ルノー・メガーヌ エステートGT220(FF/6MT)
ワルそうで、いい子 2013.06.09 試乗記 レーシングカーの開発を手がけるルノースポールがチューンした、ルノーのワゴン「メガーヌ エステートGT220」に試乗。その走りやいかに?いい“さじ加減”の鍛え方
高性能「メガーヌ」の代名詞といえば、3ドアの「ルノースポール」(以下R.S.)である。2リッター4気筒ターボをFFとしては限界ともいえる265psまでチューン。日本仕様の足まわりは最もハードな“シャシーカップ”で、変速機はもちろんマニュアル。そんな硬派なフレンチロケットが「入ってくれば売れる」人気を誇り、去年は約400台の販売を記録したという。「カングー」と「メガーヌR.S.」がルノー・ジャポンの二枚看板である。
「エステートGT220」はやたらハイカロリーな日本仕様のメガーヌシリーズに加わったオルタナティブだ。3ドア/5ドアのメガーヌよりホイールベースを6cm延長したワゴンボディーに、R.S.用を220psまでデチューンしたエンジンを搭載する。変速機はこちらも6段MTのみだが、ドアの枚数や戦闘的すぎる雰囲気でR.S.までは踏み切れなかった人にとっては、耳寄りなニューモデルかと思う。
ワゴンボディーは5ドアハッチバックよりカッコイイし、これもR.S.と同じくらい売れるんじゃなかろうかと考えながら、ステアリングを大きくきってルノー・ジャポンのパーキングをスタートする。以前、R.S.で同じことをやったら、ロック率の高いLSDの作用か、フロントタイヤが恥ずかしいほどキュウキュウ鳴ったが、このクルマは静かである。
ダッシュボードのカーボン調化粧板に“RENAULT SPORT”のロゴが入るコクピットは「R.S.とそんなに変わりませんよ」と出がけに説明されたが、タウンスピードで走り始めると「R.S.ではない」ことは明らかだ。あんなにほえないし、乗り心地もフツーだ。もっとR.S.に近いかと思ったら、違った。しかしそのさじ加減がGT220のいいところだと思う。