「FUJI 86 style with BRZ」の会場から
2021.06.14 画像・写真2021年6月6日、富士スピードウェイにて“ハチロク(「トヨタ86」と「カローラレビン/スプリンタートレノ」)”と「スバルBRZ」ファンの祭典「FUJI 86 style with BRZ」が開催された。
このイベントの原点は、2010年に行われた「86 style 2010」だが、これは前年に発表された“現代版ハチロク”のコンセプトモデル「FT-86コンセプト」にフォーカスを当てた特別展示イベントで、AE86を中心としたカローラレビンとスプリンタートレノ、そして「FT-86 Gスポーツコンセプト」が飾られ、AE86と縁の深いレーサー、土屋圭市氏などを招いたトークショーなどが行われた。それがトヨタ86とスバルBRZの誕生で、今のような大型ファンイベントへと発展を遂げたのだ。
12回目となる今回は、梅雨入り前の開催にもかかわらず当日はあいにくの雨模様。それでもイベントを楽しみにした86/BRZのファンとオーナーが全国から集結し、ソーシャルディスタンスを保ちながら、さまざまなコンテンツやオーナー同士の交流を楽しんだ。
今回の最大の目玉は、2代目86こと「トヨタGR 86」と新型スバルBRZの一般公開だ。当初の予定では年始の「東京オートサロン2021」がその舞台となるはずだったが、新型コロナウイルス感染症の影響で残念ながら中止に。約半年遅れとなったものの、いよいよファンとの対面が実現した。
ステージショーでは、新型GR 86/BRZの開発メンバーがクルマへのこだわりを語り、生みの親の熱い思いがさく裂。また86を愛してやまない土屋氏による爆笑トークショーなども行われ、大いに盛り上がりをみせた。富士スピードウェイが86とBRZでジャックされた楽しい一日の模様をお届けしよう。
(文と写真=大音安弘)
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1/35自慢の愛車で続々と会場入りするオーナーたち。こだわりを感じさせるさまざまなカスタムが施された車両が集うのも、こうしたイベントの魅力。その姿を眺めているだけでも、かなり楽しめる。
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2/35メイン会場となったイベント広場の様子。「チューニング&カスタムパーツエリア」には、“元祖ハチロク”であるAE86と現行型「トヨタ86」「スバルBRZ」の商品を取り扱うパーツメーカーが出展。当日限りの特価品を探し求める人や、カスタマイズの情報収集を行う人などで盛り上がりをみせていた。
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3/35カスタムパーツメーカーとトヨタのコラボレーションによる「カスタマイズコラボ86パーツメーカー」のコーナーには、早くも「トヨタGR 86」ベースのカスタマイズカーの姿が。各社の特徴が反映されたGR 86に、来場者の目はくぎ付けとなった。
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4/35HKSの「トヨタGR 86」は、新型2.4リッター水平対向エンジンにスーパーチャージャーを搭載。ビッグパワーを生かしたテールスライドを楽しみたい人には、たまらない一台といえそうだ。
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5/35ラリーでも活躍するクスコの「トヨタGR 86」。展示車はやはりラリーカーをイメージしており、車内はフルバケットシートと7点式ロールケージを装着した2名乗車仕様に仕上げられている。
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6/35しげの秀一氏のコミック『MFゴースト』の主人公カナタの愛車を実車化した「MFGコンセプト」。こちらは今年製作された2021年仕様だが、2022年仕様の製作もすでに決定しており、そちらは「トヨタGR 86」がベースとなるという。「東京オートサロン2022」でお披露目される予定だ。
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7/35「トヨタ86/GR 86」と「スバルBRZ」のワンメイクレース「86/BRZレース」用のコンセプトモデル。レーシングカラーに仕立てられたGR 86のレースカーに、どのような変更点があるのか。細部をチェックするファンの姿も見られた。
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8/35スバルは新型「BRZ」の標準車をずらりと展示。BRZはSTIおよび純正パーツ装着車こそ姿を見せていたが、基本的には標準車のみの展示となった。そのぶん、展示車のボディーカラーは豊富で、写真のシルバーとレッドに加え、デモランを披露したブルーと用品装着車のホワイトを出展。ホワイトとレッドしかなかった「トヨタGR 86」よりも多くの純正カラーを披露できた点で、来場者の将来のクルマ選びにより参考になったかも。
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9/35STIパーツを装着した新型「スバルBRZ」(左)と、SUPER GT GT300クラスに参戦中の新型「スバルBRZ GT300」(右)。BRZ GT300は今年デビューを果たしたニューマシンで、初戦となる岡山では厳しい結果に終わるも、第2戦の富士では予選1位、決勝2位の好成績を収めた。今期の活躍に期待がふくらむ。
