパーツやサスペンション、15インチアルミホイールなどを装着。インテリアもブラックを基調としたクールな仕上げとなっており、シート表皮が専用デザインとなるのも特徴だ。ハイブリッド仕様とガソリン仕様の両方が用意されるのも魅力で、この日は試乗車としてハイブリッド仕様が用意されていた。
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6/30「モデューロX」の第3弾として登場した、シリーズ初の登録車である「ステップワゴン」。ベースとなったのはVTECターボによる力強い走りが好評のガソリン車で、直進安定性の改善に寄与するエアロパーツや、「ステップワゴン スパーダ」より15mm車高を下げる専用サスペンションなどを装備している。
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7/30会場ではモデューロ用品装着車の試乗も可能。「ヴェゼル ハイブリッド」はメッキパーツやリップスポイラー、専用デザインの18インチアルミホイールなどで、よりメリハリの効いたシャープなスタイルに。乗り心地と操縦性を両立させた専用サスペンションキットも設定されている。
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8/30ミニバンについては同伴者と共に試乗することもできた。小さな子供向けにチャイルドシートも用意されており、家族で試乗会を楽しめる。走りのよさはもちろん、乗り心地のよさにも自信を持つモデューロならではの“おもてなし”だ。
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9/30試乗車として用意された「フリード モデューロX」の1台は、なんとフランス生まれのキャラクター「バーバパパ」仕様。マスタードイエローを基調とした車内には、アイボリー×ブラックのストライプ入りシートカバーを装着。アクセントとしてキャラクターのイラストもあしらわれており、子供だけでなく女性にも人気だった。
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10/30「ミニバン試乗」コースに参加した児島高夫さんは、お嬢さんと2人で参加。バイクを中心に長年ホンダに親しんできたという。以前は、「エリシオン」のV6に乗っており、「ステップワゴン モデューロX」は気になる存在のよう。乗ってみて足まわりのよさと「ちょっとワルい見た目」が気に入ったようだ。ステップワゴンに関しては、「長距離ドライブを楽しむのでハイブリッド仕様があるとうれしい」とのこと。最後に「楽しい試乗だった」と締めくくってくれた。
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11/30ご夫婦で「ミニバン試乗」コースに参加した渡辺高行さん。スポーツカーを中心に乗り継ぎ、今は、「ルノー・ルーテシア ルノースポール」が相棒だ。「ステップワゴン」の乗り比べを行うと、標準車と「モデューロX」は明らかに違い、「モデューロXではしっかりした走りが感じられた」という。そして、「ただ、モデューロXの足にはもっとフィットするタイヤがあるのでは?」という正直な感想も口にしていた。クルマ好きにここまで考えさせるのも、普通のミニバンとは一味違うモデューロXならではといえるだろう。
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12/30VIPルームでのトークショーは、モデューロゆかりのレーサーたちが集まった豪華な顔ぶれに。開発アドバイザーである土屋圭市さんからは、「モデューロX」の開発裏話が披露された。
「テストでは、市販車なのにレーシングカーよりも多い仕様のアルミホイールが用意されていて、その中からベストなものを選ぶために徹底的に走りこんだ。最初は、俺でも違いが分からないけど、テストを重ねていくと、『これだ!』ってセットが見えてくるんだよ」。 -
13/30トークショーの司会を務め、盛り上げてくれたのは、4代目Moduloスマイルの安藤麻貴さん。今期のSUPER GT GT300クラスに「NSX GT3」でエントリーしていた「Modulo Drago CORSE」チームのレースクイーンも兼任しており、ホンダのレースファンならご存じの方も多いはず。
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14/30トークショーには、モデューロ開発アドバイザーの土屋圭市さん、スーパー耐久で「Modulo Civic TCR」のステアリングを握る中野信治選手、SUPER GT GT300クラスに参戦する「Modulo Drago CORSE」代表兼ドライバーである道上 龍選手、そして大津弘樹選手の4人が出席。話題はモデューロに限らず、今シーズンのスーパー耐久とSUPER GTの話題まで広がり、時間が足りないと思わせるほどの充実の内容となった。
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15/30プロドライバー全員によるサイン会の実施。この後に行われた記念撮影でも、サイン色紙を掲げる人が見られるなど、イベント参加のいい記念品となったようだ。
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16/30「S660モデューロX」の試乗エリアに展示されていた「Modulo KENWOOD NSX GT3」。2018年シーズンのSUPER GT GT300クラスで戦った「Modulo Dorago CORSE」の参戦マシンである。驚くべきことに、一日中展示されていたマシンの周囲には柵も囲いもなし。参加者たちは「NSX GT3」を細部までじっくりと見ることができた。
