第275回:大矢アキオ差し押さえ!? イタリア生活シフトダウンはつらいよ
2012.12.14 マッキナ あらモーダ!第275回:大矢アキオ差し押さえ!? イタリア生活シフトダウンはつらいよ
アストン株を買う者あれば、会社をクビになる者も……
イタリア企業が英国アストン・マーティンの37.5%の株式を取得して筆頭株主となることが明らかになった。2012年12月7日のことだ。アストン株を取得したのは「インベストインダストリアル社」で、ミラノ市民銀行の筆頭株主でもある投資家アンドレア・ボノーミ氏(46歳)が率いる投資会社である。
同社は2006年から2012年まで、二輪メーカー「ドゥカティ」の筆頭株主でもあった。ドゥカティを2012年にアウディへ8億6000万ユーロで売却したあと、「アルファ・ロメオ部門をフィアットから買収するのでは?」との憶測も流れたが、結局アストンに落ち着いた。
イタリアの主要メディアは「アストン・マーティンがイタリア系に」「ボンドカーがイタリアのものに」さらには「イタリア語を話すアストン・マーティン」といった見出しとともに大きく採り上げた。記事に添えられた写真やビデオの多くには、映画『007』におけるアストン・マーティン ボンドカーの登場場面が多数使われた。かなりのフィーバーぶりだ。
いっぽうで、クリスマス用買い出しでにぎわうスーパーマーケットでボクの携帯電話に知人から1通のメッセージが入った。勤務先の自動車ディーラーを解雇されたことを知らせるものだった。
参考までに、2012年11月のイタリア国内の乗用車登録台数は、前年同月比20.1%のマイナスだ。いやはや、同じ国でアストン株を買う者もいれば、いきなり会社をクビになる者もいるとは。イタリア社会は、各層がなかなかシンクロナイズしない。

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。20年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
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