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10/35GRカスタマイズパーツを装着した「トヨタGR 86」。こちらはワイドフェンダーまで装着したブリスターボディー仕様で、欧州のスポーツカーにも負けない迫力満点のスタイルに仕上げられている。
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11/35GRカスタマイズモデルのリアスタイル。フロント同様、リアフェンダーもワイド化しており、レースカーをほうふつとさせるリアウイングや大型リアディフューザーとも相まって、迫力が増している。
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12/35スバルは、新型「BRZ」のメカニカルな展示も実施。パワートレインやサスペンションなどを含むシャシーセットを初公開した。シートを装着することでメカの位置関係を分かりやすくするなど、スバルらしい配慮がみられる。
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13/35こちらでは新型の内部部品をお披露目。軽量化と低重視化に効果を発揮する新採用のアルミボンネット、新エンジンに使われるピストンやコンロッドなども展示された。ブースにはスバルの技術者が常駐しており、展示品についての質問もできた。
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14/35オーナーこだわりのカスタムが施された「トヨタ86」「スバルBRZ」が並ぶ駐車場。いたるところでクルマ談義が盛り上がりをみせていた。
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15/35「愛車自慢駐車場」は、レーシングドライバーなどに愛車を紹介できるというユニークな企画。その模様は、会場内の大型モニターでも放映された。リポーターは、ちょうど「トヨタ・スプリンタートレノGTアペックス ブラックリミテッド」のオーナーが、谷口信輝選手に取材される場面に遭遇。モニター前では、その様子を多くの来場者が観覧しており、盛り上がりをみせていた。
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16/35メインステージが設けられたメインスタンド裏の広場。織戸 学選手や“ドリキン”こと土屋圭市氏の愛車など、ファンの間でも有名な“ハチロク”が展示され、ステージ前に彩りを添えた。
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17/35日本で最も有名な“ハチロク”といえば、グリーンのボンネットが印象的な土屋圭市氏の愛車だ。ナンバープレートに見る2ケタの分類番号が、長年このハチロクを土屋さんが大切に維持してきたことを物語る。
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18/35ステージ前に展示された黒の「トヨタ86」は、土屋圭市氏の愛車。ゴールドのホイールに、ボディーサイドには「BLACK LIMITED」のステッカーというモディファイは、「スプリンタートレノ」の「ブラックリミテッド」をイメージしたものだ。ちなみにナンバープレートの数字自体に意味はないが、長年愛用するAE86とおそろいにしたとのこと。
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19/35「トヨタGR 86」と新型「スバルBRZ」の開発メンバーによるトークセッション「いっしょにいいクルマつくろう!」には、GR 86チーフエンジニアの末沢泰謙氏や、スバルBRZ開発責任者の井上正彦氏らが参加。エンジンを2.4リッター化した理由や、運動性能向上のための施策など、開発のエピソードが語られた。
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20/35トークセッションの後半では、開発ドライバーを務めたレーシングドライバーの佐々木雅弘選手と井口卓人選手も参加。プロドライバー目線での「トヨタGR 86」と「スバルBRZ」の違いや、それぞれの86/BRZに対する思いが語られた。
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21/35“ハチロク”ブームの火付け役といえば、しげの秀一氏のコミック『頭文字D』。その誕生25周年を記念した「頭文字D25周年記念“MFゴースト”specialトークショー」が行われた。ゲストとして参加した織戸 学さんは、同じしげの氏著の『バリバリ伝説』がバイブルと語り、しげの作品との思い出を中心にトークが展開された。
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22/35トークショー「ドリキンの言いたい放題」には、ドリキンこと土屋圭市氏と、織戸 学氏、谷口信輝氏の3人が参加。ステージの前に展示されたドリキンの“新旧86”についての話題をはじめ、「トヨタGR 86」についても、レーサーとしてだけでなくクルマ好きの目線も交えてトークを展開し、会場を盛り上げた。
