第1回:マセラティからオートマチック
2007.02.28 エディターから一言第1回:マセラティからオートマチック
明治神宮にて
好むと好まざるにかかわらず、『webCG』コンテンツエディターに本格(!?)復帰したアオキこと青木禎之でございます。
『webCG』読者の皆さま、コンニチハ。
さて、2007年2月28日、明治神宮に行って参りました。
「マセラティ・クアトロポルテ・オートマチック」の発表会が開かれたからです。
「マセラティ・クアトロポルテかクワトロポルテか?」
はたまた
「アウディ・クワトロかクアトロか?」
……と、編集者を悩ます2大モデルでありますが(正解はどちらも前者)、それはともかく、“通”の間では「QP」と略されるクワトロポルテ、じゃなかったクアトロポルテ。これまで2ペダル式MT「デュオセレクト」しかなかった4ドアサルーンに、“普通のオートマ”、トルコン式ATモデルが加わりました。
気になるお値段は……
・クアトロポルテ・オートマチック……1414万円
・同エグゼクティブGT……1582万円
・同スポーツGT……1540万円
従来のデュオセレクトモデルと、同じグレード構成、同じ価格。実はデュオセレクトモデル、ちょぴり値上げしております。全体的に。
せっかくなので、グレードを復習してみましょう。
「エグゼクティブGT」は、その名の通りラグジュアリー志向のクアトロポルテ。リアのサイドウィンドウにブラインドが付いたり、後席のエアコンが充実したり、リアシートのマッサージ機能が装備されたりする。主に後席に座る方のために用意されました。
一方「スポーツGT」は、自らステアリングホイールを握ってガンガン走りたいリッチパースン向け。チタンカラーのブレーキキャリパーやドリルド・ブレーキディスク、タイヤプレッシャー・モニタリングシステムなどが奢られ、足まわりのチューンもスペシャルです。ホイールは20インチ、内装はカーボンインテリアとスポーティさが強調されます。
発表会テントにて
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの一瀬和久取締役。
「マセラティは世界56カ国で販売、280カ所のネットワークがあります」と、フェラーリ傘下に入った三つ又メーカーの成長ぶりをアピール。
2003年にデビューしたクアトロポルテの累積生産台数は約9000台。マセラティ史上、最多のモデルになったとか。
9000台で。うーん、さすがはマセラティ!
さて、日本は、北米、ドイツといったマーケットに続き、マセラティにとって第8位の市場なんだとか。
2006年は380台を売り、今年2007年は600台を目指すとのこと。オートマQPは、強い推進力となることでしょう。
続いて壇上に立ったのは、イタリアから駆けつけたジャン・カルロ・ビネッティ氏。イタリアの本社でコマーシャル・ダイレクターを務める。
2006年度は、世界中で5700台のマセラティ車を販売。07年は、「33%アップの7600台を目標とする」と強気の発言。オートマのQPに加え、きたるジュネーブショーで披露されるニュー・クーペ「グランツーリズモ」に大きな期待を寄せる。
わが国では、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディから顧客を奪い、2008、2009年ごろには1000台を売りたい、と。これが実現したならば、日本市場はなんと世界第2位に躍り出る! あくまで実現すれば、ですが。
まぁ、ドイツ御三家の活躍ぶりを目にすれば、世界第2位の皮算用も弾きたくなるというもの。
もともとカッコなら負けてないし、そのうえオートマチックまで設定されちゃったのだから。
「メルセデスに乗っていても、もはや注目はされない。クアトロポルテなら、道行く人が足を止めるでしょう。BMWのエンジンをかけても、誰も耳をそばだてないけれど、クアトロポルテなら『どんな音がするんだろう』と立ち止まるはずです」と、ビネッティ氏、メディアからの質問に応えていました。
プレスコンファレンスを終えて
というわけで、クアトロポルテ・オートマチックの発表記者会見を終えて。テントの前に展示されたクルマの前にてフォトセッション。
黒山の……とまではいきませんが、十二分な注目を集めております。
ちなみに、クアトロポルテ・オートマチックのオートマは、ZF製の6段AT。従来の、ギアボックスをリアにもっていった「トランスアクスル」方式は採られない。通常通り、エンジンの後ろに、オートマチック・トランスミッションは置かれます。
前後重量比は、47:53から49:51になった。
「オートマでも良好な前後重量バランス」と言いたいけれど、
でも、そうなると
「じゃあ、ジマンのトランスアクスルは何のため?」ということになるわけで、ボローニャ由来のメーカーとしては、微妙なところです。
あまり突き詰めると、「ラグジュアリーサルーンにおける“スポーティ”とは?」といった大上段な話題になりそうなので、今日のところはこのへんで。
(webCGアオキ/2007.2.28)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
第858回:レースの技術を市販車に! 日産が「オーラNISMO RSコンセプト」で見せた本気 2026.1.15 日産が「東京オートサロン2026」で発表した「オーラNISMO RSコンセプト」。このクルマはただのコンセプトカーではなく、実際のレースで得た技術を市販車にフィードバックするための“検証車”だった! 新しい挑戦に込めた気概を、NISMOの開発責任者が語る。
-
第857回:ドイツの自動車業界は大丈夫? エンジニア多田哲哉が、現地再訪で大いにショックを受けたこと 2026.1.14 かつてトヨタの技術者としてさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さん。現役時代の思い出が詰まったドイツに再び足を運んでみると、そこには予想もしなかった変化が……。自動車先進国の今をリポートする。
-
第856回:「断トツ」の氷上性能が進化 冬の北海道でブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」を試す 2025.12.19 2025年7月に登場したブリヂストンの「ブリザックWZ-1」は、降雪地域で圧倒的な支持を得てきた「VRX3」の後継となるプレミアムスタッドレスタイヤ。「エンライトン」と呼ばれる新たな設計基盤技術を用いて進化したその実力を確かめるべく、冬の北海道・旭川に飛んだ。
-
第855回:タフ&ラグジュアリーを体現 「ディフェンダー」が集う“非日常”の週末 2025.11.26 「ディフェンダー」のオーナーとファンが集う祭典「DESTINATION DEFENDER」。非日常的なオフロード走行体験や、オーナー同士の絆を深めるアクティビティーなど、ブランドの哲学「タフ&ラグジュアリー」を体現したイベントを報告する。
-
第854回:ハーレーダビッドソンでライディングを学べ! 「スキルライダートレーニング」体験記 2025.11.21 アメリカの名門バイクメーカー、ハーレーダビッドソンが、日本でライディングレッスンを開講! その体験取材を通し、ハーレーに特化したプログラムと少人数による講習のありがたみを実感した。これでアナタも、アメリカンクルーザーを自由自在に操れる!?
-
NEW
クルマの乗り味の“味”って何だ?
2026.1.20あの多田哲哉のクルマQ&A「乗り味」という言葉があるように、クルマの運転感覚は“味”で表現されることがある。では、車両開発者はその味をどう解釈して、どんなプロセスで理想を実現しているのか? 元トヨタのエンジニア、多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
プジョー208 GTハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】
2026.1.20試乗記「プジョー208」にマイルドハイブリッド車の「GTハイブリッド」が登場。仕組みとしては先に上陸を果たしたステランティス グループの各車と同じだが、小さなボディーに合わせてパワーが絞られているのが興味深いところだ。果たしてその乗り味は? -
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。
