「エンジンの「ならし」のやりかたは?」

2001.08.20 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「エンジンの「ならし」のやりかたは?」

「ならし」運転の最中に、エンジン回転をあげてやらないと、おとなしい(回転の上がりにくい)エンジンになってしまうという話を耳にした事があります。真偽のほどはいかがでしょうか?(東京都・ATさん)

お答えします。たしかにエンジンというのは高回転まで使ったほうが、軽く回るエンジンになります。ただし、「ならし」の最中に高回転まであげるのはよくありません。

「ならし」中に高負荷(エンジンの場合は低いギアで高回転まで回したりすること)をかけると、摺動面に大きく傷がついたりして、その結果、潤滑油がきれ、それが金属面の直接的な接触をひきおこし、異常摩耗につながります。

しかし、「ならし」のあとは、高回転まで回したほうがよいのです。その理由として、エンジン内部の摺動面に「あたり」をつけることの重要性というのがあります。回転が高い部分でなじんでいれば、その回転域までスムーズにまわります。でも、低中回転までで走っていると、いきなり回転をあげようとしても、エンジンが重く感じることになります。

エンジンが高回転まですばやくスムーズにまわれば燃焼効率が高まります。そうなると燃えカス(カーボン)の付着が減ります。つまりエンジンがよい状態で保たれます。高速走行の後に、エンジンが軽くなったと実感した人は多いのではないでしょうか。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。