トヨタ・カローラスパシオ 1.5X Gエディション(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カローラスパシオ1.5X Gエディション(4AT) 2001.07.14 試乗記 総合評価……★★ ……187.9万円あいまいな日本の妥協の産物
デッサン狂ってるっぽい(?)けど愛嬌ある先代から、まっとうだけど素っ気ない2代目になったカローラスパシオ。シート配置も、「2+3」をベースと割り切って、通常、サードシートは荷室フロアに折り畳んで収納される。ラゲッジルームを倉庫代わりにしがちなオトーサンにはオススメできない。
「アナタ、あしたタロウちゃんのお友達をおくってかなきゃいけないのよ。ゴルフバックとテント用具、降ろしといてくださいね」
「明後日、キャンプに行く予定じゃないか」
「なに言ってんのよ。野球チーム9人を、お隣のクルマと2台でグランドまで……」
「じゃあ、5人と4人にわけろよ」
「バカね、運転手がいるから6人と5人でしょ。荷物はお隣さんに任せるから、コッチは人間を運ばなきゃ……」
しぶしぶ腰をあげるオトーサン。カローラスパシオは、日本の道路事情に合わせた、使いやすい5ナンバーサイズのミニバンだ。1.5リッターユニットはじゅうぶんトルキーで、「無理して1.8にしなくてヨカッタ」とちょっとウレシイ。しかし、このクルマ、7人乗りを謳えど、ヒトを載せれば荷物が載らず。荷物を積めばヒトがはみ出す。後席中央はシートベルトが2点式だしヘッドレストも備わらない。サードシートはあくまでエマージェンシー用とはいえ、座り心地は最悪だし、まともにシートベルトもしめられない。「実質4人乗りなんだよなァ」と、星空の下、ゴソゴソとアウトドア用品を降ろしながら考えるオトーサン。あいまいな日本だから許される妥協のピープルムーバー。★はなんでも知っている。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2001年5月21日に登場した2代目スパシオ。先代は、「2+2」「2+3」「2+2+2」と様々なシートバリエーションを用意したが、今回は「2+3」を基本に、3列目はあくまで補助席との位置づけだ。エンジンは、1.5リッター(110ps、14.6kgm)と1.8リッター(136ps、17.4kgm)の2種類。いずれも、直4ツインカム16バルブ。トランスミッションは4段ATが組み合わされ、前輪を駆動する。
(グレード概要)
「X」は、廉価版「V」(1.5リッターのみ)とスポーティ版「Sエアロツアラー」(1.8リッターのみ)の中間に位置するメイングレード。エンジンも2種類が用意される。「Gエディション」は、運転席アームレスト、オートエアコン、タコメーター、木目調パネル、UVカットガラスなどが奢られた装備充実モデル。これまた、1.5、1.8リッターから選べる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
一見、カローラと選ぶところのないインパネまわりだが、センターコンソール左右に、ヴィッツのような物入れが用意された。これは便利。また、トンネルコンソールを設けず、前席左右、後席とのウォークスルーにも配慮される。さすがはトヨタのミニバン。芸が細かい。
(前席)……★★★
あたりが柔らかいフロントシート。サイズは小さめ。運転席側のみに座面の角度調整機能が備わる。助手席下にアンダートレイ有り。助手席背もたれを前に倒すと、テーブルに早変わりする。使うのか?
(後席)……★★
6:4の分割可倒、個別のスライドほか、バックレストのリクライニング、背もたれを畳んで座面ごと前に倒す「リアシートタンブル」など、アレンジ自在のリアシート。そのぶん、シートのサイズは小ぶりで、座り心地も平板だ。シートベルトのアンカーを座面わきの小さなポケットに収納できるのはさすが。背もたれを倒すとカップホルダー付きの小さなテーブルになる中央席は、しかしヘッドレストも3点式シートベルトも備わらないので、大切なヒトは座らせない方がいい。
(3列目シート)……★
完全なオケージョナルユース。立派なヘッドレスト(通常は荷室側壁に差される)と3点式シートベルトを備える。とはいえ、腰にわたすベルトがずり上がって腹部にかかるので、ヒト用としてはまったくおすすめできない。
(荷室)……★★★
左右の壁にサードシート用ヘッドレストが差されるため、カローラよりやや狭い床面最大幅110mm。奥行きは85cm。セカンドシートを最大限前にスライドさせると、100cmとなる。DC12ボルト/AC100ボルト電源ソケットが備わる。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
カローラと同じ1.5リッターオールアルミユニット搭載。出力もセダンと変わらない。連続可変バルブタイミング機構「VVTi」を備え、「フラットトルク」と「静かさ」が、ミニバンにピッタリ。スパシオは、カローラセダンよりヒトふたり分重いが、それでも十分な動力性能だ。「4人+それぞれの一泊二日分荷物+撮影機材」を積んで走ったが、なんら不満なし。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
セダンではオプションの「185/70R14」のタイヤサイズが標準となるミニバン、スパシオ。セダンベースで、当初から開発されただけあって、ドライブフィールに乗用車と変わるところはない。乗り心地はいい。広い室内をもちながら、静粛性も高い。ややダルなハンドリング。まるでトバす気にさせない安全設定もウリか。
(写真=小河原 認)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年6月12日から13日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:1136km
タイヤ:(前)185/70R14 88S/(後)同じ(いずれもトーヨー NP01)
オプション装備:バックガイドモニター(4.7万円)/DVDナビゲーションシステム+CDカセット一体型ラジオ(20.5万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(6)
テスト距離:104.7km
使用燃料:9.7リッター
参考燃費:10.8km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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