スバル・レガシィB4 RS25(4AT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィB4 RS25(4AT) 2001.06.13 試乗記 ……272.3万円 総合評価……★★★★六連星(むつらぼし)の意気込み
2リッターNAモデル「RS」の500cc拡大版、というよりは、2リッターターボ「RSK」の2.5リッターNA版。ターボとほぼ同じ仕様の足まわりに、過給機付きエンジンより約40kg軽い自然吸気ユニットを積む。
RSKのようなタコメーターの針が右半分に入ってからの爆発的な速さはないけれど、走り始めのトルクの厚さが、停発進の多い市街地ではありがたい。2.5リッターボクサーの4500rpm時は、セカンドで約80km/h、サードで約130km/hだから、特殊なスポーツ走行以外での恩恵の方がはるかに大きい。
215/45ZR17という薄く大きなタイヤを履くが、よくチューニングされた足まわりゆえ、バタつき、突き上げが抑えられた「重厚」とさえ言える乗り心地。そのうえ“曲がり”も、ウェイトバランスの良さを活かしてシレッとこなす。破綻のない大人のスポーティサルーン。
フロントに、六連星(むつらぼし)の「スバル・エンブレム」を復活させて、プレミアムブランドを目指す富士重工。RS25には、その意気込みを感じさせるまとまりのよさがある。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
看板モデルたる「ツーリングワゴン」に遅れること約半年、1998年12月21日に登場した4ドアセダン。ツーリングワゴン同様、ボディサイズを5ナンバー枠にとどめたままホイールベースを20mm延長して室内空間を稼いだ。“ファミリー”な側面をバッサリ切り捨て、スポーティセダンとしての性格を強調。エンジンはすべて水平対向4気筒。当初、2リッターのNA(自然吸気)とターボ、2001年5月22日のビッグマイナーチェンジで2.5リッターNAが加わった。駆動方式は全車4WDだ。
(グレード概要)
RS25は、ビッグマイナーチェンジにともなって追加された2.5リッターNAモデル。2リッターNA「RS」、ターボ「RSK」に続く、3種類目のB4である。ビルシュタイン製ダンパー、アルミ鍛造フロントロアアーム、16インチ2ポットのフロント通気式ディスクと、ターボに準ずる足まわりをもつ。ホイール&タイヤサイズもRSKと同じ215/45ZR17だ。トランスミッションはスポーツシフト付き4段ATのみ。4WDシステムは、2リッターNAモデルと同じ「アクティブトルクスプリット4WD」。通常、前:後=60:40の駆動力を、状況に応じて配分をコントロールする。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
オーソドクスなつくりのインパネまわり。ターボモデル同様、キーを捻ると、メーターリング、針、そして数字類が点灯する“演出”がほどこされた「ブラックフェイスメーター」を備える。ビッグマイナーを期に導入した「メタリック調ブラックヘアラインパネル」は、地味にスポーティだ。ステアリングホイール左右のスポークにシフトボタンを装備する。
(前席)……★★★
座面、背面部に、独特の太い畝(うね)をもつ生地を用いたシート。手触りは悪いが滑りにくい。シートの形状は平板で座り心地はいまひとつ。一方、座面、背もたれともに頑丈なサイドサポートをもち、スポーツ走行にもじゅうぶん対応できる。ただ、素材がテスト車のようにファブリックだと、乗り降りの際に、都度、座面サイドに触るので、歳月を経るとすり切れるだろう。
(後席)……★★★
膝前、頭上ともスペースは十分。バックレストは寝気味で、頭半分がガラスの下になるのが気になるところ。しっかりしているが、上下調整できないヘッドレストもマイナス点。B4のショルダーラインは特に低くないが、後席窓枠の後にはめ殺しのガラスを配した「6ライトスタイル」をとるので、後席には、“人目に晒される感”のない、適度な開放感がある。
(荷室)……★★
床面最大幅145cm、奥行き100cm、高さは45cm。“走り”のためにやや犠牲にされた感のあるラゲッジルーム。補強材を横に入れたがために、奥が盛り上がったフロアとなった。荷室に干渉するヒンジ、内側に取っ手がないことも残念。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
「AVCS(Active Valve Control System)」と呼ばれる吸気側可変バルブタイミング機構を備えたフラット4。吸気レイアウトに手が入れられ、中低回転域でのトルク向上が図られ、実際、トルキー。遮音もよくなり、ドコドコドコ……というボクサーサウンドが、ずいぶん遠くに聞こえる。RSKとファイナルも含めて同じギア比をもつオートマチックトランスミッションはスムーズで、4段でも不満はない。ドライバーの意志を尊重して、極力ギアを保持するスポーツシフトの設定も好ましい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
ハーシュネスをよく遮断した、フラットで重厚感のある乗り心地。高速でのスタビリティの高さは特筆もの。カーブの続く山道では、RS25がいわゆる“シャシーの勝った”クルマであることを実感させられる。215/45ZR17の薄いポテンザRE010をもてあますことなく、しなやかに駆動力を路面に伝え続ける。グリップを、タイヤだけに頼ることがない。速度が上がっても静かで落ち着いた挙動を保つ、“大人の身のこなし”が印象的だ。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年6月6日から8日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:2140km
タイヤ:(前)215/45ZR17/(後)同じ(いずれもブリヂストン Potenza RE010)
オプション装備:スポーティパック(リアドア、6ライト、リアガラスを濃色化+リアスポイラー)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:649.4km
使用燃料:88.6リッター
参考燃費:7.3km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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