「空気圧は高くしたほうがいい?」
2001.08.25 クルマ生活Q&A タイヤ・ホイール「空気圧は高くしたほうがいい?」
いつも興味深く拝見させていただいております。自動車の乗り心地はタイヤの空気圧によってかなり変化すると思います。空気圧を上げて走行することは、ボディのヤレを早める一因になるのでしょうか。それとも定員乗車時のメーカー指定空気圧の範囲内であれば、そのような心配は不要でしょうか?(KTさん)
お答えします。巷間、空気圧をあげることのメリットとして、タイヤの剛性アップとステアリングの応答性向上が言われているようです。たしかにそれはある条件内では事実です。さらに、タイヤの空気圧をあげているほうが、路面との接地面積が減るため、ころがり抵抗が減じ、燃費の向上が期待できます。加えて、面圧(特定面積にかかる重量)が上がるため、雨の日のハイドロプレーニング現象が起こりにくくなります。
空気圧を上げてタイヤを硬くしても、目に見えるほどのボディのヤレ(歪みなど)は生じません。タイヤを硬くしたぐらいでボディがヤレていては、十分な耐久性があるとは言えません。純正装着のタイヤでメーカー指定の空気圧よりも0.2〜0.5kg/平方センチメートルぐらい上げる(冷えた状態)のならば、ショックは十分吸収してくれます。
空気圧を高くして走行していることで問題が生じるとすれば、前述のようにトレッド中央部が膨らむためタイヤが偏摩耗することがあげられます。ただしタイヤによって減りかたはかなり差があります。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。