「クルマの“裏側”見てきました」VWパサートワゴン国際試乗会日記(前編)
2005.09.26 自動車ニュース「クルマの“裏側”見てきました」VWパサートワゴン国際試乗会日記(前編)
『webCG』読者の質問にズバリと答える「クルマ生活Q&A」でお馴染み、テクノロジーライターの松本英雄“先生”が、「フォルクスワーゲン・パサートワゴン」国際試乗会に参加するため、ドイツへと飛んだ。そこで見たもの、感じたこととは……。
■空港でいきなり
webCG(以下w):松本先生、ドイツに行かれたようですね?
松本(以下松):行ってきましたよー。天候もいいし景色はキレイだし、非常によかったです。ご飯はマズかったですけど。
w:旅の目的は?
松:フォルクスワーゲンの新しい「パサートワゴン」(現地名「パサートバリアント」)の国際試乗会に参加させていただきました。
成田からフランクフルト空港まで飛んで、着いたその場でカギを渡されていきなり試乗がスタート。まったく知らない道をカーナビにまかせて、一般道とアウトバーンを通って、ハイデルベルグまでドライブしました。
w:乗った感想は?
松:2005年春のセダンに続き、本国ではこの夏よりリリースされる新型は、先代の「アウディA4」ベースから、「VWゴルフ」をもとにつくられたと聞きます。したがってエンジンも縦から横置きへと変わっています。
特にアウトバーンの高速走行に適していて、150〜200km/hでも不安を感じさせないのはさすがです。それに静粛性。とかくワゴンは、セダンと比べ剛性が落ちるものですが、パサートワゴンはその点しっかりしたつくりで、剛性不足からくる音も抑えられていました。
■エッ、工場で撮影OK!?
w:で、何ですか、この写真?
松:これはパサートワゴンのボディ下のフロアです。フラットにして整流効果をあげるとともに、流れる風で発生する音を消すため、ディンプル加工(くぼみ)を施しているんですね。見えないところでこういう工夫、さすがはVWとまた唸ってしまいました。
w:……といいますか、ボディ下を見逃さないその視点もサスガですよ。ところで、ハイデルベルグからカッセルのVW工場に行かれたようですね。
松:VWとしては、ウォルフスブルグに次ぐ2番目に大きい工場です。ここでは主に「DSG」と新型パサートのボディの一部をつくっているそうです。そこで、DSGの生産ラインを覗かせてもらいました。
w:エッ、工場の写真撮ってよかったんですか!? 普通はイヤがられそうですけど。
松:もちろんOKはもらいました。トランスミッションの工場としてはキレイで、油臭さとは縁遠い場所でした。
ここでは年間20万基のDSGを生産できるそうです。ギアの設定を変えやすいよう、モジュール化されていました。よくできていますよ。
あ、それからこの自転車。工場で働く従業員のアシとして、きわめて飾り気のない実用車が使われてるんです。工場が近代的なので、そのギャップが面白かった。
w:ところで、DSGのラインの横にあるこの箱、何ですか?
松:いい質問です。この箱を見てオオッとくるのは、かなりの自動車通かもしれません。この「SKF」という会社、実はボールベアリングの先駆者的なメーカーで、非常に精度が高いことで知られています。ゆえに他のベアリングメーカーもネーミングにあやかって3文字社名を採用しているところがあるくらいです。
w:「SKFはスウェーデンに本社を置き、ベアリングやベアリングユニットを中心に、シール、潤滑システム、メカトロニクス、サービスを5つのプラットフォームとし……(SKFジャパンのサイトから)」。すみません、自動車メディアにいながら知りませんでした。(つづく)
(語り&写真=松本英雄/まとめ=webCG)
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