プジョー106 S16リミテッド(5MT)【試乗記】
家族持ちでも楽しめる 2003.04.23 試乗記 プジョー106 S16リミテッド(5MT) ……225.0万円 1991年にデビュー、日本には95年から導入されたプジョーのコンパクトハッチ「106」。『webCG』インプレッションにも登場する、自動車専門誌『Car Graphic』(CG)編集局長の阪和明、実はプジョー「106 S16」のオーナーだ。プジョー106の魅力とは?
拡大
|
拡大
|
拡大
|
元気の素
webCG:なぜプジョー106を、プライベートカーに選んだんですか?
CG阪:もともと、小さくて元気がある、いわゆる「ホットハッチ」系が大好きなんですよ。以前『Car Graphic』にも書いたけど、それまで乗ってたクルマがメルセデスベンツの「190E」。カッチリしてていいクルマなんだけど「冗談もいわないマジメなヤツ」だから、乗ってて退屈なんです。
飛ばしてはもちろんだけど、街を走っていてもワクワクするクルマってあるじゃない? 106ってそういうクルマだと思う。エンジンはまわるし、挙動がキビキビしてるし。乗ってて元気が出てくる「元気の素」みたい。1996年にモディファイを受けた時、欧州で開催された(プレス向け)試乗会で乗って「買うしかない!」って。
webCG:身近に“楽しい”がある?
CG阪:そう。それと、ウチはカミさんも乗るし子供も乗る。106は左ハンドルだけど、サイズが小さくて取りまわしもラクだから、すぐ家族の一員として溶け込んだ。5人乗りであることもポイント。純然たる2シーターだと“万が一”の時に困るけど、106なら大人を後ろに押し込める。理想では、5ドアハッチバックのS16があれば最高だったけどね。
webCG:欧州には、106の5ドアハッチもあります。
5ドアもあるんだけど、S16バージョンはなかったんだ。3ドアでも「2+2」と考えれば十分広いし、ハッチバックならではの使い勝手のよさもある。あとはボディサイズとキビキビ感、元気を与えてくれるようなエンジンがお気に入りかな。
webCG:実は先日、106に乗ったんです。12年前に設計されたクルマだから、デビュー当時、ボク(リポーター)は中学生だったんですが……。
CG阪:ウワー、若い!
webCG:はい(笑)で、ハナシに聞いてたからわざとやったんです。コーナリングでアクセルをガバっと戻したり、ブレーキを踏むと、ノーズがインにクイっとまわりこみますよね?
CG阪:いわゆる「タックイン」ってヤツだね。106は、アクセルやブレーキで姿勢変化をつくりやすいクルマなの。でも、ボクは走り屋じゃないから、そこが気に入ったワケじゃない。日常域でも結構楽しいじゃない? 街中でエンジンがファッっとまわって加速がよくて。小さいのにそういう性格のクルマが好きなの。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
個別の性能は……
webCG:106で個別に気に入ってるトコロは?
CG阪:たとえばエンジンは、ことさら高回転型ってワケでもないし、逆に低回転トルクがスゴイってわけでもない。だけど、106の個々の性能を挙げていくと、エンジンもそれほどチューンされているわけじゃないし、足まわりも、一般によくいわれる「プジョーの猫足」とも違う。硬いよね、“ホットハッチ”にしては乗り心地はいいけど。内装は貧弱だし、ボディはヤレるし……。
個々で見るとイイトコロはあんまりないんだけど、クルマ全体でみるとイイ。さっき言ったようなサイズと、キビキビしたところと、最近のクルマではなかなか見られない、乗って楽しいってのがあるよね。
webCG:ちなみに、最近乗って楽しかったクルマはなんでしょう?
