オペル・ヴィータGLS(4AT)【試乗記】
『昔気質』 2001.02.21 試乗記 オペル・ヴィータGLS(4AT) ……187.0万円 オペルの小型ハッチ、ヨーロッパでは「コルサ」、邦名「ヴィータ」の国内販売が、2001年2月1日から始まった。当面、輸入されるのは、1.4リッター+4段ATの5ドア「GLS」と3ドア「Swing」。「かわいいヴィータ……」からの脱皮を図り、先代より半まわり大きくなったコンパクトモデルはどうなのか?ユニセックス
ヴィータというと思い出す。「かわいいヴィータ! ハイ、ハイ!」と歌われるテレビコマーシャル。「こりぁあ、オトコは買えないな」と当時は感じたが、そこは老舗ヤナセの底力。1995年に導入を開始、翌年、翌々年は約1万5000台、98年には1万3000台超を販売して、オペルのハッチバックを、すっかりポピュラーな輸入コンパクトに押し上げた。
2000年10月に開催されたパリサロンでデビューした3代目コルサ(ヴィータ)は、先代より45mm延ばした2490mmのホイールベースに半まわり大きな、トヨタ・ヴィッツと比較すると、205mm長く、15mm細く、60mm低いボディを載せる。基本的なディメンションは、3ドア、5ドアとも変わらない。
「ぬいぐるみの熊のような抱きしめたくなるようなやさしい形のデザイン」(プレス資料)だった、つまりほんわり丸かった旧型から、ニューモデルは要所要所にストレートラインを通した、キリリとした外観になった。サイドウィンドウの面積を減らして、どっしり感も出した。ユニセックス寄りのデザインにすることで、従来の女性顧客を逃がさずに、男性ユーザーの支持をも狙おうというわけだ。
正直ヴィータ
シルバーの5ドア「GLS」に乗る。硬く平板なファブリックシートには、座面上下をヘラ形のレバーで調整するハイトコントロールが備わる。定規とコンパスだけで描いたような、幾何学が支配するインパネまわり。「ビールをジョッキで!!」と頼むと、「おクルマではありませんね」と念を押されるドイツ料理店の給仕のようだ。実直で実用的だが、甘えさせてはくれない。
圧縮比を上げて、前モデル比5psと0.6kgmのアップを果たした1.4リッターDOHC16バルブ「エコテック」ユニット(90ps/6000rpm、12.8kgm/4000rpm)もまた、正直にウルサイ。回転を上げるとキレイに(?)ノイズが高まって、「エンジン、回ってます」という感じ。当たり前だが。
165/70R13から175/65R14と、太く薄く大きくなったタイヤを履くニューモデルは、中低速では足もとがバタつき、路面の継ぎ目での突き上げもあるが、速度を上げるにつれ乗り心地はよくなる。そんなところも、昔気質のドイツっぽい。高めのショルダーラインからくる安心感、ガッシリしたボディ、小さいゆえの軽々しさはない。
さて、「154.0万円」(3ドアモデル)という、内外格差のない価格も話題になった先代ヴィータ。今回、諸事情により、フランスでのヌーボーコルサ1.4リッター5ドアモデルの上級トリム版「エレガンス」の値段をインターネットで調べると、8万4000フラン(約138.9万円)。「装備追加」「運賃」「諸経費」その他、日本仕様にするための費用は48.1万円也。ヴィータGLSの車両本体価格187.0万円。こちらの正直さはいかほどか。
(webCGアオキ/写真=河野敦樹)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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