「ディーゼル車のメリットは?」
2000.12.05 クルマ生活Q&A エンジン「ディーゼル車のメリットは?」
カタログを見ると、同じ車種でガソリンとディーゼルエンジンの両モデルが用意されていることがありますが、ディーゼルモデルのメリットを教えてください。(東京MAさん)
お答えします。ディーゼルエンジンのメリットは、日本では何といっても燃料代が安いという点が挙げられます。しかも小、中型車ならば同クラスのガソリン車より確実に燃費が良いでしょう。
ガソリンエンジンに比べてエンジン内の圧力が、2〜3倍も高いことから部品のひとつひとつが頑丈に作られていること、さらに最高エンジン回転数がガソリン車よりも低いことから部品の摩耗が少なく長持ちします。大型トラックなどは、走行距離100万kmくらいまでエンジンのオーバーホールが不要だと言われています。また、ガソリンエンジンよりも排気量を大型化できるため、より大きなトルクが必要なトラックなどの輸送分野や重工業分野に適しています。
ディーゼルエンジンはスロットルバルブがないので、ガソリンエンジンにくらべてポンピング損失が少ないなど、機械効率が良く、市街地などでは燃料消費が少ないのです。最近日本では「ディーゼルエンジン追放」のような風潮がありますが、ガソリン車ではできないことをやっているのも事実です。
一方、ヨーロッパではディーゼルエンジンが盛んに使われています。ディーゼルエンジン搭載のスポーツカーもあるほどです。近頃フォルクスワーゲンで発表した「ルポ」という小型車のディーゼル仕様車は、軽油1リッターで30km以上走行可能です。このことからもわかるようにディーゼル車は、将来的に大きな可能性を持っていると言えるでしょう。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。