オペル・オメガワゴン スポーツ(4AT)【試乗記】
スポーティな生活 2002.08.07 試乗記 オペル・オメガワゴン スポーツ(4AT) ……429.0万円 オペルのフラッグシップ「オメガ」。日本での2002年モデルは、17インチタイヤにスポーツサスを組み合わせた「オメガワゴン スポーツ」のみがラインナップされる。フロントグリルが新しい大型ワゴンに、webCG記者が試乗した。“ヨンゴー”ワゴン
オペルのフラッグシップ「オメガ」。1986年に初代が発表され、1993年にフルモデルチェンジを受け、2代目になった。現行型は、さらに1999年のビッグマイナーチェンジに受けたバージョンで、前後エクステリア形状や、インテリアではダッシュボードが一新された。
4ドアセダンとワゴンの2種類がわが国に輸入されていたオメガだが、2002年モデルは「オメガワゴン スポーツ」のみ。2.6リッターV6DOHC“エコテック”ユニットを搭載し、専用チューンのスポーツサスペンションに「235/45R17」のスポーティなタイヤを履くのが、サブネーム“スポーツ”の由来である。
フロントグリルが横一線のラインから、格子型になったことも新しい。オペルは昨今、ブランドイメージを若返らせるべく、新型ベクトラから稲妻エンブレムをシャープにしたり、「アストラクーペ」や「カブリオ」などのスポーティモデルを導入している。だからオメガも、セダンより販売台数が見込めるワゴンの、スポーツ仕様を導入したのだろう。
2.6リッターV6DOHC“エコテックユニット”は、180ps/6000rpmと24.5kgm/3400rpmを発生。電子制御可変吸気システムを採用し、全回転域での豊かなトルクを謳う。ボディサイズに変更はなく、全長×全幅×全高=4900×1785×1545mm、ホイールベース2730mm。切り立ったバックドアで最大限のスペースを確保する、ジマンの大きなラゲッジスペースなどは、いうまでもなくそのままだ。
手が届かない
テスト車のボディーカラーは「ブラックサファイヤ」。これに加え、「スターシルバーIII」の2色が設定される。インテリアは、前者がグレーレザー、後者はブラックレザーとなる。
フラッグシップらしく、装備は充実している。本革シートは、電動調節、前後ともヒーター付きの豪華版だ。エアコンは左右独立で温度調節可能な「Smart ECC」フルオートエアコン。ラジオ+MDプレーヤーに加え、6連奏CDチェンジャーと6スピーカーシステムを標準装備する。
ドアを開けると……、ドアがやたらと重い。前後左右とも大振りなシートは、適度な硬さがあり、座っていてダレることがない。室内を見まわすと、センターパネルの大きいこと!! エアコンとオーディオ、トラクションコントロールのスイッチが整然と並ぶ。ジャンル別に配置してあって使い勝手はよかった。それを取り囲むカーボン調トリムの、適度な無機質感がイイ。清潔なオフィスのようだ。外資系IT企業の。
荷室は、たいへん広い。FRレイアウトのゆえ、ドライブシャフトやディファレンシャルギアが床下に配されるせいか、天床までの高さは驚くほどではない。しかし、奥行きは約120cm。後席を倒すと190cmを超え、助手席まで倒せば2.9mの長尺物を積める。リアシートは、背もたれ上部のスイッチを押すだけ(このスイッチは重かった)で前倒し可能。荷室のフロアと、バックレスト背面が平らにつながる。後席を倒した状態で、撮影用の小物を奥に置いたら、176cmのリポーターが膝を荷室に乗せて手を伸ばさないと届かなかった。ホイールハウスの張り出しも少なく、四角くて使いやすそうだ。
長距離にピッタリ
走り出すと、エンジンは滑らかでトルキー。車重が1740kgもあるが、低回転からトルクがあるので、ググーっと前に押し出してくれる。アクセルを踏み込めば、キックダウンの後に猛然と加速。乗り心地も「スポーツサスペンション+235/45R17」というスペックから想像されるより、突き上げが丸くて優しい。ただ、止まるのがちょっと苦手で、ブレーキは踏み応えが柔らかく、強めに踏み込まないと効きが悪い。スポーツワゴンのオーナーになったら、ブレーキパッドをスポーティなものに変えたほうがいいかもしれない。
高速道路は快適至極。直進安定性も高いし、適度にユルいステアリングフィールは、ドライバーに肩ヒジ張らせない。疲れない。さらに、クルーズコントロールを使えばハンドルに手を添えるだけですむ。大陸横断系だ。
100km/h巡航時のエンジン回転数は2400rpm、室内は静か。家族とたくさんの荷物を積んで、長距離ドライブなんて使い方にピッタリだと思う。
FRの大型ワゴンといえば、輸入車だとメルセデスベンツ「Eクラス」やBMW「5シリーズ」などがあるが、どれも価格が500.0万円を超える高価なモデル。そのなかにあってオメガは、429.0万円と大幅にリーズナブルである。家族と荷物を載せて海へ山へ、道具としてガンガン使うには、いいんじゃないでしょうか? スポーツワゴンとして、というより、スポーティな生活の道具として。
(文=webCG大澤俊博/写真=峰 昌宏/2002年7月)

大澤 俊博
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