第208回:「MINIコンバーチブル日記」(その3)“イギリス様式のドイツ車”が世界を制す!?
2005.04.25 小沢コージの勢いまかせ!第208回:「MINIコンバーチブル日記」(その3)“イギリス様式のドイツ車”が世界を制す!?
![]() |
![]() |
![]() |
■ドイツ製機械+英国製ファッション=?
あー、絶好調です。我がMINIコンバーチブル君。最近、ナビ付けたし(今度報告します)、走行距離が2000?を超えたし(遅いって!)、エンジンぶん回しまくり。って別に最初っから全然気ィ使ってないですが。
で、改めてここで言いたいんだけど、最近、俺が好んで使ってる「最新ヒット車の法則」ってのがあります。それは「イギリス様式のドイツ車がイイ」ってこと。知ってる人は知ってるはずだけど、BMWが作った「レンジローバー」を始め、同じくBMW製のロールスの最新「ファントム」もそうだし、「ベントレー・コンチネンタルGT」もそうだよね。中身はフォルクスワーゲン「フェートン」で、非常にデキがいい。我らがMINIも当然そうなわけですよ。中身完全に BMWプロデュース。
単純にウケる理由を考えると、MINIのキャラクターはもちろん、品質がいいドイツ車のイギリスファッション版ってことで、選べるバリエーションが増えたからなんだけど、俺はもうちょっと相応しい理由があると思う。それはね、ドイツ車特有の“兵器っぽさ”をイギリス趣味がほどよく打ち消してくれるからなのだ。
ドイツ車ってどんなに良くってもどうにも消しがたい“合理主義”臭さが残る。ベンツしかりポルシェしかりBMWしかりで、カタチはどうにも空力優先だし。なんていうかなぁ、完全に偏見なんだけど、どんなに面白い人でも東大卒、慶応早稲田卒の人が実は硬い感じがするのにも似ている。
タレントの菊川玲が思いっきりお笑いに走っても、どっかオスマシして見えちゃうようなもので、ある意味、その人の限界。ま、学歴社会が生んだ思いこみであり、その例に漏れる人も多いんだけど、実際問題、頭のいい奴ってしゃべり方から服装からスキがないのよ。大抵はね。
![]() |
![]() |
■薄まる“兵器臭”
話は飛んじゃったけど、それと同様、つくりのいい、工業製品として優れたドイツ車にはどうにも鼻に付く“エリート臭”みたいのがある。あるいは完成度の高いメカがゆえの“兵器臭”。
だけど、そこにイギリス特有の“伝統”だとか“様式”が加わると、いい具合に懐の広い高級感に変わるんだよね。そこに最新MINIやベントレーやロールスがウケている、根本的な理由があるように思う。イメージとしては、没落貴族と新興金持ちが結婚して教養も見識も実力も得たパターン。
と同時に、ウッドと本革に代表されるイギリス様式の凄さを改めて認識させられますな。別にイギリスに行ったことない人にも、「歴史」と「高貴さ」と同時に「人間臭さ」を感じさせる様式。やっぱ凄いわ。
それはきっと日本が誇る「京都の街並み」が持つパワーと全く同じ。つまり日本の“籠”みたいなクルマもありだったりして!? なーんてちょっと難しすぎるか。
ま、話が取りとめもなくなりましたが、結局、MINIはいいとこ取りなんですよ。
あと最近、知らなかったけどここ数年、BMW製品って初回1000kmでのオイル交換とか1ヵ月後の定期点検を必要としないんだってね。エコロジーの観点もあって、プログラム自体がない。感心してしまいました。
では、また報告いたしますです。
(文=小沢コージ/写真=/2005年4月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
BMWの今後を占う重要プロダクト 「ノイエクラッセX」改め新型「iX3」がデビュー
2025.9.5エディターから一言かねてクルマ好きを騒がせてきたBMWの「ノイエクラッセX」がついにベールを脱いだ。新型「iX3」は、デザインはもちろん、駆動系やインフォテインメントシステムなどがすべて刷新された新時代の電気自動車だ。その中身を解説する。 -
NEW
谷口信輝の新車試乗――BMW X3 M50 xDrive編
2025.9.5webCG Movies世界的な人気車種となっている、BMWのSUV「X3」。その最新型を、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? ワインディングロードを走らせた印象を語ってもらった。 -
NEW
アマゾンが自動車の開発をサポート? 深まるクルマとAIの関係性
2025.9.5デイリーコラムあのアマゾンがAI技術で自動車の開発やサービス提供をサポート? 急速なAIの進化は自動車開発の現場にどのような変化をもたらし、私たちの移動体験をどう変えていくのか? 日本の自動車メーカーの活用例も交えながら、クルマとAIの未来を考察する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。