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23/35なんと会場には「トヨタ86」中古車販売ブースも。静岡県内にあるトヨタ系中古車販売店「カーロッツ浜松」によるものだが、どれもただの86にあらず。手前のブルーの個体は、純正コンプリートカーの「14R」。走行距離たった6000kmで379万円という代物だ。展示担当者によれば、当日、偶然にも元オーナーが同車を発見。しばし思い出話に花が咲いたそうだ。
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24/35イベントでは「トヨタGR 86」(赤)と新型「スバルBRZ」(青)の実力を披露するデモランも実施。レーシングコースをダンサブルに駆け抜けることで、グリップからテールスライドまで自在に楽しめる運動性能の高さをアピールした。(写真提供:スバル)
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25/35富士スピードウェイで活躍中の「トヨタ86」のオフィシャルカー。パレードランでは、オーナーカーの先導役を担い、イベントを盛り上げた。
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26/35グランドスタンドに隣接するP12駐車場は車種別専用駐車場とされ、オーナー同士が交流を楽しんでいた。特に天候が回復した午後には、ソーシャルディスタンスを保ちながら86/BRZ談義に花を咲かせるオーナーたちの楽しそうな姿を、方々で目にすることができた。
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27/35車種別専用駐車場で発見した後期型のAE86。手前の「スプリンタートレノ」は、現行型「トヨタ86」でも設定された限定車「ブラックリミテッド」。当時はレビン人気の陰に隠れたトレノの販売促進のための限定車であった。奥側は、「カローラレビンGTアペックス」だ。
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28/35ズラリと並ぶ鮮やかなボディーカラーの現行型「トヨタ86」。サンライズイエローの86は、2015年の「イエローリミテッド」。そして手前のシブいブリティッシュグリーンの個体は、2019年に期間限定で導入された「ブリティッシュグリーンリミテッド」。どちらも貴重な特別仕様車だ。
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29/35“ハチロク”のイベントだけに、多くのAE86も集結。近年は『頭文字D』人気もあり、圧倒的に「スプリンタートレノ」のハッチバックが人気だが、当時の人気は「カローラレビン」が圧倒的。特にボディー剛性の面から、2ドアクーペが走り屋から支持された。写真は、グリルシャッター付きの前期型だ。
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30/35新型車の展示は実車だけにとどまらず……。早くも田宮模型が「トヨタGR 86」と新型「スバルBRZ」のラジコンをお披露目。実車同様、こちらの2台もシャシーやモーターなどの構成部品は共有となるが、これも実車同様に、86とBRZの走りの違いを再現するらしい。続報が楽しみだ。
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31/35午前中に激しい降雨に見舞われたのは残念だったが、午後になると次第に天気は回復し、青空も見られるように。気温もそこまでは上がらず、過ごしやすい陽気となった。
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32/35パレードラン参加のために、続々とコース入りするオーナー車両。参加受け付けは、当日先着150台だった。さまざまなボディーカラーが集う「トヨタ86」に対して、やはり「スバルBRZ」は「スバルブルー」の個体が多かった。姉妹車の個性が色というかたちでも表れるのが、面白い。
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33/35パレードランの準備のために、ホームストレートに並んだトヨタの歴代“ハチロク”と「スバルBRZ」。ピット側にAE86と「トヨタ86」が、グランドスタンド側にBRZが並べられた。参加台数が多いため、最後尾はホームストレートに収まりきらなかったほどだ。
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34/35イベントのフィナーレを飾るパレードランを先導したのは、ドリキンこと土屋圭市氏と彼の愛車のAE86「トヨタ・スプリンタートレノ」だ。今回はサポート役として参加した「トヨタGR 86」と新型「スバルBRZ」だが、来年のイベントでは、多くのオーナーが自慢の愛車として持ち込むことだろう。(写真提供:スバル)
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35/35記念撮影には「トヨタGR 86」と新型「スバルBRZ」、そして愛車とともに土屋圭市氏と織戸 学氏も参加した。