第247回:新春!クラウン時計キーに初チャレンジ!やっぱりモチはモチ屋?
2006.01.13 小沢コージの勢いまかせ!第247回:新春!クラウン時計キーに初チャレンジ!やっぱりモチはモチ屋?
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■GSにおよばず
みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。ってちょっと遅いか?
それはさておき新年早々、もしや「レクサスGS」を超えた? ってハナシのマイチェン後の「トヨタ・クラウンアスリート」を試してみました。評判の新型 3.5リッターを搭載するだけでなく、ハンドリングもよくなってて、GSはもちろん、ベンツに匹敵するとかしないとか? うーん、マジかいな。
で、結論から言っちゃうと正直、俺にはあんまり響きませんでした。確かに3.5リッターV6はいいけど、GSのと基本的な印象は変わらないし、確かにステアリングフィールはよりしっとり、なおかつ路面の状況をよく伝えるようになったけど、クラウン特有の地面にへばりついたような感覚は相変わらず。独特のステアリングのフリクションもあまり好きになれない。個人的にはGSの走りのほうがやっぱ自然な感じでいいな、ってとこです。値段が高いだけのことはある。
■気分は『スパイ大作戦』!
それより気になったのは、同時に追加でオプション設定された世界初の“時計キー”! 正確には『キーインテグレーテッドウォッチ』っつうんだけど、ようするに腕時計に無線で働くスマートキーがくっついてるわけよ。
実際、裏ブタには「SMART KEY」ってしっかり書いてあって、開発者によれば「1年半かけて、ケース厚を16.73ミリまで薄くした」そうなんだけど、時計リポーターでもある俺としては当然要チェーック!
感想としましては、単純に面白い! 時計が携帯電話になる!? とかTVになる!? みたいなのは少年の夢として昔からあるわけで、確かにキーをカバンから取り出さずに、腕時計をハメてるだけで、スイッチポンでドアが開き、スイッチポンでエンジンがかかるのは面白い。ちょっとした『スパイ大作戦』気分。『ミッション・インポッシブル』でも『007』でもいいんだけどさ。
それとね。デザインは思ったよりモダンかつ大人っぽいし、なによりチタンケースのおかげか、重量も86gとほとんど気にならない。厚さもここ数年のデカ厚時計ブームのおかげで全然OK!
加えて笑ったのはクロノグラフ用だと思ってた、右サイドのボタンがドアロックのオンオフスイッチだったことだよね。たいていは腕時計したままドアハンドルについてるスイッチ押して、ロックを解除するんだけど、離れた位置で、スパイよろしくボタンを押して、ピピッ! とドアロックを解除もしくは施錠することができる。うーむ、小学生の時に欲しかったぜぃ。文字盤内のインジケーターも同時にピカッ! と光るしなんだか楽しい!!
■ファッションアイテムとしては……
でもね。冷静に俺がクラウンユーザーだとしてこれをオプションで買うかっていうとどうかな。シャレでしか買わないかもしれない。4万2000円とビミョーな値段だけど。それに「時計だとかえって飲み屋とかで忘れそう」って意見もあった。
それはだからね。やっぱり時計ってもはや“機能商品”じゃないからなんだよね。時計を正確に知るための道具というより、完全にファッションアイテムであり、もしくはクルマとは全く別に自分を主張するもの。
そういう意味で、このクラウン時計がオノレを表すアイテムとしてふさわしいかというと、ちょっと違う気がする。もちろん、クラウンを買う人はクラウンがもたらすイメージなり、オーラが好きだから買うんだろうけど、この時計がクルマを代弁するほどよくできてるかっていうと難しい。
時計は時計、クルマはクルマ、やっぱりこの2つって、単純には相容れないのよ。最近流行りのクルマコラボウォッチって、たとえば人気の『ブライトリング フォーベントレー』にしても、実はクルマはクルマとして、時計は時計として、ちゃんとブランドが成り立っているメーカー同士がくっついて初めて成功する。
やっぱりこのキーはまだクラウンの高級&ハイテクなノベルティの域を出てない気がするのだ。つまり、その昔あったセルシオオーナー用ゴルフクラブとか、チタンドライバーのノリ。ま、トヨタもそのつもりだろうけどさ。これを時計単体として売る気なんてあるはずもないし、逆に売ってくれないでしょう。
なーんちゃって。案外使っちゃうと手放せなくなったりして!?
とにかく少年ゴコロのあるクラウンユーザーにオススメですね。
(文と写真=小沢コージ/2006年1月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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