-
1/27
-
2/27フルカウルのスポーティーな意匠が目を引く「ヤマハYZF-R7」。ヤマハの現行ラインナップでは(日本未導入の「R6」を含め)、5台目のスーパースポーツとなる。
-
3/27ミドルクラスに属するヤマハのスーパースポーツとしては、海外向けの「YZF-R6」も存在するが、そちらがサーキットでのパフォーマンスを突き詰めたモデルなのに対し、「R7」はライディングの楽しさに比重を置いている。
-
4/27こちらは「WGP 60thアニバーサリー」。WGPとはロードレース世界選手権(現MotoGP)のことで、ヤマハによる世界最高峰のロードレース参戦60周年を記念した限定モデルだ。
-
5/27往年のレーシングマシン「YZR500」をモチーフにしたカラーリングに加え、燃料タンクにはWGP参戦60周年記念モデルであることを示す3Dステッカーもあしらわれている。
-
6/27アグレッシブなイメージと比べ、意外やライディングポジションはきつくない。一方で“アゴ乗せ”しやすいよう燃料タンクの形状を工夫するなど、スポーツライディングのしやすさも追求されている。
-
7/27シート高は835mmだが、スリムな車体形状もあって足つき性は悪くない。新設計のシートは“足おろし”を邪魔しないよう前側が細く、ハングオフしやすいよう後ろ側が幅広になっている。
-
8/27エンジンは「MT-07」と共通で、ヤマハ独自のクロスプレーン・コンセプトに基づいた排気量688ccの直列2気筒ユニットを採用する。
-
9/27前傾したライディングポジションがとれるよう、ハンドルやステップの位置を「MT-07」から変更。トランスミッションにはアクセサリーで、シフトアップ時に使用できるクイックシフターが用意される。
-
10/27フロントブレーキには「YZF-R1」や「YZF-R6」といった上位モデルと同じく、ラジアルマウントキャリパーを採用。
-
11/27レバーとマスターシリンダーが直交する、ラジアルマウント式の操作レイアウトもフロントブレーキの特徴。操作性に優れ、ブレンボのシステムとして市販車に採用されたのは、実は「YZF-R7」が世界初だ。
-
12/27軽量なアルミ製のアンダーカバーは、スリムな形状も特徴。最大バンク角は「MT-07」(49°)と「YZF-R6」(57°)のちょうど間となる、53°となっている。
-
13/27とにかくスリムな車体形状も「YZF-R7」(左)の特徴。全幅はなんと250ccクラスの直列2気筒モデル「YZF-R25」(右)より細いのだ。
-
14/27今回の試乗コースは袖ケ浦フォレストレースウェイだったが、開発メンバーいわく、開発時に最も意識したのは筑波サーキット。「筑波のコース2000を走るのが一番楽しいと思う」とのことだった。
-
15/27フロントサスペンションにはφ41mmのインナーチューブを用いた倒立フォークを採用。キャスター角も23.7°と、「MT-07」より立てられている。
-
16/27フロントサスペンションの高剛性化に合わせ、フレームにはセンターブレースを追加。前後の剛性バランスを最適化するとともに、20%のねじり剛性アップを実現している。
-
17/27フットワークについては、軽快さと高い直進安定性の両立を追求。安心して最高速を出せることや、ワインディングロードやサーキットなどの高速コーナーを楽しめることが重視されている。
-
18/27フルバンクするコーナーでは外側へと(バイクの車体的には下方向へと)遠心力がかかるためにサスペンションが縮むのだが、「YZF-R7」のフロントフォークは、多くのシーンでまだ収縮する余地がある(荷重がかかりきっていない)ようだった。
-
19/27カウルには3つのダクトが設けられており、エンジンの吸気温度を下げることでパフォーマンスを向上。ウイングレットとインナーパネルの採用により、ラジエーターの冷却効率アップも図っている。
-
20/27タイヤはブリヂストンの「バトラックス ハイパースポーツS22」。「MT-09」に装着されるものをベースに、「YZF-R7」向けに改良を加えたものだ。
-
21/27「YZF-R7」のデザインコンセプトは「Skinny Proportion for Perfect Control」。カラーリングにはブルー(写真)とブラックの2種類が用意される。
-
22/27リアサスペンションは、ベースとなった「MT-07」のそれよりバネレートを15N高めるとともに(135N)、ロワリンクの長さを4mm短縮している。
-
23/27これも新設計となるフル液晶メーター。必要な機能がコンパクトにまとめられているが、ライダーの姿勢によっては、ホース類が画面の邪魔をするのが玉に瑕(きず)だ。
-
24/27スリムなカウルを実現するべく、ヘッドランプはセンターダクトのなかにレイアウト。ハイビームとローブームの機能が1灯にまとめられている。
-
