ルノー・メガーヌツーリングワゴン1.6(4AT)【短評(前編)】
メガーヌワゴンの第一印象(前編) 2004.06.11 試乗記 ルノー・メガーヌツーリングワゴン1.6(4AT) ……246万7500円 2004年6月9日からわが国でも販売が始まった「ルノー・メガーヌツーリングワゴン」。プラットフォームをストレッチして、クラス最大級の荷室を持つボディを載せたフレンチワゴンはどうなのか? 『webCG』コンテンツエディターのアオキが“ちょい乗り”した。 拡大 |
拡大 |
分けられた性格
5ドアハッチはちょっと洒落者に、より実用を求める向きにはワゴンが供される、というのが、日本における「ルノー・メガーヌ」のいき方となろう。
2004年6月9日、メガーヌツーリングワゴンが発売された。
同ワゴンは、ハッチバックモデルよりリアのオーバーハング(後輪より後ろの部分)を230mm延長し、荷室を拡大したモデル。それだけでなく、ホイールベースも60mmストレッチされ、リアシートの前後シート間隔が広げられている。クリフカット風の直立したリアガラスと、丸みを帯びた魅力的なオシリを失ったかわりに、後席の高い居住性(ハッチバック比+55mm)と、クラストップレベルのラゲッジスペース(520リッター/VDA法)を得たわけだ。前衛的なデザインでショックを与えたハッチバックモデルと、骨格から性格が分けられた。
メガーヌワゴンのボディサイズは、全長×全幅×全高=4505×1775×1505mm。日本車でいうと、「トヨタ・カルディナ」に近い。新型カルディナ、あまり街で見かけませんが……。
正規輸入されるのは、1.6(113ps)と2リッター(133ps)の直4エンジン2種で、トランスミッションはいずれも4段ATとなる。ステアリングホイールの位置は、右のみ。
価格は、1.6が246万7500円、2.0が281万4000円。そして2.0にレザー内装を与えた2.0プレミアムには、307万6500円のプライスタグが付けられる。
拡大 |
拡大 |
謳い文句そのままに
神奈川県は横浜で開催されたプレス試乗会で、短時間ながら1.6リッターモデルに乗ることができた。
個性的な顔とはうらはらに(?)、Aピラーからは、長いルーフラインがリアに向かって素直に延びる。サイドウィンドウのグラフィックを工夫することで、つまり窓上端のラインをルーフより強く下降させることで、クルマが鈍重に見えることを防いでいる。「退屈へのレジスタンス」は少々弱まった印象だが、全体にイヤ味のないシルエットだ。ルーフレールは標準装備。
最新ワゴンらしく、リアガラスはハッチゲートとは別に、個別に開閉することができる。ハッチゲートにオープナーが2つ並んで用意され、ガラスハッチを開けると、ゲートは開かないようになっている。
リアガラスをパタパタした後、いざハッチゲートを開けてみると、なるほど、荷室は広い。広いだけでなく、フロアが低く、バンパーとの段差がごく小さいことは、重いモノを積むときに助かるだろう。ホイールハウスほかの、側面からの張り出しが抑えられているのもいい。もちろん、搭載物を直接人目にさらさないためのトノカバーは、標準で装備される。
ラゲッジスペースに感心し、もうひとつの目玉、後席をチェックしてみると、これまたなるほど、実用度がグッと上がっていた。ハッチバックでは少々苦しかった膝前空間に余裕がある。ヘッドクリアランスも問題ない。ふんわり包まれ感のあるシートは座り心地よく、シートバックは立ち気味で、背筋を伸ばした姿勢を取ることができる。センターシートもすこし着座位置が高くなるが、十分“使える”シートだ。(つづく)
(文=webCGアオキ/写真=ルノージャポン/2004年6月)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
レクサスLFAコンセプト
2025.12.5画像・写真トヨタ自動車が、BEVスポーツカーの新たなコンセプトモデル「レクサスLFAコンセプト」を世界初公開。2025年12月5日に開催された発表会での、展示車両の姿を写真で紹介する。 -
NEW
トヨタGR GT/GR GT3
2025.12.5画像・写真2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingが開発を進める新型スーパースポーツモデル「GR GT」と、同モデルをベースとする競技用マシン「GR GT3」が世界初公開された。発表会場における展示車両の外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。


























