エキマニ交換でエンジンが熱くなった
2001.12.22 クルマ生活Q&A エンジンエキマニ交換でエンジンが熱くなった
先代のマツダ・ロードスターに乗っている者です。先日、知人に譲ってもらった社外品のエクゾーストマニフォルドを装着したところ、ちょっと走っただけでも、エンジンルーム内がビックリするぐらい熱くなることがわかりました。ボンネットを支える棒が熱くて触れないほどです。純正のエキマニは、ぴっちりと遮熱板におおわれていたので、長時間の走行後もこんなことはありませんでした。
そこで質問です。エキマニ交換によって排気をスムーズにすれば、パワーやトルクがアップすると聞きます。でも、エンジンルーム内の空気がひどく熱くなってしまうと、それを吸入することによって燃焼効率は下がってしまうんじゃないかと思います。あんなに熱い空気を吸いつづけて、エンジンは大丈夫なのでしょうか?また、エンジンルーム内のゴムホースや電装部品に悪影響を及ぼすことはありませんか? 純正の遮熱板はエキマニの構造上使えません。どうか良きアドバイスをお願いします!
お答えします。社外品のエクゾーストマニフォルド(エキマニ)は、純正の鋳鉄製もしくはステンレス製より薄くつくられるため、放熱性がよいのです。そのため、エンジンルームは、いままで以上に熱くなります。
エンジンルームはおよそ120度Cぐらいまでは耐えられるようにつくられています。しかし常にそのような高温下では、ゴム類やエンジニアリングプラスチック(エンプラ)類の劣化が早まります。オーバーヒートにもなりかねません。また、いままでと違った部分をエキマニが通るため、思ってもいなかった部分の温度が上がって、たとえば電装系のハーネスを傷める可能性もでてきます。
対策としては、断熱効果のある専用耐熱テープでエキマニの一本一本を巻くことをオススメします。これでエンジンルームに熱がこもりにくくなるでしょう。純正のパーツは、あらゆる状況を考えて開発されています。安易に交換することは避けたほうがよいと思います。
なお、エキマニ交換の効果に関してですが、もちろん、一概には言えません。大まかには、「4-2-1」と排気管を集合させた低中回転域重視型と、「4-1」にした高回転向きのものに分けられます。

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。