「キーを捻りすぎるとよくない?」

2003.08.27 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「キーを捻りすぎるとよくない?」

いつも楽しく拝見しています。私と友人は、車種は違いますが、アルファロメオのツインスパークエンジンを積んだクルマに乗っています。以前、エンジンのかけ方で議論となりました。
私はキーを捻って「ブオン!」とエンジンが唸ったところで、キーを放します。ところが、友人は「ブオン!」とエンジンが目覚めた後も、3秒ほどキーを回したままにしています。エンジンルームから「ギー」などと音がしていますが、友人曰く、「十分に火を点けなければならない」。キャブレター車でもないのに、そこまでしなければならないのでしょうか?(THさん)

お答えします。ずばり、そのお友達は間違っています。エンジンが始動しているのにスターターを回し続けるということは、エンジンを徐々に壊しているようなものです。やってはならないエンジンのかけ方です。駐車場などで見かけることがありますが、私には、エンジンが悲鳴をあげているように感じられます。

イグニッションキーを捻ってスターターモーターを回しているときのエンジン回転数は、アイドリング時の5分の1程度です。そのため、エンジンが始動してもスターターを回し続けると、エンジンは回転が抑えられてしまいます。アイドリングの回転数で回りたいフライホイールに装着してある「リングギア」と、スターターの「ピニオンギア」に回転差が生じ、双方に負担をかけるのです。「ギャー!」という悲鳴は、ふたつのギアがケンカして出るのです。

さらに、スターターを回しているときにはモーターに大電流が流れるため、長時間回し続けると、スターターモーターとバッテリーに負担がかかります。ですからひとたびエンジンが始動したら、できるだけ早くスターターキーを離してください。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。