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17/30ツインリンクもてぎ内の、「第2アクティブセーフティートレーニングパーク」に設けられた特設コースが「スポーツカー走行」の会場だ。ここでは、ベース車(黄色)と「モデューロX」(銀色)の、2台の「S660」の乗り比べ体験が実施された。
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18/30特設コースのレイアウトは、モデューロの開発を統括する福田さんが「S660モデューロX」の実力を体感できるように考えたもの。S字コーナーやスラローム、フルブレーキポイントなどでの挙動を通して、S660の実力を知ってもらおうというわけだ。
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19/30「S660モデューロX」の試乗に参加したのは、年齢層を問わず、運転経験の豊富なクルマ好きな人たちばかり。試乗後に感想を聞こうと近づくと、誰もが笑顔であったことが印象的だった。
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20/30試乗会場には、福田さんをはじめとするモデューロの開発スタッフが常駐。参加者との意見交換が行われた。参加者らの感想は、今後のモデューロ製品にも生かされていくことだろう。
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21/30フィナーレイベントは、「S660モデューロX」の限界性能を垣間見る同乗走行体験。「スポーツカー走行」のコースは午前と午後の2部に分かれており、午前の部では土屋圭市さんと道上 龍選手が、午後の部ではスーパー耐久のチームメイトである中野信治選手と大津弘樹選手がドライバーを担当した。写真のドライバーは中野選手。
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22/30同乗走行には「ミニバン試乗」コースの参加者も参加。自らステアリングを握ることはなかったものの、プロによる「S660モデューロX」の走りを体験することで、その実力の高さをしっかりと感じとれたようだ。写真のドライバーは大津弘樹選手。
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23/30ご夫婦で参加された高山一樹さんがクルマを選ぶ基準は、「乗って楽しいこと」。現在の愛車は「アウディS3」だ。今回のイベントでは久々のMT運転を楽しんだそう。試乗後の感想を聞いたところ、「モデューロX」の気に入った点として、足まわりの路面追従性とブレーキ性能を挙げた。「標準車よりもより楽しく仕上がっているように感じた」という。小さいクルマ好きで走りにも引かれるが、夫婦そろってロングドライブに出かけることも多いので、「S660だとサイズ的に厳しいのが残念」とのことだった。
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24/30「スポーツカー走行」コースに参加した小林 統さん。愛車は珍しいMT仕様の「フォルクスワーゲン・ポロGTI」だ。「S660」は初体験で、標準車でも十分にスポーツカーの楽しさが味わえたというが、「モデューロX」に乗り換えると、標準車より楽にコーナーにアプローチできることに感動したという。安定感のある走りで、標準車より運転が楽に感じられたそうだ。「スポーツカーなので、どちらも良い」としながらも、「標準車にはじゃじゃ馬的な楽しさがあるけど、安心感ある走りを含め、トータルでは『モデューロX』の方が断然上」と語っていた。
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25/30中野信治選手のドライブする「S660モデューロX」。長年のキャリアを感じさせる丁寧なドライビングでマシンを操っていた。
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26/30「S660モデューロX」を駆る中野信治選手。コース攻略のお手本のようなスムーズな走りを見せてくれた。
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27/30大津弘樹選手のドライブする「S660モデューロX」。大津選手は今年よりスーパー耐久とSUPER GT選手権に参戦する、24歳の若きレーサーだ。
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28/30大津弘樹選手の走りはかなりアグレッシブ。スキール音を立てながら笑顔でコースを攻める姿には、クルマ好きの一面が垣間見られた。
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29/30やんちゃなイメージが強い「S660」だが、「モデューロX」は、中野信治選手のような大人の男性にも似合う一台。インテリアカラーも「ボルドーレッド」で、落ち着きのあるしゃれた空間に仕上げられている。
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30/30閉会のあいさつに立つ中野信治選手(左)と大津弘樹選手(右)。ディーラーでの試乗が難しいモデューロの用品装着車と「モデューロX」をじっくり味会うことができた一日は、参加者にとって有意義な休日となったことだろう。
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