「スプリングワッシャの役目は?」

2006.05.27 クルマ生活Q&A 松本 英雄 その他
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「スプリングワッシャの役目は?」

ボルト、ナット、ワッシャ関係で、スプリングワッシャというものがありますが、ボルトの締め付けトルクが適正であれば、スプリングワッシャは、不必要かと思います。スプリングワッシャの用途、効果を教えてください。
(埼玉県THさん)

お答えします。スプリングワッシャは、ボルトやナットの下に敷いて締めつけることで、常にテンションを与えて緩みにくくするという効果があります。コイル状のスプリングを一巻きでカットしたような形状で、締めつけることによって平らに変形し、元に戻ろうとするスプリングのような作用が生まれます。

しかしすべての場所でスプリングワッシャを使うわけではありません。たとえばクランクケースに使うボルトや、アルミホイールのハブボルトと組みあわせるホイールナットを見てください。ここにスプリングワッシャは無いはずです。

実はボルト本体にも金属の弾性変化により、若干のスプリング作用があるのです。この作用が強いボルトは、強い締め付けに耐えられることになります。上記のような場所には、この強いボルトが用いられているため、スプリングワッシャを使っていないのです。

おっしゃる通り、ボルトの締め付けトルクが適正であれば、スプリングワッシャは必要ではありません。しかしボルトによっては強い締め付けに耐えられないものもあり、そのときにスプリングワッシャの登場となるわけです。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。