アルファ・スパイダー 3.2 JTS Q4 ディスティンクティブ(4WD/6MT)【ブリーフテスト】
アルファ・スパイダー 3.2 JTS Q4 ディスティンクティブ(4WD/6MT) 2006.12.09 試乗記 ……645万3500円 総合評価……★★★★ 1966年に「アルファ・ロメオ・デュエット・スパイダー」がデビューして40年の今年、最新の「アルファ・スパイダー」が発表された。その「スパイダー」という名前にスポーツカーを期待していたリポーターは、各所の豪華さにとまどう気持ちを隠せなかったようだが……。
|
軽量、小型のスポーツカーが懐かしい
「アルファ・スパイダー」は世代を重ねるごとに、大きく重い方向に“進化”してきた。そして今やマセラティの領域にまで迫る。アルファファンとしての希望をいえば、あと200kgは減量してほしいところだ。しかしながらユーザーも年々トシをとるわけで、いつまでも若い頃と同じままでは商品性が追いつかないということなのだと思う。ユーザーの嗜好もトシと共に変わる。スパイダーにスポーツカーの面影を重ねて見るのは我々世代までなのだろうか。現代の若いユーザーの嗜好はより豪華でリッチな感覚をもつ高級指向なのだろう。軽く簡単ならば手動こそベストと思う幌も、今では電動格納でなければ時代遅れなのだ。そうしたものすべてを否定する気はないが、本質的に軽量、小型を旨とするスポーツカーも様変わりしつつあることを実感させられる。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1994年に発表された「アルファ・スパイダー」に代わり、2006年ジュネーブショーで発表されたのが現行モデル。従来型が「アルファGTV」と兄弟関係だったように、今作は「アルファ・ブレラ」と基本コンポーネンツを共用する。デザインはブレラをジウジアーロが担当したのに対し、スパイダーはピニンファリーナのエンブレムを携える。エンジンは2.2リッター直4と3.2リッターV6、2種の直噴ユニットをラインナップする。
(グレード概要)
直4搭載グレードは前輪駆動だが、V6はブレラや159同様にトルセン式センターデフを持つ四輪駆動となる。「3.2 JTS Q4ディスティンクティブ」は、18インチタイヤを装着し、フロントにはブレンボ製の4ポッドキャリパーも採用。アンチスピンデバイスのVDCやサイドエアバッグ、左右独立式のロールバーなどの安全装備はグレードによる差がなく、標準で備わる。なお、3.2リッターV6モデルは現在のところ6段MTのみだが、のちに6段ATが追加されると噂される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
正面に大型の丸2つのメーター、コンソールに丸3つの小メーターはアルファの伝統的なレイアウトである。これ自体はスッキリ見やすいが、数字がボヤッとした薄いグレーで、点灯させないと読みにくい。アルファらしい凹凸造形による迫力はあるが、覇気が薄まってしまった。ステアリングホイールのグリップは太過ぎ、3本スポーク上のアルミ装飾板は大きくやや目障り。装飾過多に感じる。
(前席)……★★★★★
シートの座り心地は上々。座面の長さもたっぷりあるし、後傾斜角度も適切。表皮の革は滑りやすいのが相場ながら、表面クッション部分はソフトで沈み込みによるホールド感あり。ヘッドレストはやや遠い。イタリア車は手のリーチが遠いわりには足のペダルが近いものが多いが、これは調整しろもおおきく、ストレートアームのポジションが自然にとれる。
(荷室)……★★★★
外見的にはデッキも高く、ボリューム感のあるヒップながら、電動格納型の分厚い幌を備えるため、現実のトランク容量は限られる。しかしトランク容量を必要とする時には幌を上げて使えばいい話で、収容能力の絶対値としては不足なし。スペアタイヤを備えない容量はかなり広いとさえいえる。ただし開口部の敷居は高く、重量物の出し入れはひと苦労。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
3.2リッターV6に6段マニュアルの組み合わせならば、動力性能に不足なしと思って乗ると期待は裏切られる。見てのとおりの肥満体は空車で1830kgもあるのだ。この重量は運動性能にとってマイナス。ただしエンジンのスムーズさや、ストレスなく6000rpmまで使えてシフトを楽しめるという点ではアルファの名に恥じない。6段のギア比についてはもう少し下3つをクロースさせて、重量対策をしてほしいところ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
ここでも1830kgの重さがキャラクターを決めてしまう。乗り心地は思いのほかしっとりと重厚。ハンドリングは軽快さこそ殺がれるものの、アルファらしいロール感からは接地性の確かさが認められる。スパイダーの武器はショートホイールベースにあり、重量級なりに連続するコーナーをクリアしていく楽しさは健在。
(写真=高橋信宏)
|
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2006年11月17日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年式
テスト車の走行距離:2274km
タイヤ:(前)235/45R18(後)同じ(いずれも、ブリヂストンポテンザRE050)
オプション装備:メタリックペイント=7万3500円/ポルトローナフラウ社製レザー仕上げインテリアトリム(シート/ドア内張/ステアリング/シフトノブ)+パワーシート(運転席:ドアミラー連動メモリー機能付)+3段階調節式シートヒーター=31万円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(5):山岳路(2)
テスト距離:324.8km
使用燃料:60.1リッター
参考燃費:5.4km/リッター

笹目 二朗
-
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】 2026.6.2 かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.6.1 「ホンダCR-V」がフルモデルチェンジ。新型は適切なボディーサイズと高品質な内外装を持ち、乗れば最新のホンダ車らしい気持ちよさが味わえる。ただし、その月販目標は400台。ちょっと弱気ではあるものの、周辺事情にも考えを巡らせると極めて妥当な数字にも思えてくる。
-
トヨタRAV4 GRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】 2026.5.30 新型「トヨタRAV4」のプラグインハイブリッド車ではEV走行換算距離が約150kmにまで到達。もちろん電池容量の拡大によるところも大きいが、何よりも最新のハイブリッドシステムによる効率向上が効いている。「GRスポーツ」をドライブした印象をリポートする。
-
キャデラック・リリックV(4WD)【試乗記】 2026.5.29 キャデラック初の電気自動車(BEV)「リリック」に、最高出力646PSのハイパフォーマンスモデル「リリックV」が登場。“ブランド史上最速”をうたう豪速SUVだが、実際に乗ってみると、高い動力性能がもたらすゆとりや心地よさにも魅力を感じる一台となっていた。
-
DS N°8エトワールAWD(4WD)【試乗記】 2026.5.28 前衛を身上とするフランスのラグジュアリーブランド、DSオートモビルから、新たなハイエンドモデル「DS N°8(ナンバーエイト)」が登場。当代屈指の性能を誇る電気自動車であり、かの地では大統領専用車にも選ばれる一台の、独創の魅力に触れた。
-
NEW
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
NEW
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。 -
NEW
気づけばすでに4モデル スバルのBEV戦略と水平対向エンジンの未来を考える
2026.6.4デイリーコラム「ソルテラ」に続き、「トレイルシーカー」「アンチャーテッド」「ゲッタウェイ」と、いつの間にか4モデルが顔をそろえたスバルのBEV。伝統的な水平対向エンジンやシンメトリカルAWDはこの先どうなるのか? スバルの未来戦略を探る。 -
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】
2026.6.3試乗記「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。 -
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感
2026.6.3デイリーコラム「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。





























