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第331回:ナンパと思ったら驚くほど硬派!
「ボルボC30」かんたんインプレッション

2007.08.08 小沢コージの勢いまかせ! 小沢 コージ
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第331回:ナンパと思ったら驚くほど硬派!「ボルボC30」かんたんインプレッション

かなりお金がかかってる

ネットで最初に見た時、一瞬「なんじゃこりゃ?」と思ったボルボのニューカー「C30」。
ボルボとしては1986年デビューの480シリーズ以来となるコンパクトハッチバックで、どっからどうみても優先したのはデザイン。さらに手頃な値段といいサイズといい、こりゃてっきり女性向けのナンパなファッショナブルカーじゃん! と決めつけていたんだけど、乗ってみたら全然違いました。
いわばボルボブランド全体のシンボルカーで、ある意味、アウディでいうところの「TT」に当てはまる。ナンパどころか硬派なクルマだったんです!

まずはデザイン。最新ボルボデザインのキモであるフェンダーの張り出し量は、全ボルボ中ナンバーワン! それがリアでスパッっと斜めに切られてる上に、珍しいガラスムキ出しのハッチゲートまで備わってる。

一見、「S40」や「V50」と同じと思えるフロントセクション外板は、実は専用設計。共通部品はボンネットとドアハンドルだけだそうな。
もちろん中身はS40とかと基本的に同じなんだけど、デザインにかなり金かけてます。

エスプレッソのよう

しかも乗るとこれがヤケに重厚。剛性感はそのサイズから考えられないくらい高くて、ステアリングフィールも骨太。微妙な味わいはない代わりに、しっかりと舵が切れる。

T-5グレードに搭載されている230psの直5ターボエンジンも、非常に大人びたシツケだった。アクセルワークに過敏な反応はせず、伸びのある加速をもたらす。これまたもっと大型なクルマに乗ってるようだ。
ブレーキに関しても同様で、ペダルそのものの剛性感はあるんだけど、利き自体は非常におだやか。まあ、コイツは正直ものたりない感じだけどね。

狭いリアの開口部と相まって安心感はなかなかで、さすがは“安全のボルボ”って感じ。ボディが小さい分、味わいも少ないというより、逆にエスプレッソのようにボルボの個性がギュッと詰まってる。さすがはヨーロッピアン・ブランドですな。

軸がぶれてないボルボ

というか聞くところによると、昨今のボルボの戦略は親会社のフォード主導で、傘下に入ってから「ボルボの強みは何か?」を逆に考え直し、意識的にスカンジナビアンデザインを強調した作りになってるそうな。
いい例がC30でも採用されてるインパネのフローティングセンタースタック。コイツはボルボがフォードグループに入ってから作られたS40やV50から採用された。つまり、より個性化は進んでるわけ。

正直、最近ビジネス的には今ひとついいハナシを聞かないボルボだけど、プロダクト的には軸がぶれずにいい感じ。理想と現実のギャップがあるのもわかるが、売却のウワサにもめげずこの路線でがんばってほしいと思った小沢でした。
ボルボよ、がんばれ〜!

(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』

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