25/27間口の広さと懐の深さを身上とする「YZF-R7」。シンプルだからこそピュアなスポーツライディングを楽しめる同車は、スーパースポーツの世界に新しい価値観を示すモデルとなるだろう。
-
26/27ヤマハYZF-R7
-
27/27

伊丹 孝裕
モーターサイクルジャーナリスト。二輪専門誌の編集長を務めた後、フリーランスとして独立。マン島TTレースや鈴鹿8時間耐久レース、パイクスピークヒルクライムなど、世界各地の名だたるレースやモータスポーツに参戦。その経験を生かしたバイクの批評を得意とする。
試乗記の新着記事
-
アストンマーティン・ヴァンキッシュ クーペ(FR/8AT)【試乗記】 2025.10.7 アストンマーティンが世に問うた、V12エンジンを搭載したグランドツアラー/スポーツカー「ヴァンキッシュ」。クルマを取り巻く環境が厳しくなるなかにあってなお、美と走りを追求したフラッグシップクーペが至った高みを垣間見た。
-
ルノー・カングー(FF/7AT)【試乗記】 2025.10.6 「ルノー・カングー」のマイナーチェンジモデルが日本に上陸。最も象徴的なのはラインナップの整理によって無塗装の黒いバンパーが選べなくなったことだ。これを喪失とみるか、あるいは洗練とみるか。カングーの立ち位置も時代とともに移り変わっていく。
-
BMW R12 G/S GSスポーツ(6MT)【試乗記】 2025.10.4 ビッグオフのパイオニアであるBMWが世に問うた、フラットツインの新型オフローダー「R12 G/S」。ファンを泣かせるレトロデザインで話題を集める一台だが、いざ走らせれば、オンロードで爽快で、オフロードでは最高に楽しいマシンに仕上がっていた。
-
メルセデス・ベンツGLE450d 4MATICスポーツ コア(ISG)(4WD/9AT)【試乗記】 2025.10.1 「メルセデス・ベンツGLE」の3リッターディーゼルモデルに、仕様を吟味して価格を抑えた新グレード「GLE450d 4MATICスポーツ コア」が登場。お値段1379万円の“お値打ち仕様”に納得感はあるか? 実車に触れ、他のグレードと比較して考えた。
-
MINIカントリーマンD(FF/7AT)【試乗記】 2025.9.30 大きなボディーと伝統の名称復活に違和感を覚えつつも、モダンで機能的なファミリーカーとしてみればその実力は申し分ない「MINIカントリーマン」。ラインナップでひときわ注目されるディーゼルエンジン搭載モデルに試乗し、人気の秘密を探った。
新着記事
-
NEW
新型「ホンダ・プレリュード」の半額以下で楽しめる2ドアクーペ5選
2025.10.9デイリーコラム24年ぶりに登場した新型「ホンダ・プレリュード」に興味はあるが、さすがに600万円を超える新車価格とくれば、おいそれと手は出せない。そこで注目したいのがプレリュードの半額で楽しめる中古車。手ごろな2ドアクーペを5モデル紹介する。 -
NEW
BMW M2(前編)
2025.10.9谷口信輝の新車試乗縦置きの6気筒エンジンに、FRの駆動方式。運転好きならグッとくる高性能クーペ「BMW M2」にさらなる改良が加えられた。その走りを、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? -
NEW
ホンダ・プレリュード(FF)【試乗記】
2025.10.9試乗記24年ぶりに復活したホンダの2ドアクーペ「プレリュード」。6代目となる新型のターゲットは、ズバリ1980年代にプレリュードが巻き起こしたデートカーブームをリアルタイムで体験し、記憶している世代である。そんな筆者が公道での走りを報告する。 -
NEW
第931回:幻ですカー 主要ブランド製なのにめったに見ないあのクルマ
2025.10.9マッキナ あらモーダ!確かにラインナップされているはずなのに、路上でほとんど見かけない! そんな不思議な「幻ですカー」を、イタリア在住の大矢アキオ氏が紹介。幻のクルマが誕生する背景を考察しつつ、人気車種にはない風情に思いをはせた。 -
日産リーフB7 X(FWD)/リーフB7 G(FWD)【試乗記】
2025.10.8試乗記量産電気自動車(BEV)のパイオニアである「日産リーフ」がついにフルモデルチェンジ。3代目となる新型は、従来モデルとはなにが違い、BEVとしてどうすごいのか? 「BEVにまつわるユーザーの懸念を徹底的に払拭した」という、新型リーフの実力に触れた。 -
走りも見た目も大きく進化した最新の「ルーテシア」を試す
2025.10.8走りも楽しむならルノーのフルハイブリッドE-TECH<AD>ルノーの人気ハッチバック「ルーテシア」の最新モデルが日本に上陸。もちろん内外装の大胆な変化にも注目だが、評判のハイブリッドパワートレインにも改良の手が入り、走りの質感と燃費の両面で進化を遂げているのだ。箱根の山道でも楽しめる。それがルノーのハイブリッドである。