キープコンセプト「日産エクストレイル」、中身はより土系に【ジュネーブショー07】
2007.03.08 自動車ニュース【ジュネーブショー07】キープコンセプト「日産エクストレイル」、中身はより土系に
2007年3月6日にプレスデイで幕を開けたジュネーブショー。
日産のブースで披露された新型「X-TRAIL(エクストレイル)」、欧州でも人気の車種だけにモデルチェンジの方向性を決めるのは難しかったようだ。
■ポスト・チェロキーに育った
SUVが軒並み都会的な洗練度を増してクロスオーバーと呼ばれるカテゴリーに同化していくなか、目線が限りなく地面に近い“土系四駆”はもはや過去の遺物かと思いきや、そうではなかった。
日産の“土系”の代表格、エクストレイルはこちら欧州でも人気。6年前に発売したとき、日産はヨーロッパで年販2万3000台と見積もったものの、平均で5万4000台が売れ、最高に売れた年で6万4000台にも達した。
結局先代は全世界で61万5000台売れ、うち27万5000台が欧州だったそうだ。
この規模ともなると、もはや単なるニッチ車種の域を超えている。エクストレイルは、もはやポスト・チェロキーに育った感あり。
■外身は変えずとも、中身は大きくシフト
そうなると俄然難しくなるのがモデルチェンジの方向性である。ここ数年、日産の文脈は変わることをもってヨシとしてきたが、ご覧のとおりキープコンセプトのど真ん中を貫いてきた。
日産はしきりに「オーナーの声を集めたら『変えないで』というのが多くて……」とエクスキューズしていたけれど、個人的には“変えないクルマ”があっても全然問題ないと思う。
ましてやここはトーキョーのような急激な変化を嫌う(ように見える)ヨーロッパ、まわりの新車たちを見てくださいって。あまり変わってないエクストレイルを責める人などいやしません!
しかし、エクストレイルはその中身において、実は大きくシフトしていたのだ。
4WDシステムが「4×4−i」と呼ばれるオールモードタイプになり、進化したヒルスタート&ディセント(下降)コントロールが備わるなど“土系”に磨きがかかった。
全長は従来比175mmプラスの4630mmで、その多くはカーゴスペースの拡大にあてられる。不満の声が挙がることが多かったインテリアの質感は改善され、それでいてあの「洗える荷室」も受け継がれている。
こちらでのエンジンは、2リッターと2.5リッターのガソリンと、2リッターターボディーゼルの合計3種類だ。
まあ、ある意味エクストレイルでこれだけ思い切れたのは、「キャッシュカイ(日本名:デュアリス)」という“保険”があったからであろう(もちろんそのために戦略的に投入したのだろうけれど)。
(NAVI竹下)
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