トヨタ・プロボックス1.5DX(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・プロボックス1.5DX(4AT) 2002.07.24 試乗記 ……130.2万円 総合評価……★★身も心もプロ仕様
使い勝手重視を謳う乗用車系ハイトワゴンを笑い飛ばす骨太プロ仕様。四角い専用ボディでその名も「プロボックス」。カローラバンの後継にあたる。車高はもちろん、タワーパーキングに入る1525mm。積載量も「VDA法で何リッター」なんてシャレたこと言わないで、ズバリ「A4コピー箱が89コ積めます(2名乗車時)」。
従来のカローラバンとカルディナバンを統合整理する一方、専用のシャシーとボディを開発。「操安性で負けていた」(トヨタのエンジニア)日産ADバン(ウィングロードの商用車版)に対抗する。
切り立ったリアエンドと、薄いリアシートが商用車。ハイトコントロールが備わるフロントシートに座って走り始めれば、前後スタビライザーの恩恵で、街乗りではしっかりしたステアリング。しかし空荷ということもありましょうが、リア、けっこう跳ねますな。久しぶりのリジッド感覚。乗り心地もプロ仕様だ。136.8万円(FF/4AT)で乗用車ワゴンもラインナップされるが、まあ、「カローラフィールダー」も「スプリンターカリブ」もあることですし……。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2002年7月2日に発表されたコマーシャルバン、つまり商用車。新開発のシャシーと専用ボディが与えられ、カローラバンの後継が「プロボックス」、カルディナバンのそれが「サクシード」となる。両者の違いは、前後バンパーほかコスメティックな差異のみ。モデルヒエラルヒーが廃され、基本的な構造は変わらない姉妹車になったわけだ。
動力系は、1.5リッター(4AT/5MT)と1.4リッターディーゼルターボ(5MT)、プロボックスにはさらに1.3リッター(4AT/5MT)が加わる。駆動方式はFFをベースに、ガソリン車にはビスカスカプリングを用いた4WDが用意される。
いずれにも後席の面積を広げ、サイドプロテクションモールを付け、165/80R13タイヤ(サクシードの上級グレードは175/65R14)を履いた5ナンバー(乗用車)モデルがカタログに載る。エンジンは、1.5リッターのみだ。
(グレード概要)
プロボックスは、トリムレベルによって、下から「DX-J」「DX」「DXコンフォートパッケージ」「GL」がある。テスト車の「DX」は中堅グレードで、運転席の上下アジャスター、電気式バックドアオープナー、マニュアルエアコン、AMラジオを標準で装備する。
なお乗用車版「プロボックスワゴン」は、5ナンバー登録のための「F」と、一般乗用車市場も狙った「Fエクストラパッケージ」の2種類。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
専用のインストゥルメントパネルを与えられたプロボックス。ウレタン3本スポークのステアリングホイールのむこうには、大きな扇形の速度計。「DX」「DXコンフォートパッケージ」「GL」を比較すると、パワーウィンドウが「ナシ」「運転席」「運転席・助手席」。ドアミラーが「手動」「電動リモコン」「電動格納式リモコン」と厳しい差別化が図られる。収納部は豊富。カード、コイン、ペンそれぞれにホルダーが儲けられ、センターコンソールには、伝票書き用のインパネテーブルが設けられる。
(前席)……★★★
ボトムエンドの「DX-J」をのぞき、ドライバーズシートにハイトコントロール機能が付いたのは営業マンに朗報。座面脇のラチェット式レバーを上下に動かせば、シートごと調整できるじゃないですか! 座り心地は非常にソフト。長距離ドライブ後の疲労と、クッションの耐久性に一抹の不安をおぼえるが、“ちょい乗り”では快適だった。
(後席)……★
純然たる荷物置き場。背もたれを倒せば荷室フロアと面一のラゲッジスペースが出現する。万が一の際に荷物が前席を直撃することを防ぐ「ルームセパレーター」と呼ばれるバーが装備される。「モノ」として座った感想を述べると、低い着座位置、ペナペナのビニール地、板にオシリを載せている感じ。そしてヘッドレストがないため、首の後がヒンヤリ冷たい、気がする。
(荷室)……★★★★
最大横幅136cm、奥行き110cm、天井までの高さ92cm。リアシートを倒せば174cmまで奥行きは伸びる。床にひかれたビニールシートが、縦に凹凸がついていたので荷物を押し入れるためのリブかと思ったら、単なるフロアの構造が浮き出ているだけだった。オーナーが必要に応じてベニア板などを敷くのだろう。積載量は400kg。
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【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
営業車なのに、1.3、1.5リッターとも「VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)」付き! これは、トヨタがにわかにセールスマンの福祉に目覚めたからではもちろんなく、燃費、エミッション低下に対応するため。「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」を達成。「超-低排出ガス」車、いわゆる3ツ星である。遮音、吸音材の(物理的にも)目に見える削減で、エンジンノイズの侵入は大。「1NZ-FE」型ユニット、物静かなヤツだと思っていたが、プロボックスでは元気がいい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
フロントサスは「ヴィッツ」由来のマクファーソンストラット/コイル。リアは、板バネ使用のカローラバンから、コイルスプリングを用いる5リンク(4リンク+パナールロッド)に格上げされた。後脚は、かつてのハチロク(FRレビン/トレノ)と形式上は同じリジッドだ。空荷時にも考慮した非線系バネレート、つまり積載量に応じて硬くなるバネをリアには用いるが、それでも空荷だと路面の凹凸をよく拾い、ときに跳ねる。ハーシュもそれなりだから、純正ドレスアップたる「モデリスタ仕様」まで用意される乗用車版(プロボックスワゴン)は、試乗してからの一考をオススメします。
(写真=林渓泉)
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【テストデータ】
テスト日:2002年7月17日
報告者:webCG青木禎之
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:371km
タイヤ:(前)165/82R13/(後)同じ(いずれもヨコハマSuperVAN355)
オプション装備:プライバシーガラス/時間調整式フロントワイパー+リアワイパー/電動リモコンドアミラー/ハイマウントストップランプ/ドアキー連動ドアロック/前席パワーウィンドウ/100Vアクセサリー電源/AMFMラジオ(2スピーカー)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
走行距離:−−
使用燃料:−−
参考燃費:−−

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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