第94回:勝手に長期テスト車!?突然ですが……「スマートK」買いました!
2004.02.06 小沢コージの勢いまかせ!第94回:勝手に長期テスト車!?突然ですが……「スマートK」買いました!
■駐車場に3台入る!
あのですねぇ、突然ですが「スマートK」買いました。中古なんだけど、諸経費入れて80万円ぐらい。
安いか高いかは、個人の判断によるだろうけど、オレはムチャクチャ安いと思いました。リセールバリューも案外いいし。買ったのは2002年式で、顔がカブリオレと同じになったマイナー後のモデル。ついでに言うと、走行距離は約1万kmね。
なんで買ったかっつうと、ハッキリ言って停める場所の問題。ウチの事務所は縦2台置きの駐車場なんだけど、こないだスマート入れて後ろギリギリまで寄せたら3台も入ったのだ。「うーん、これならとりあえず“原付代わりに”買っとこうか!」ってなもんです。
実にセコイ理由なんだけど、軽なら当然、諸経費も安いし。任意保険は、調べたら思ったより高く、今までの「ルノー・トゥインゴ」と変わらないくてマイッタけど、流行(?)の「アメリカン・ホームダイレクト」にでも入ってみようか……なんて。値段にもよるけど、テストしてみるつもりです。
■すべてが新しい
で、2004年1月29日、海外出張の翌日に晴れて納車されたんだけど、これがイイんだわ。クルマとしてイイってのもあるけど、なにより「キブンがいい」。
いわば「ダイエットに成功したキブン」だよね。しかも、“買うだけでダイエット”の強烈に簡単なヤツ。走ってて体は軽いし(なんせ車重750kg)、後ろは短いし(知ってると思うけど、2人乗りで全長2540mm)。運転してて気楽なのはもちろん、事務所の駐車場に入れるたびに「駐車場タダ」ってのが再確認できるし。それからね、スマートだと「軽に乗っててなさけない」感が、つくづく薄れるんだよね。
オレのキブン的な理由や、「POWERD BY MERCEDES」のブランド効果もあるんだろうけど、根本は内外のデザイン、メカニズム、走り、そのすべてが新しいから。つまり“完成度が高いから”にほかならないと思うのだ。
これが「エクステリアデザインだけ新しい」「メカだけ新しい」だと、こうはならない。見た目がキュートで新しいのはもちろん、インテリアもモダン雑貨チック。サザエのつぼ焼きみたいなカタチのエンジンは、“チャリチャリチャリ”と、原付に毛が生えたような新感覚のフィーリングを感じさせる。トランスミッションは、効率&軽量化を重視した、MTベースのセミAT。シフトショックはたしかに大きいんだけど、それがまたオーナーになってみるとうれしい。
それもこれも、クルマのハードウェア、乗る人のソフトウェアの“すべてが新しい”ためではないか。「軽に乗ってる」という、ある種の金銭的後ろめたさより、オーナーがもつ、勝手なる「パイオニア精神」が勝る、というか。「なーんかいいことしてる感じ」っつうの? それほどでもないけど「先行ってる感じ」っつうの? すくなくとも「新しいスタイルに“投票”してます」ってキブンが味わえる。日本で300台/月以上が売れてるってのも、わかる気がしました。
■エコは排ガスだけじゃない
ところで、つくづくこの手の2人乗りコミューターは、交通インフラとともにあるね。「駐車場が安い!」「税金が安い!」「高速代が安い!」などの理由と結びつかないと、まったく買う気が起きない。というのも、やっぱりクルマは4〜5人乗り、あるいは7〜8人乗りの方が便利だから。ヒトや荷物の問題から、2人乗りだとどうしても困るときがある。
やっぱ、普通の半分くらいの容積しかない2人乗りコミューターってのは、“社会貢献”で乗るわけじゃないですか。それならば、それなりの諸経費で済ませられるのが妥当ってもんでしょう。ボランティアする人は社会制度を有利に受けられるとか、NPO団体は税金が安い、もしくはタダなんて制度があるわけでしょ。低公害エンジンカーだけでなく、専有面積のすくない2人乗りにも、優遇税制措置を適用すべきだとマジで思う。まぁ、“軽”であることで、俺はそれを味わってるわけだけどさ。
ってなわけで、これからも思いついたことを書きますんで、ひとつヨロシク!
(文=小沢コージ/2004年2月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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