アルファロメオ・アルファGT 2.0 JTSセレスピード エクスクルーシブ(2ペダル5MT)【ブリーフテスト】
アルファロメオ・アルファGT 2.0 JTSセレスピード エクスクルーシブ(2ペダル5MT) 2004.07.14 試乗記 ……453.6万円 総合評価……★★★★★ 「アルファ156」をベースにつくられたスペシャルティクーペ「アルファGT」。自動車ジャーナリストの笹目二朗は、GTを名乗る“スタイリングカー”を想像していたが……。
|
GTの名にふさわしい
ヒットモデル「アルファ156」をそのまま2ドアクーペに改装したものを想像したが、実際に乗ってみると歴代「アルファGT」の名に恥じないクルマだった。スポーティな感覚に包まれ、グランツリスモを名乗る資格は十分にある。大きめのラジエーターグリルの楯も、クラシックなモチーフがより強調されて力強く、アルファらしい個性に富む。内装のつくりはより丁寧で高級、イタリアの手づくりカスタムカーのような雰囲気に満たされる。
試乗日は、あいにくの豪雨に見舞われたが、クイックレスポンスのシャープな回頭性や4輪の磐石なグリップ感により、安心して走ることができた。「GTA」ほど過激ではないものの、スタイリングだけがウリのエレガントなクーペではなく、低重心のスポーツカー感覚が操縦安定性にも反映されている。
|
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「快適さとエレガンスが共存するスポーティカー」をコンセプトにつくられた、「アルファ156」ベースの2ドアクーペ。日本には2004年6月から導入された。カロッツェリア・ベルトーネが手がけた流麗なボディラインと、大人4人(定員は5人)が快適に過ごせるという居住空間が自慢である。ボディサイズは、156より60mm長く40mm低い、全長×全幅×全高=4495×1765×1375mm。ホイールベースは同じ2595mm。容量320リッター(最大905リッター)のラゲッジルームが“使えるクーペ”であることをアピールする。
エンジンは、直噴「JTS」2リッター直4 DOHC16バルブ(166ps/6400rpm、21.0kgm/3250rpm)と、3.2リッターV6 DOHC24バルブ(240ps/6200rpm、29.4kgm/4800rpm)の2種類。トランスミッションは、前者に2ペダル5MT「セレスピード」、後者には6段MTが組み合わされる。セレスピードには、従来のマニュアルモードに加え、シフトタイミングやラグのすくない「スポーツモード」が追加された。フルオートの「シティモード」も備わる。
(グレード概要)
2リッターは、ベーシックな「2.0JTSセレスピード」と、レザーシートなどを奢った上級「2.0JTSセレスピード エクスクルーシブ」の2グレードを設定。3.2リッターV6モデルとあわせ、全3車種が用意される。
スペシャルティカーらしく、ベーシックグレードでも、前後フォグランプやヒーテッドドアミラー、デュアルゾーン式フルオートエアコンなど装備は充実。アルファロメオではお馴染みのBOSE製オーディオには、新たにMP3プレーヤーが装着された。上級グレードには、キセノンヘッドランプやヘッドランプウォッシャー、シートヒーターやレインセンサーなどが付与される。
安全装備は全車共通で、全6個のエアバッグ、VDCやASRなどアクティブ&パッシブセーフティ機構が与えられた。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★★
「アルファ156」的なニュアンスは残すものの、ベルトーネ製クーペらしい正調イタリアンGTのクラシカルな落ち着きが感じられる。156からは若さを感じるが、アルファGTはいわば老成した渋さがある。
ただしメーター内部の表記はまだ詰めが甘い。セレスピードのパドルはステアリングと共にまわるタイプ。なろうことなら、フェラーリ流の固定されたものが欲しい。
(前席)……★★★★★
シートはサイズ、形状共に良好。クッションは硬めで耐Gなどホールド性も高いが、ヘッドレストがやや遠目なのが玉にキズ。フロントをはじめ四方の天地寸法が短めなスクリーンは、いかにもGTらしいスモールキャビンをドライバーにも感じさせる。すっぽりとボディが身体を守って顔だけが外に見えるような、独特の眺めを提供してくれる。まさにスポーツクーペづくりの神髄を感じさせる。
(後席)……★★★
完璧な4シーターとは言えないものの、この手のスポーツクーペのリアシートとしてはまずまずの居住空間だ。とはいえ、ヘッドルームや足元はミニマムだから、長時間の滞在は辛いだろう。ともあれ、リアキャビンにすっぽりと収まって身動きがとれないのは、ある種の諦めも生まれる。かえって横Gに対して“囲まれた”安心感も生まれよう。閉所恐怖を感じるほど、閉塞感はない。
(荷室)……★★★★
外観から予想されるよりはるかに広い。トランクリッドが高く天地寸法などは、ある種の5ドアハッチバックより広いほどだ。「GT」の名称通り、2人分の長距離旅行用の荷物はすっぽり収まる。2人ならジャケットなどはリアシートにも置けるし、センターアームレストを開ければすこし長めの物を積み込むことも可能。リッドはパンパー高から開く。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
