第171回:「第38回東京モーターショー」をチェーック!意外とよかった“リアリスト向け”のショー
2004.11.08 小沢コージの勢いまかせ!第171回:「第38回東京モーターショー」をチェーック!意外とよかった“リアリスト向け”のショー
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■意外なほど満足
やっぱり行ってしまいました「第38回東京モーターショー」。最後の商用車ショーだし、しかも会期がやけに短く、一般公開日は11月3日から7日までのわずか5日間。心なしか“投げやり感”もあったようで、一瞬ためらったんだけど、そこはやっぱりバラエティ自動車ジャーナリスト! 行ってきました。そしたら意外なほど満足。実は一般車ショーよりよかったかも!? なーんてね……。
行ったのは一般公開日だったんだけど、まずなにがいいって、商用車ショーだから会場が空いてる! 当たり前っちゃあたりまえなんだけど、余裕でクルマが見られるんだよね。人の熱気で疲れることもないし、妙な渋滞、満員電車状態もほとんどなし。
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■わかりやすくてリアル
それから、全体の方向性が明確でわかりやすい。今回のテーマは「働くくるまと福祉車両」。普段の「夢と環境と○×△!」みたいに、漠然としたものじゃない。
実際、並べられてる車両は、トヨタなら「ハイエース」の12人乗りワイドボディとか、ホンダはオシャレ系軽商用車の「P.V」とか「HOBICK」とか。ようするに一部ワンボックスマニア向けのクルマとか、都会の花屋、もしくは雑貨屋向けのクルマだよね。ほかは、運転や乗降を補助するカスタム車両が目白押し! 目的が明確だから、ヒッジョーに見やすかったなぁ。
で、前々から思ってたけど、俺ってつくづくコンセプトカーとかドリームカーの類にほとんど興味ないのね。つまり我ながら“リアリスト”。
昔から壁にアイドルのポスター張ってる人の気持ちとか、コンサート行って本気で騒ぐ人の気持ちがまったくわからなかった。同様にコンセプトカーみたいな“絵に描いたモチ”系はほとんど心に刺さらない。今でこそコンセプトカーが、かなりの確率で実車になるから、それなりに真剣に見るようになったけど、昔はほとんど見なかったし、見ても心に残らなかった。
それに比べて、商用車はすんげぇリアルでよい。
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■脱力具合がよし
客層もよかったな。「働くくるま」ってことで子供とか、福祉車両の導入を検討している風の人が多く、全体的に浮ついた感じがすくない。ショーというより、どちらかというと、動物園や水族館みたいなノリがある。同時に派手なコンパニオンもすくなくてスッキリ。アレはあれで嫌いじゃないけどね、いなくても全然困らない。
あと笑ったのは、千葉県警の「RX-7パトカー」と「クラウン・パトカー」。それから、チャイルドシートのタカタが展示してた、童夢製のオールカーボン・車いすシステム。これはさすがに商用車ショーだと思った。
それから、出展数が絶対的にすくないのも、見終わったあとの疲労度がすくなくてマル。俺的には、これだけ力の抜けたモーターショーも、たまにはあっていいと思うけどね。
一部、公共事業団体を存続させるためとか、妙なムダ遣いをせずに済めばの話だけど。
(文と写真=小沢コージ/2004年11月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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