BMW M3(6MT)【試乗記】
『オーバー100km/hのパワードリフト』 2000.10.21 試乗記 BMW M3(6MT) 1.4%の排気量拡大、6.9%のパワーアップ、4.3%のトルク増大。F1マシンに匹敵するピストンスピードを誇るニューBMW M3に、モータージャーナリスト河村康彦が、スペインはヘレスで乗ってきた。リッター100ps超!
仮に、のハナシ。このクルマに「800万円」というプライスタグが下げられるとすれば、「そのうちの700万円は『エンジン代金』だろうナ」とぼくは思う。そう、E46型クーペをベースにしたボディに、先代M3の3.2リッター「ダブルヴァノス」ユニットにさらなるチューニングを施した心臓を積むニューM3は、そんな印象を抱かせるクルマなのだ。
排気量や圧縮比がアップされ、可動部分は軽量化、さらにロッカーアーム式バルブ駆動システムが採用された6連スロットルバルブ&可変バルブタイミングシステム(VANOS)付きの新M3用ユニットは、いまや1リッターあたり106psもの出力を発生する。
ハイパワーFR車の醍醐味
0-100km/h加速のデータは5.2秒。あのポルシェ911カレラとまったく同じ。いや、実際にドライブをすると、正直なところ「このエンジンの実力は、ポルシェ以上ではないか!」と感じさせられる。アクセルのわずかな動きに反応する正確無比なレスポンス。4500rpmからレブリミットの8000rpmまでの、鮮烈なパワーの盛り上がり感……。特筆ものだ。
足まわりはさすがにすこし硬い。しなやかな接地感という観点からすると、これはポルシェの方が上だ。
ハンドリングは十分なスタビリティの高さに支えられた上での、自在度の高さが印象的。その気になればオーバー100km/hでもパワードリフトが決められる!
ハイパワーFR車ならではの醍醐味に溢れる。それが新しいBMW M3だ。
(文=河村康彦/写真=ビー・エム・ダブリュー)

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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