CG阪:アルファロメオの「147」とか、プジョー「206SW S16」と「406スポーツ」かな。同じようなサイズだと、「MINIクーパー」があるけど、全然好きになれなかったなぁ。
webCG:106と較べると、かなり安定感があると思います。
CG阪:キビキビはしてるんだけど、ドッシリもしてるよね。しかも、どれもボディサイズが大きい。106のサイズってのは、かなり好きだな。
昔ね、「フォルクスワーゲン・ゴルフI」に乗ってたの。いま見るとサイズ小さいけど、あれくらいがいいな。小さくてパワーのあるホットハッチが好きになったのは、ゴルフIのGTIあるでしょ? あれに乗ったときや、ルノー「5アルピーヌ」ってのが昔あって、乗った印象が強く頭に残ってた。ちっちゃなホットハッチに乗りたいなぁ、って。
拡大
|
拡大
|
拡大
|
燃費はイマイチ
webCG:ちなみに、距離は何kmまで伸びましたか? ウチの会社の人は試乗車に乗ることが多いから、なかなか伸びないですが……。
CG阪:それを聞かれると恥ずかしいんだけど(笑)4万kmチョイかな。最近は106に乗ってなくて、もっぱら息子が乗ってる。他のクルマをあまり知らないこともあるけど、かなり好きみたい。
若い人って、106結構乗ってるじゃない? で峠へ走りに行く。それは、若い人にとっての真骨頂なんだと思う。ボクも2回くらいは箱根へ走りにいったけど、やっぱりイイよ。オモシロイ。自分がオジサンであることを忘れる。タイトコーナーが連続するところだと、リアがフッっと流れることもあるし。
2002年の末に、千葉にある実家へ帰るのに、家族4人乗車で106に乗っていったんだけど、ちゃんと走る。ただ、燃費はあんまりよくないねぇ。平均燃費で7km/リッターくらいかな。高速巡航すると……、よくて12km/リッターくらい。
webCG:それはナゼです?
CG阪:106は、結構ローギアードなんだよ。5速で100km/hでも、エンジンは3300rpmくらいまわってる。今のクルマだったら、だいたい3000rpmは切るでしょう? だからウルサイかったり、燃費が悪くなっちゃう。
webCG:プジョーがあえてそんなセッティングにしたのは、ナゼでしょう?
CG阪:ローギアードにすることによって、日常域での加速をよくしてるからだと思う。それもS16という“ホットハッチ”の名前がついてるクルマだからね。実は本国フランスでも、S16はほとんど走ってないんだよ。ベーシックな1.4リッターや、欧州でメインのディーゼルに乗ってる。
webCG:そういえば、「106ラリー」というモデルもありましたよね?
CG阪:1.3リッターを積むマイチェン前の「ラリー」には、欧州試乗会で乗りました。あれ、実は一番ヨカッタかもしれない。ただ、正規輸入で日本に入ってなかったことと、エアコンがつかなかったんだ。自分1人で乗るんだったらいいんだけど、家族も乗るからS16にしたの。乗って面白いのは、圧倒的にあっち(ラリー)だったと思う。
webCG:独身なら買ってたかもしれない?
