フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン TSI トレンドライン(FF/2ペダル6MT)/ハイライン(FF/2ペダル6MT)【試乗速報】
「ゴルフ」より上 2007.03.22 試乗記 フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン TSI トレンドライン(FF/2ペダル6MT)/ハイライン(FF/2ペダル6MT)……300万2000万円/350万2000円
フォルクスワーゲンのコンパクトミニバン「ゴルフトゥーラン」が、3年ぶりにマイナーチェンジ。
顔立ちだけでなく、話題の「TSI」エンジンや「DSG」ギアボックスなどを得て、中身も変わったという。その乗り味やいかに?
人気のクルマに、人気のエンジン
「ゴルフトゥーラン」は、7人乗れるコンパクトなインポートミニバンとして人気ナンバー1だ。そのトゥーランにも「ゴルフ」と同じくTSIエンジンが搭載された。
こちらはチューンが2つあって、140ps(トレンドライン)か170ps(ハイライン)のどちらかを選べる。
TSIはご存知のように、低回転域はスーパーチャージャーを利かし、高回転域ではターボチャージャーが威力を発揮する。中間域ではどちらも働く。
2種のチューンの違いはそれらの過給圧コントロールの相違によるものだ。その排気量は1.4リッターと小さく、当然ながら定速走行に移れば排気量なりの省燃費ぶりを発揮する。
「余裕」と称して大きめの排気量をもって、ガソリンを撒き散らしてきた時代は去りつつある。TSIエンジンは、これからの知的生活には欠かせないものになるだろう。
2007年2月6日に発売された同社の「ゴルフGT TSI」は、発売後3週間で1500台以上の受注があったという。高性能と省燃費を両立させたエンジンに対する巷の評価はすこぶる高い。
おすすめはベーシックグレード
140ps版は「トレンドライン」、170ps版は「ハイライン」と呼ばれ、価格はそれぞれ275万円と325万円である。
おすすめは140ps版で、その差額50万円で「MMS」(マルチメディアステーション)と「スライディングルーフ」(合計37万8000円)をオプション装着した方が賢明と思われる。
もちろんパワーはあるに越したことはない(安定性に寄与するから)が、この場合でいえば発進時などの低速域ではどちらも同じ加速感であり、十分なトルクが確保されている。
高速域はドイツでは意味があるが、せいぜい140km/h程度までしか使わないわが国では、170psのピークパワーに、あまりありがたみはない。それより差額を有効に使った方がいい。
燃費も10・15モードで0.2km/リッターほどいい。
TSI以外の部分では、ATがアイシン6ATからDSGに代わったことがニュースだ。
変速ショックが皆無なDSGは、走行性がスムーズなだけでなく、ステップアップ比でみれば1/2/3速間が今までよりクロースしており(1.61-1.47)、それだけとってもより段差が少なく加速も力強い。
DSGは通常のトルコン式とは違い、ブレーキを放せば動きだすクリープ現象が弱い。そこを意識してスッとアクセルを踏み込むのがコツ。
坂道発進時に、一瞬ブレーキをかけてくれる「ヒルホルダー」があるので、坂道待発進でクルマが後ろに下がることはない。それとは別に、交通の途切れを待って素早く発進したいような場合、AペダルとBペダルの両方をダブって踏んでいると、一瞬エンジンがストールする癖はフォルクスワーゲン車に共通の悪癖ゆえ注意が必要。状況によっては「ヒヤッ!」とすることもある。
この点、左足ブレーキ派にとっては運転のリズムを狂わす元凶として、早期の改善を望んでおきたい。
飽きない雰囲気
ボディ関連で気になった点。ダッシュボードの上面奥、前端部が逆反りしておりこの部分が目障り。
ワイパーを隠してスッキリさせたい気持ちはわかるが、ズーッと生涯変わらない景色として見続けなければならない場所ゆえ、できれば存在感はない方がいい。目隠しの逆で、見えない前方直下の景色を見せようとする努力をするならば、ここは逆傾斜でなければならない。そうした配慮をしているクルマもある。
これはその昔、「カラベル」だったか、フォルクスワーゲンのミニバンで同じことを書いた記憶があるから、伝統(?)といえばそうなのかもしれない。
メッキ処理されたノーズ先端のパネルは、好き嫌いの好みがはっきりする部分だろう。
ドイツでは虫が付着して汚れやすい部分ゆえメッキしてあれば掃除はしやすい。ギラギラ顔が嫌ならば塗ってしまってもいいが、押し出しの強さがドイツ車の特徴でもある。
ともあれ、カッシリした造りの確かさからはシートなどの耐久性も高そうだし、奇を衒わない正統派の構成は長く使っても飽きのこない雰囲気を持つ。
トゥーランはゴルフよりも利用価値の高い実用車である。
(文=笹目二朗/写真=峰昌宏/2007月3月)

笹目 二朗
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