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1/5F1ではおカネの話はタブーとされ、具体的な金額が世に出てくることはめったにないがゆえに、2017年12月に英国モータースポーツ専門誌『AUTOSPORT』電子版が伝えた、各チームの2017年の予算や分配金についての記事は貴重な手がかりとなる。同記事によると、パワーユニットを除く年間予算は最多のフェラーリで約500億円、最も少ないチームはフォースインディアで約140億円。メルセデス(写真)のスタッフは860人(パワーユニット部門を除く)、ハース225人、トロロッソ400人と、いずれも大きな開きがあることがわかる。F1のオーナーである米リバティ・メディアは、F1を商業的成功に導くために各陣営の競争力を接近させレースを盛り上げたいところで、2021年にはチーム予算に上限を設ける「バジェットキャップ」を導入する予定。しかし、打ち出された約165億円という支出上限額に対してトップチームからの同意を得るのはそう簡単ではなく、段階的導入に向けて協議が続けられている。(Photo=Mercedes)
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2/5F1格差問題の根底にあるもうひとつの切実な問題が、テレビ放映権などの分配金の仕組み。チャンピオンシップの順位通りに配られるものではなく、例えば、「コンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス(CCB)」は、フェラーリ、メルセデス、レッドブル、マクラーレンだけが手にすることのできるボーナス、「ロングスタンディング・チーム(LST)」は、その名の通り長期参戦するチームへの“ご褒美”として最古参フェラーリ(写真)にのみ与えられるなど、公平感を欠く恣意(しい)的な配分がなされている。かつてF1を牛耳っていたバーニー・エクレストンと各チームにより決められた契約とされているが、このF1の“あしき慣習”に、新オーナーのリバティ・メディアがどう切り込んでいくか?(Photo=Ferrari)
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3/51997年生まれのモナコ人、シャルル・ルクレール(写真)は、2016年にフェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員となり、フェラーリやハースのマシンをテスト。2018年に満を持してザウバーからGPデビューを飾るとめきめきと頭角を現し、第4戦アゼルバイジャンGPで6位初入賞。初年度で予選Q3進出8回、入賞10回を記録した。速さはもちろん、ルーキーらしからぬミスのないドライビングで高い評価を得て、キャリア2年目にしてフェラーリ入りを決めた。昨季ミスが多発したエース格のセバスチャン・ベッテルが、このF1界の“新星”とどう張り合うのかが、2019年シーズンの見どころのひとつとなるだろう。(Photo=Ferrari)
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4/5トロロッソを含めた2チーム4台体制で毎年のように若手ドライバーを積極的に起用しているレッドブル。今季のトップチームは、マックス・フェルスタッペン(写真左)と、トロロッソから昇格したピエール・ガスリー(同右)のコンビだ。レッドブルで4冠を達成した現フェラーリのセバスチャン・ベッテルや、ルノーへと電撃移籍したダニエル・リカルドといった将来性あるドライバーを発掘してきたのは、チーム首脳のひとりでありアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ。気に入ったドライバーを溺愛する一方で、見切りをつけたら容赦のないことでも知られ、2016年シーズン途中には不調のダニール・クビアトをトロロッソに降格させ、代わりにレッドブルにフェルスタッペンを乗せるなど、非情なまでの人事権を行使することもあった。なお昨季までトロロッソをドライブしたブレンドン・ハートレー、また今年トロロッソでデビューするアレクサンダー・アルボンは、一度レッドブルのジュニアドライバーを外された経験を持つ“復帰組”。また一時レッドブルを追放され、フェラーリの開発ドライバーを務めていたクビアトは、今年トロロッソに再び呼び戻されたりと出入りも忙しい。(Photo=Red Bull Racing)
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5/5今年ウィリアムズからGPデビューを飾る20歳のイギリス人、ジョージ・ラッセル(写真)。2017年からメルセデス系ドライバーのひとりとして活動、これまでフォースインディアでフリー走行1回目を担当するなどF1マシンに乗る機会を与えられてきた。2017年にGP3シリーズチャンピオン、2018年にはフォーミュラ2チャンピオンと、F1への登竜門シリーズでしっかりとタイトルを取ってきた経歴の持ち主。昨季絶不調でコンストラクターズランキング最下位となったウィリアムズにとって、復活への起爆剤となるか?(Photo=Mercedes)

柄谷 悠人
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