第38回:「アルファ8Cコンペティツィオーネ」です(5)
2007.04.10 エディターから一言第38回:「アルファ8Cコンペティツィオーネ」です(5)
親戚たち
「アルファ8Cコンペティツィオーネ」が、ギアボックスをリアのデファレンシャルと一体化した「トランスアクスル」方式を採ると聞いて、「アレ!?」と思った方がいらっしゃるかもしれません。
つまりアルファ8Cは、2ペダル式のMTか、と。
そうです。何が「アレ!?」かというと、8Cコンペティツィオーネの“ベース”と噂された「マセラティ・グラントゥーリズモ」は、ZF社製の6段AT、普通のトルクコンバーター式のオートマチックを、V8エンジンと組み合わせているからです。
グラントゥーリズモの兄貴分、マセラティの正当派4ドアセダン「クワトロポルテ」には、ご存知のように、新しく加わった通常のオートマ車と2ペダル式MTモデルがあります。だから、前者のボディ短縮版が「グラントゥーリズモ」となり、後者の、グラントゥーリズモ以上に短くしたシャシーを使ったのがアルファ8Cということもできますが……。
サイズを較べてみましょう(欧州発表値)。
QP:全長505cm/車軸間306.5cm
GT:全長488cm/車軸間294.2cm
8C:全長440cm/車軸間264.6cm
ちなみにマセラティのクーペ「グランスポーツ」は、453cmに266cmだから、アルファ8Cに近い大きさです。おたがい2シーターだから、当然といえば当然ですが。
……といったベース車さがしをしてみても、実はあまり意味がありません(さんざんしといて!)。だってアルファ8Cコンペティツィオーネは、「スチールのプラットフォーム+ボディ骨格」にカーボンのパネルを貼る、という凝ったつくりをしているからです!!
カーボン
【写真・上】
カーボンボディがジマンの「アルファ8Cコンペティツィオーネ」。
ドアの内張も、ホラ! この通り!!
「ランボルギーニ・ガヤルド・スーパーレジェーラ」だと、表面にクリアを吹いて艶々にしていますが、「アルファ8Cコンペティツィオーネ」の場合は、素材そのままで凄みを出しています。
【写真・下】
インストゥルメントパネルに肉薄してみました。
“カーボンな感じ”がわかるでしょうか?
車重を較べてみましょうね(欧州値)。
QP:1970kg
GT:1780kg
8C:1575kg
GS:1720kg
新素材の霊験あらたか!?
(webCGアオキ)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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