「タワーバーについて」

2001.12.25 クルマ生活Q&A 松本 英雄 サスペンション
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「タワーバーについて」

ストラットタワーバーは、ボディ剛性の強化に役立つと聞いているのですが 本当でしょうか、また実感できますでしょうか。一部では、基本的にボディ剛性の高くない車にとりつけると、かえってよくない結果をもたらす、という話も聞いたことが あります。(OMさん)

お答えします。ストラットタワーバーとは、サスペンションの左右アッパーマウントを結ぶロッドのことを言います。スポーティなクルマのエンジンルームを見たとき、エンジンをまたぐように取り付けてある棒状のもののことです。これがボディ剛性のアップにつながるかというと、これだけ付ければよいというものではありません。

ストラットタワーバーとは読んで名のごとく、量産車の多くが採用しているストラット式のサスペンションのためのものです。目的は、取り付け部の変形を少なくし、ブレーキングやコーナリング時のアライメント変化を少なくして、サスペンションの安定性を高めるところにあります。スポーティなクルマは最初から装着されている場合もありますし、アフターマーケットで購入し、自分で装着することも可能です。

ストラットタワーバーは、サスペンションが内側にたわんだとき、そのつっかい棒になったり、外側にゆがんだときに引っ張る働きをしますが、先述したように、部分的な働きにすぎません。ボディ剛性とはシャシー全体で考えるべきものなのです。デメリットとしては、片側のみで受けていた力が両側にまたがるようになるので、片輪を強くぶつけた場合に、両側のストラット部の付け根を歪ませてしまうなどの例があげられます。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。