「ボディの補強はかえって良くない?」

2004.11.13 クルマ生活Q&A 松本 英雄 ボディ
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「ボディの補強はかえって良くない?」

アルファ156を購入予定です。156に関係するいろんなサイトを調べると、ボディがヤワいという情報をよく見かけます。ストラットタワーバーやロワーバーなどを入れて、補強をしている人が多いようで、私もいずれはそうしようかと計画しています。
しかし、以前の『CAR GRAPHIC』誌の長期テストで、156のテスターの方が、これらの補強はかえってボディにストレスをかけるので良くないような事を書かれてました。私もそれは一理あると思います。
156に限りませんが、実際のところはどうなのでしょうか? よろしくお願いいたします。
(NEさん)

お答えします。レースやサーキット走行専用のクルマならまだしも、普段使いも兼ねているのならば、タワーバーやロールケージなどのボディ補強は必要ありません。

バーやロールケージを入れるだけでも剛性は上がりますが、入れた部分のみの剛性向上にしかならず、全体のバランスとしては良いといえないでしょう。本格的なボディ補強では、ノーマルのスポット溶接部分に増してスポット溶接をおこないます。また サスペンションの取り付け部分には鉄板で作った補強材を溶接するか、ボルト止めをしてピボット部分の剛性を向上させます。

しかし、剛性を上げて遊びをなくしたボディというのは、ボディに対して攻撃的になります。ボディが硬くなることで、今までよじれで吸収していた路面からの衝撃力を分散できなくなり、結果としてボディを傷めてしまうというわけです。また元々弱い部分を攻撃することにもなってしまいます。

ボディの剛性を上げる目的は、サスペンションの能力をうまく発揮させることです。目的にもよりますが、サスペンションをリセッティングした方が、乗り心地などの改善には効果的だと思います。まずはサスペンションのセッティングを見直してみてはいかがでしょうか。

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松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。