第13回:楠みちはる先生とのジョナサントーク(その3)

2003.03.31 小沢コージの勢いまかせ! 小沢 コージ
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第13回:楠みちはる先生とのジョナサントーク(その3)

(前回からの続き)それからね。楠みちはる先生とのジョナサントークで、またまたタメになる話があったなぁ〜。というのは、根本的なクルマに対する心構え。
あのね。偶然フェラーリの話になったのよ。俺が取材で中古「テスタロッサ」に乗ったって話になって、その時センセーは言った。

俺:やっぱ中古だから剛性低いんですかねぇ。それとも「512TR」の方が全然いいんですか、やっぱり?
センセー:ダメよダメ、それがダメなのよ。剛性とか云々じゃないの。512TRと較べたりして。それって要するにヤリ比べでしょ。オンナでいえば。
俺:そうですねぇ。
センセー:そうじゃないのよ。クルマ、特にフェラーリみたいなクルマってのは、それをその時、本気で買う人のキモチになって乗らなきゃいけないから。
誰だって昔のアイドル、それもオバサンになったの見て「全然ブスじゃん」とかいえるじゃない。でもアイドルってそうじゃないし、フェラーリだってそういうものじゃないでしょう。当時はそれが最高だったわけだし、誰もが感激して乗るわけじゃない。それが大切なわけでしょう。それを今になって新しいのと並べて比べて、剛性がどうした、エンジンがどうしたっていうのはおかしいのよ。だいたいフェアじゃない。
俺:フェアじゃない、か……。
センセー:クルマ雑誌が陥りがちなのってそういうことなの。つい細かいことを較べちゃうから。それもわかるんだけどね。でもそれじゃ本当にそのクルマをわかったことにならない。
俺:確かにそうですねぇ。
センセー:結局、今の時代ってその気になれば、どんなクルマにも乗れるワケじゃないですか。まあホントに「どんな」ってワケにもいかないけど、大抵のに乗れる。そういう時に「硬い」だ「柔らかい」だ聞いてもしょうがないんですよ。それより僕はその書き手の意見っていうかな、考え方を知りたいよね。その人にとってフェラーリはどうなのか? テスタロッサはどうなのか?ってね。

うーむ、さすがである。さすがは「楠みちはる」。伊達じゃないなぁって思いました。鋭いっちゅうかなんちゅうか、その通りだよね。根本的にクルマに「愛」がある。「愛」を捨てちゃイカン。ワタシゃそう思いました。

(文=小沢コージ/2003年3月)