フォルクスワーゲン・ポロ 5ドア(4AT)【試乗記】
ルポのお兄さんから、ゴルフVの弟分へ 2005.10.15 試乗記 フォルクスワーゲン・ポロ 5ドア(4AT) ……220万円5000円 フロントマスクのイメージ統一を図るフォルクスワーゲンが、丸目フェイスから一新したポロを日本市場にリリース。新型はいかに?マイナーチェンジの概要
2005年9月3日から、新しい顔になった「フォルクスワーゲン・ポロ」の販売が開始された。
デビューから4年がたち、愛嬌のあった丸目フェイスに大きく手が入れられ、ちょっぴり二枚目に。ルポのお兄さんから、ゴルフVの弟分へと、ポジショニングが変わった、というか、元に戻った。中身は(ほぼ)同じなんですけどね。
ボディはこれまで通り3ドアと5ドアの2種類が用意される。1.4リッター(75ps、12.8kgm)に4段ATが組み合わされる動力系にも変更はない。価格は据え置きで、3ドアが178万5000円、5ドアが199万5000円となる。
アウディいうところのダブルグリルとなったフロント部を、VWでは「ワッペングリル」と呼ぶ。大きなUの字になったラインはボンネットを経てショルダーに繋がる。盾のイメージが、乗員をしっかり守ることを想起させるのだそうだ。
リアガラス下端がゆるやかなV字型になったのも新しい。大型化したリング状のテールランプもまた、わかりやすい新意匠。
インテリアは愛想のないグレー一色である。センターコンソール向かって右側にカード類を挟めるスリットが入った。メーターナセル内に目を転じると、計器の目盛りが細かくなり、回転計の表示が7000rpmまでになったことに気づく。が、前述の通りパワーパックはマイチェン前と同じだ。
レザーパッケージを選ぶと、ステアリングホイールが3本スポークの革巻きになることが新しい。オーディオ類は、8スピーカーのラジオ+CDプレイヤーが付き、助手席下にCDチェンジャーを装備できる。
アウトバーン育ち
ボディサイズは、全長がわずかに25mm延びて3915mmになったが、1665mm(3ドアは1655mm)の全幅と1480mmの全高は前のまま。依然として、胸を張って「コンパクト」といえる大きさだ。
走り始めれば、もちろん絶対的にはさして速くないけれど、75psの1.4リッター直4DOHCは、2000rpmも回せばモリモリとトルクが湧き出てくる実用ユニットで、出足はむしろ「力強い!」と感じられる。ATとのマッチングもよく、街なかでも、気持ちと実際の加速との間の違和感がすくない。アシが意外に柔らかいのも好印象。
一方で、高速道路も得意で、いまや贅沢装備(!?)の電動油圧式パワーステアリングは速度を問わずしっかりしたフィールで、ポロの“大人な”乗り味に一役買っている。
ウィンカーレバーに軽く1回触れると、「カチ、カチ、カチ」と3回自動で点滅するのは、たしかメルセデスの現行Cクラスで始まった機構で、高速巡航時のレーンチャンジの際に、周囲の交通への注意が散漫にならずにすむ。「こんなところもアウトバーン育ち」と、オーナーをよろこばせよう。
40歳、1000万円
2002年に日本で発売された4代目ポロは、3年間で約3万9000台を売り、昨2004年半ばに「MINI」にその座を奪われるまでクラストップの販売台数を誇っていた。新しモノ好きのクルマ好きの話題からは漏れがちなポロだが、実際に自分の懐を痛める方々は、いうまでもなく手堅いということだ。
ポロオーナーの平均年齢は40歳前後。年収は1000万円級! ……実際には旦那が買って、奥様やお嬢さんが使っているのかもしれないが、一方でポロをファーストカーとしている例も多いという。
「このサイズで約200万円」という大前提が納得できるなら、ポロはいい買い物だろう。ヒトに薦めてても、後で恨まれることはないはずだ。ポロを推して、「堅実な方」と好感をもたれるか、「つまらないヒト」と冷たい視線を浴びるかは、また別のハナシである。
(文=NAVI青木禎之/写真=郡大二郎/2005年10月)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.9.1 2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD)【試乗記】 2026.8.31 フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
-
トヨタbZ4XツーリングZ(4WD)【試乗記】 2026.8.29 「トヨタbZ4X」にワゴンのようなロングボディーを持つ「ツーリング」が登場。ただ長くなっただけではなく、今回試した4WDモデルではパワーもアップ。乗り味にも微妙な影響を及ぼしているから見逃せない。経路充電を試しつつ、370km余りをドライブした。
-
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】 2026.8.25 BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。
-
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】 2026.8.25 カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
-
NEW
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
NEW
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。