CG阪:どうだろ?(笑) ボクの場合、家族持ちで1人で乗るとき楽しむ、ってなると、106くらいしかないんだ。ウチは家族で乗るのに、ホイールをラリーと同じ白に変えちゃったんだ。どうみてもオジサンが乗るクルマじゃないよなぁ……。
(語り=阪和明CG編集局長/写真=峰昌宏/2002年10月)

阪 和明
-
シトロエンC3エアクロス マックス ハイブリッド(FF/6AT)【試乗記】 2026.9.26 同じシトロエンの「C3」がクロスオーバーSUVに生まれ変わったこともあり、新型「C3エアクロス」はサイズを拡大し、3列シートSUVへと商売を替えた。果たしてそのリアセクションには、小さいながらも2つのシートが確かに備わっている。使い勝手やいかに。
-
日産ムラーノ プラチナム(4WD/9AT)【試乗記】 2026.9.23 ドナルド・トランプ米大統領の圧力のおかげで(?)新しい「日産ムラーノ」の国内導入が決まった。日本を留守にしていた約11年の間にどう変わったのか、まさに「朋有り、遠方より来たる」の気分だ。本格導入よりもひと足早く北米仕様車の仕上がりを試した。
-
フェラーリ・アマルフィ(FR/8AT)【試乗記】 2026.9.22 フェラーリの最新ラグジュアリークーペ「アマルフィ」に試乗。2+2のシートレイアウトを持つ優雅な一台は、その姿にたがわぬ快適な乗り心地を備える一方で、スーパースポーツにも比肩する高いパフォーマンスも秘めたマシンとなっていた。
-
メルセデス・ベンツCLA220シューティングブレーク(FF/8AT)【試乗記】 2026.9.21 メルセデス・ベンツの「CLA」がフルモデルチェンジ。シャシーやパワーユニット、さらにインフォテインメントシステムなど、すべての要素を刷新したとされる、メルセデスの次世代を切り開くモデルだ。1.5リッターハイブリッドの「シューティングブレーク」を試す。
-
ホンダ・シビックe:HEV RS(FF)【試乗記】 2026.9.19 ホンダのCセグメントハッチバック「シビック」に、スポーティーな走りが身上の「e:HEV RS」が登場。ハイブリッドのパワートレインと専用チューニングのサスペンションが織りなす走りは、いつもの道でこそ輝くものに仕上げられていた。
-
NEW
トヨタとスバルの「水平対向エンジン×FR」は今後も残る?
2026.9.29あの多田哲哉のクルマQ&A「86」「BRZ」で結実した、トヨタとスバルの「水平対向エンジン×FR」レイアウト。この先もモデルチェンジを重ねて継続していくことは可能か否か? 生みの親ともいえる多田哲哉さんはこう考える。 -
NEW
ポルシェ911ターボS(4WD/8AT)【試乗記】
2026.9.29試乗記「ポルシェ911」シリーズのなかでも最上位に位置するモデル「ターボS」。ポルシェ独自のハイブリッドと2基の電動ターボチャージャーを得た最新モデルは、どのような走りを備えているのか? 最高出力711PSのハイパフォーマンスモデルの実力に触れた。 -
NEW
限定車「ルノー・カングー リミテ」が休日のショッピングモールに登場
2026.9.28カングーの行動範囲を大きく広げる限定車<AD>ルノー・ジャポンは2026年9月27日、トーヨータイヤとのコラボイベント「Le Village Mobilité & Saveurs(ル・ヴィラージュ・モビリテ&サヴール)」を東京都世田谷区の二子玉川ライズ中央広場にて開催し、限定車「ルノー・カングー リミテ」をお披露目した。 -
ボルボEX30クロスカントリー ウルトラP5ロングレンジ エレクトリック(RWD)【試乗記】
2026.9.28試乗記ボルボの電動コンパクトSUV「EX30クロスカントリー」に、後輪駆動の特別仕様車「ウルトラP5ロングレンジ エレクトリック」が設定された。530kmの一充電走行距離と、600万円を切る599万円の車両本体価格を実現した新エントリーモデルの走りを報告する。 -
第345回:10秒ごとの快感
2026.9.28カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。実に16年ぶりのフルモデルチェンジとなった日産の新型「エルグランド」が狙うのは、圧倒的な強さを誇るトヨタのミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」の牙城だ。早速、首都高でエルグランドの走りを確かめた。 -
目指せ国内生産100万台! 日産の国内事業再編にみる思惑と狙い
2026.9.28デイリーコラム日産が将来の成長へ向けた国内事業の再構築を発表。国内生産100万台を実現すると表明した。赤字に工場閉鎖と、暗いニュースが続いていた日産だが、現状の4割増しというこの大胆な目標は、達成可能なものなのか? そもそも日本での事業にこだわる理由とは?





