「シークエンシャル・トランスミッションとは?」

2000.12.03 クルマ生活Q&A 松本 英雄 トランスミッション
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「シークエンシャル・トランスミッションとは?」

フェラーリF355やモデナにある「F1」、ポルシェの「ティプトロニック」、アルファ156の「セレスピード」など最近、いろいろなトランスミッションのシステムが出てきています。私が興味あるのはスポーツカーで使われているシークエンシャル・トランスミッションです。これはどういう仕組みなのでしょうか?(OMさん)

お答えします。シークエンシャル・トランスミッションとは、現在はある種のトランスミッションの総称になっています。モーターバイクの変速機のように、1段ずつシフトアップおよびダウンをおこなう機構をもつトランスミッションを、こう呼んでいます。

シフトストロークを短くすることで素早いシフトワークができることをはじめ、シフトのときアクセルを踏んだままエンジン回転を維持していられること、クラッチを踏む必要がないのでドライバーの肉体的負担が軽減されること、段階的にギアチェンジするのでシフトミスがなくなることなどが、そのメリットとしてあげられます。

上記のメリットのため、1980年代から耐久レースやF1、WRCといったレースで使われ、やがて市販車にも採用されるようになりました。クラッチペダルが必要ないため、ATの利便性とMTのスポーティさを併せもつ点が 評価され、ポルシェやフェラーリのようなスポーツカーに搭載されました。現在では、スポーツカーにとどまらず、VWルポやスマートのような小型大衆車にも採用されています。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。