トヨタ・カルディナ ZT(FF/4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カルディナ ZT(FF/4AT) 2005.04.12 試乗記 ……258万1950円 総合評価……★★★ 2005年1月にマイナーチェンジを受け、内外装が小変更されたトヨタのスポーツワゴン「カルディナ」。スポーティモデルの「ZT」に、二玄社自動車部門編集局長の阪和明が試乗した。デザインが肝の実用車
ミドル級のステーションワゴンを探している人には格好のクルマである。どこをとっても特別輝いているところはないものの、全体としてみれば、そつなくまとめられた実用車だ。ボディサイズを含めて、使い勝手は上々といえる。つまりクルマ好きには積極的には薦めないが、ひとつの道具としてステーションワゴンを捉えている人には悪くなさそうだ。あとは、クセのある顔つきや、躍動感あるスタイリングが受け入れられるかが、購入に踏み切れるかどうかのカギになりそう。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1992年に初代がデビューしたトヨタのスポーツワゴン、現行モデルは、2002年9月13日にフルモデルチェンジした3代目である。2005年1月にマイナーチェンジを受け、内外装が小変更された。ちなみに、02年9月から05年2月までの累計販売台数は6万1176台。約3400台/月を販売する、中堅モデルである。
「ザ・ツーリングマシン」を標榜する新型は“走り”をセリングポイントとし、ツーリングワゴンの雄、「スバル・レガシィツーリングワゴン」をライバルとする。エンジンは、1.8リッターNA、2リッターNAと、2リッターターボの3種類をラインナップ。トップグレード「GT-FOUR」には、フロントサスペンションに倒立式ダンパー、リアにはモノチューブショックアブソーバーを採用するなど、走行性能が強化された。
(グレード概要)
2リッターモデルの「ZT」は、FFと4WD合わせて販売の約3割を占め、1.8リッター「Z」グレードに次ぐ売れ筋。エンジンは、トヨタではお馴染みの直噴「D−4」を搭載する。トランスミッションは4段ATのみ。
装備はZグレードより豪華に、本革巻きステアリングホイール&シフトノブのほか、シートは前後調節機構付きヘッドレスト、チルト機構などを装備。トリムにスポーツファブリックタイプを採用するなど、スポーティな演出が施される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
大きな携帯電話がでーんと据え付けられているような、インストルメントパネルのセンター部分の派手なデザインに驚かせられるが、たしかに個性的ではある。スイッチ類の使い勝手が悪いわけではないから、まあこれはこれでいいのだろう。表皮や内装の質感は200万円クラスのクルマとしてはまずまずのレベルで、期待を裏切られることはない。
安全面を含めて装備は充実しており、トヨタ車ならではの安心感と買い得感が強い。テスト車にはG-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションと音声案内クリアランスソナーも備わり、ビギナーに有効な装備が揃う。
(前席)……★★★
ドライバーズシートの座面は高めである。高さを調整できるが、最も低くしても着座位置は高い部類に入る。小柄なドライバーには歓迎されるかもしれないが、身長175cm以上の人には少々違和感があるかもしれない。もちろん、これはしばらく時間が経てば慣れるものだし、良好な視界を得られるという意味では悪くない。
シート自体のホールド性に不満はなく、メーカーがスポーツシートと謳っているだけのことはある。太めのナイロン糸をざっくり編んだような“ダブルラッセル”と呼ばれるシート地の感触も良好だ。
(後席)……★★
レッグルームは広い。膝とフロントシートとの隙間は充分、かつ頭と天井のクリアランスもある。広々としているわけではないのだが、窮屈な感じは受けなかった。シートバックはリクライング機構を備えるものの、いちばん立てた状態で座るのが疲れなくていい。もっともリアシートのクッションには一言いいたい。肉厚が足らず、大のおとなが長時間座り続けるには辛いのだ。
(荷室)……★★★
2リッター級ステーションワゴンとしては標準的な広さを持つ。床面が高いので、床とラゲージカバーまでの天地方向のゆとりはそれほどでもないが、荷室自体はきれいな形の直方体なので、物をきちんと積み込むのに適している。もちろんダブルフォールディング式のリアシートをたためばフラットなフロアを作り出せるし、後席のシートバックは6:4の分割可倒式だから、乗員の数と荷物の量に応じて、適宜対応できるのは言うまでもない。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
スムーズに吹けあがる直噴ガソリン4気筒は、可もなく不可もない。とくに印象に残らないエンジンだ。クルマ好きがワクワクするような気持ちよさとは無縁である。しかし実用車のパワーユニットと考えれば、なんら不満はないのも事実だ。4段オートマチックの出来栄えも同様で、きちんと正確に仕事をこなしてくれる。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
高速巡航時の直進安定性やコーナリングでのマナーはなかなかよい。ただ、ひとついただけないのがパワーステアリングの感触だ。低速域ではともかくとして中高速域で軽めなのだ。これはパワーステアリング自体の問題もあるが、215/45ZR17というタイヤサイズに主たる原因がありそうだ。太すぎて荒れた路面の轍などでステアリングを左右にとられるワンダリング傾向もみられ、イイことがない。もう1サイズ、いや2サイズ細めのタイヤを履けば改善されるはずである。このオーバーサイズ気味のタイヤはまた、乗り心地にも悪影響を及ぼしている。サスペンションのセッティングはけっして硬いわけではないのに、バネ下が重く感じられ、終始ドタバタしているのは興醒めだ。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:二玄社自動車部門編集局長 阪和明
テスト日:2005年3月8日〜11日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2005年型
テスト車の走行距離:1372km
タイヤ:
オプション装備:G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション(31万3950円)/音声案内クリアランスソナー(4万2000円)
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(7):高速道路(3)
テスト距離:179.2km
使用燃料:23.5リッター
参考燃費:7.6km/リッター

阪 和明
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