「エンジン始動はクラッチを切ってから?」
2000.11.25 クルマ生活Q&A トランスミッション「エンジン始動はクラッチを切ってから?」
私はMT仕様のワゴンRに乗っていますが、自動車教習所ではMT車は始動の際、ブレーキを踏んでクラッチを切ってからキーを回すように教えられました。しかし世のなかにはいきなり始動させる人もいたりします。それでもクルマに悪影響がでないのでしょうか?(TYさん)
お答えします。エンジンを始動する際に、クラッチを切らなくてもメカニズム的には影響はありません。安全面から言えば、ブレーキペダルも踏んでエンジンを始動させることは良いことです。
最近のMTはクラッチペダルにスイッチが付いていて、クラッチペダルを奥まで踏まないとスターターモータが回らない仕組みのクルマが数多くあります。ギヤが1速ないしはリバースに入っている場合もあるので、クラッチを切ることは重要です。そのままエンジンを始動させると、1速やリバースはトルクが大きいので、大きな力で走り出してしまうため危険なのです。
昔のトランスミッションオイルは冬場などで粘度が高いときは、スターターモータが回りづらいので、クラッチをきってやる、ということもありました。しかしいまではすっかり聞かれなくなりました。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。