「フロアパンについて」
2001.05.15 クルマ生活Q&A ボディ「フロアパンについて」
最近、開発生産コストの削減から、フロアパンを共有する車種が増えているとききます。フロアパンが共通でも異なったホイールベースにする事ができるのは、なぜですか?(札幌市INさん)
お答えします。フロアパンとは、端的にいうと自動車の床の部分を指しています。ただし、1枚の鋼板から作られているのではなく、数枚をスポット溶接で接合しています。そこで、この鋼板の溶接位置を前後、左右に少しずらすだけで車幅やホイールベースを変えられるというわけです。
加えて、まったくフロアパンを使っていても、サスペンションアームやエンジンマウントを支えているサブフレームという部分も、若干の伸縮が可能になっています。これでもホイールベースが変わります。
車幅やホイールベース位置を変えることを前提に設計されたフロアパンを「フレキシブルプラットフォーム」ともよびます。これもよく使われる言葉です。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。