お馴染みになりつつある、「JTS」こと直噴方式の2リッター直列4気筒DOHCエンジンに新味はないが、不満も皆無。トルクとレスポンスそして快音、アルファらしい味わい深いユニットである。エンジンだけなら5ツ星。
セレスピードは、完全オートマチックの「CITY」モードに加え、マニュアルモード時にレスポンスのいいシフトが可能になる「SPORT」モードが追加された。強いて所望するなら5段でなく、ステップ比がすくなくスポーティな6段セレスピードでやって欲しかった。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
いさぎよく硬めたサスペンションのダンピングの効いた動きは、少々突き上げるものの快適だ。ボディはフラットで姿勢変化はすくないし、バネ系を硬めたクルマのようにポンポン弾む感じはナシ。ステアリングのクイックレスポンスのシャープな応答性、アルファ特有の水平ロール軸によるリアサスペンションの追従性のよさが、コーナリングでは快感。雨のなかでも安心して飛ばせる自信が自然に沸いてくる。
(写真=荒川正幸、峰昌宏/2004年7月)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2004年6月25日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)215/45ZR17/(後)同じ(いずれもグッドイヤーEAGLE F1)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(2):高速道路(5):山岳路(3)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

笹目 二朗
-
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】 2026.6.3 「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。
-
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】 2026.6.2 かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.6.1 「ホンダCR-V」がフルモデルチェンジ。新型は適切なボディーサイズと高品質な内外装を持ち、乗れば最新のホンダ車らしい気持ちよさが味わえる。ただし、その月販目標は400台。ちょっと弱気ではあるものの、周辺事情にも考えを巡らせると極めて妥当な数字にも思えてくる。
-
トヨタRAV4 GRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.5.30 新型「トヨタRAV4」のプラグインハイブリッド車ではEV走行換算距離が約150kmにまで到達。もちろん電池容量の拡大によるところも大きいが、何よりも最新のハイブリッドシステムによる効率向上が効いている。「GRスポーツ」をドライブした印象をリポートする。
-
キャデラック・リリックV(4WD)【試乗記】 2026.5.29 キャデラック初の電気自動車(BEV)「リリック」に、最高出力646PSのハイパフォーマンスモデル「リリックV」が登場。“ブランド史上最速”をうたう豪速SUVだが、実際に乗ってみると、高い動力性能がもたらすゆとりや心地よさにも魅力を感じる一台となっていた。
-
NEW
ホンダ・インサイト(FWD)【試乗記】
2026.6.5試乗記「ホンダ・インサイト」が電気自動車(BEV)として復活! ……というよりは中国工場製BEVにその名が与えられて日本にやってきた。さまざまな事情により、国内で販売されるのはわずか3000台のみ。日本人は“限定”に弱いとされるが、果たしてこの場合はどうか。 -
NEW
KTM 990 RC R(6MT)
2026.6.5JAIA輸入二輪車試乗会2026今年も開催された「JAIA輸入二輪車試乗会」より、魅惑のバイクを一挙紹介! 先陣を切るのは、この4月に発売されたばかりの「KTM 990 RC R」だ。オーストリアの雄が放つ最新鋭のスーパースポーツは、意外や“速さ”以外にも見どころの多い一台だった。 -
NEW
空冷の「スポーツスター」が復活!? ハーレーダビッドソンの定番商品はどんなバイクとなるのか
2026.6.5デイリーコラムハーレーダビッドソンが、一度は廃止した空冷の「スポーツスター」の復活を発表! 伝統の一台はなぜ絶版の憂き目にあい、そしてよみがえることとなったのか? ファンに愛される定番車種を刷新する難しさと、新型に課せられた使命、そして課題を考察した。 -
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。























