スバル・インプレッサ スポーツワゴン20S(4AT)【試乗記】
すぐ手が届くスポーティ 2002.12.03 試乗記 スバル・インプレッサ スポーツワゴン20S(4AT) ……223.1万円 2002年11月に、マイナーチェンジを受けたスバル・インプレッサ。“戦うスポーツ”の3ボックスとは一線を画すスポーツワゴンに、webCG記者が乗った。陰で支える女房役
280ps、WRC(世界ラリー選手権)での活躍と、ハデなセダンの陰に隠れて、あまりクローズアップされることのない「インプレッサ」のワゴン。実は、セダンより販売台数が多い。先代の台数比率では、セダンの約2倍の販売実績を誇る。インプレッサの家計(?)を、影で支える女房役なのだ。
ワゴンのラインナップは、セダンにはない1.5リッターを積む「15i」と「15i-S」、2リッターNAの「20S」、250psターボを搭載する「WRX」の3種類。売れ線は排気量が小さい順で、ユーザーの女性比率が高いことが特徴。「280psの“STiバージョン”が一番人気で、男性ユーザーが圧倒的」(広報担当者)なセダンとは、売れ筋がエラく違う。
それもそのはず、「すべては世界で勝つために」(カタログ)のセダンとは異なり、「スポーツの最高峰で、磨きました」(同)ワゴンには、カジュアルで身近なキャラクターが与えられた。セダンはWRCでの戦闘力を高めるべく、トレッド拡大に伴って全幅が5ナンバー枠をオーバー。一方ワゴンのボディサイズは、全長×全幅×全高=4415×1695×1470mmで、依然として5ナンバー枠内に収まる。サイズと諸経費で、実質的な手頃さを兼ね備えることが特徴である。
とはいっても、そこは世界のラリーフィールドを股にかけるセダンの姉妹車。ただのワゴンではなく、「スポーツワゴン」を名乗る。2リッターNAを積む「20S」に乗った。
真ん中にタコメーター
インプレッサは、マイナーチェンジでフロントマスクが大きく変わった。従来の丸目に代わり、新型はややツリ目。わかりやすい“スポーティルック”になった。ただ、そこは技術を重んじるスバル。デザインを変えるだけではなく、ボンネット前端を下げ、空力性能を向上したという。
大きなサイドサポート付きのフロントシートは、座るとかなりコシがある。しかし、お尻が痛くなったりせず、ランバーサポート(腰部)がきいているので、腰痛もちのリポーターにはありがたい。レバー式のハイトコントロールが付く。操作が軽くて微調整しやすい。
シフトスイッチのついたMOMO製ステアリングの奥に、シルバーで縁取られた3連メータが見える。中央に速度計ではなく、シフトインジケーター付きのタコメーターを配すとは、さすがスバル。スポーティの演出が小粋です。
前を見て「おや?」と思った。丸目じゃなくなったためボンネット左右の盛り上がりがなく、視界にボンネットがあまり入ってこない。ボディサイズは手頃で、取りまわしに不満ははないが、なんとなく寂しさを感じる。
エンジンは、レガシィシリーズにも積まれる、自然吸気の2リッター水平対向4気筒DOHC。155psの最高出力と、20.0kgmの最大トルクは変わらない。シーケンシャルモード付き4段ATと組み合わされる。
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オーディオを聞きながら
リポーターの生家には、同じエンジンを積むレガシィ「B4 RS type B」(5MT)がある。20SはB4に較べて車重が30kg軽いためか、軽快感ある加速が気持ちいい。WRXのように前のクルマやコーナーが“怒濤の勢い”で迫ることはないから、まわりの景色を楽しむ余裕もある。ただし、それはATが「パワーモード」の場合。ノーマルモードでは3000rpmあたりの、トルクが盛り上がる手前でシフトアップするため、走りはグっとおとなしくなる。もちろんその分静かで、燃費のいい走りが期待できる。
とかいいながらリポーターは気が短いので、ATをパワーモード&マニュアルシフトにして走った。1速で60km/h強、2速で100km/h+αをカバーする。シフトを楽しむほどギアがクロースしてないのが残念だが、4段ではしかたない。100km/hは2500rpmと静かなクルージングができる。ちなみに、今回の参考燃費は8.6km/リッター。ターボよりずっと高燃費なのも、20Sのメリットだ。
“スポーツワゴン”ゆえか、サスペンションはちょっと締まった印象だが、決して硬くはない。タイヤの銘柄はブリヂストン「ポテンザRE88」とスポーティでも、サイズは「195/60R15」とことさら薄くなく、乗り心地も良好。ちなみに、マイナーチェンジでリアサスペンションのトップマウント形状が変更され、剛性を高めるとともに、操縦安定性と乗り心地を向上したという。謳い文句通り、高速道路などでの直進安定性は高かった。
連続するコーナーでは、WRXのように“格闘”せずとも、オーディオに耳を傾けながら運転を楽しめる。STiバージョンのように心臓ドキドキ、エンドルフィンが出たりしないけど、すぐ手に届くところにスポーティがあるのは、いいものだと感じた。
(文=webCGオオサワ/写真=難波ケンジ/2002年11月)

大澤 俊博
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