第310回:コージの勝手にジュネーブ速報(その2)
鬼気迫る“カブキ顔”新型Cクラス登場!
2007.03.13
小沢コージの勢いまかせ!
第310回:コージの勝手にジュネーブ速報(その2)鬼気迫る“カブキ顔”新型Cクラス登場!
ドーピングで、3シリーズ、A4に対抗
前回に引き続き、ジュネーブショー会場から。俺がショーを見た感じをざっと報告しましょう。
まず印象深かったのはメルセデス・ベンツの新型Cクラス。ハッキリいって鬼気迫るものがあります。
一番の違いは、今までのようにSクラスやEクラスの小型版になってないことで、サイズは小さくとも大きく見せるようなデザイン。というか実際サイズも全長4581(先代比+55)、全幅1770(同+42)mmとかなり大きくなってるわけだけど、それ以上にハッタリをかまそうとしている感じが見受けられる。
ますます魅力的になったライバルBMW3シリーズや、今となってはまったく無視できないアウディA4に対抗しようってのはミエミエなわけで、俺は直感的に「コイツってカブキ顔だなぁ」って思いました。顔に派手なアイシャドウとか塗ったら似合いそうじゃない。エアロパーツも似合いそうだし、事実ショーで見た新型のDTMバージョンはカッコよかった。サイドにはかなり強力なウェッジシェイプが刻まれていて、かなりドーピングされちゃった感じ。
記者会見に臨んだディーター・ツェッチェ会長によれば「現時点で5万数千台受注している」そうで、今のなりふりかまっていられないメルセデスを象徴してるように思いました。
ココ最近で一番のフルチェンジ
逆にスッキリしてたのは「日産エクストレイル」。俺は今でも旧型を欲しいと思ってるくらい興味がある、「定番」がウリのクロカン4WDなんだけど、ごらんの通りのキープコンセプト。フロントデザインやディテールなどは結構変わってて、新型であることを証明してる。でも、基本的なボディシェイプは変わっていない。
これまた英断だなぁと思いました。変える必要ないし、変えられないもんね。インテリアを見たら着実にクオリティアップしてて、事実上はインテリアのフルモデルチェンジという感じかも。
それより感心したのは「マツダ2(デミオ)」だな。ホント、単純にカッコよくなってる上に、前よりサイズ小さくて室内広くなってるんでしょう? 最近のマツダはすごく充実してます。
ココ最近のフルモデルチェンジとしてはもっとも素晴らしい変化なんじゃないでしょうか。旧型は旧型で悪くなかったけど、まさに初代のインパクトを取り戻してる。乗ればきっとハンドリングも悪くないんでしょう。
ロータスさん、わかってらっしゃる!
あとはそうだなぁ。早く出してほしいと思ったのは「ロータス2-eleven」。そ、エリーゼをベースにドアを剛結させ、フロントウィンドウを取っ払っちゃった超スパルタンモデルで、まさに現代の「スーパー7」! 今年中には日本に入るらしい。
パワートレインは、トヨタ製1.8リッター直4にスーパーチャージャーをドッキングさせた255psの超過激バージョン。さらに670kgまで軽量化されてるっていうから動力性能もすさまじいものが想像できる。
つくづくロータスって自分のことがわかってんなぁと思いました。自分の商品価値、イメージを熟知し、見事それを活かしきってる。日本にもこういうメーカーがあったらいいのに……と一瞬思ったけど、イギリスだからできるんだよなぁとすぐに考え直した次第。日本じゃ無理だね。法律や行政の問題で。
ってなわけで、ドイツ車もイギリス車も国産車そのほか等しくがんばってるジュネーブショー。みなさんいい仕事されてますな。非常にスガスガしく思いましたよ!
(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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