フォルクスワーゲン・ボーラV5(5AT)【ブリーフテスト】
フォルクスワーゲン ボーラV5(5AT) 2002.06.20 試乗記 ……325.0万円 総合評価……★★★★長く乗り続ける人に
ゴルフのテールにトランクルームを付け、2.3リッターV型5気筒エンジンを搭載した、ちょっと豪華な3ボックスセダン。本国ドイツでは、ボーラは基本的にゴルフのボディ違いだが、日本では、4気筒のみのゴルフに対して、V5、V6も選べる上級モデルと位置付けられる。
ボーラは、キャラクターとしてクルマ好きをコーフンさせるところはない。地味で実質的なクルマだ。でも、そういうクルマって意外にない。クルマが目立つことを望まず、長距離走行をよく行い、1台を長く乗り続けたい人にはオススメ。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ゴルフIの「ジェッタ」とゴルフIIには「ジェッタ?」、ゴルフIIIの「ヴェント」と、歴代のゴルフにはセダンバージョンが用意された。そしてゴルフIVの3ボックスモデルが「ボーラ」である。ちなみに北米では、今もジェッタと呼ばれる。
ドイツ本国では、3ボックスの他にワゴンボディのボーラ・ヴァリアントが用意されるが、日本に導入されるのはセダンのみ。FWDモデルとしては、ゴルフCLi/GLiと同じ2リッター直列4気筒SOHCエンジンを積む「ボーラ」と、2.3リッターV5SOHCエンジン搭載の「ボーラV5」、そして2.8リッターV6SOHCを積む4WDの「ボーラV6 4MOTION」がラインナップされる。
(グレード概要)
「ボーラV5」のエンジンは、170ps/6200rpmの最高出力と、22.4kgm/3300rpmの最大トルクを発生する、2.3リッターV5SOHC。レバーの前後でシフトできる、「ティプトロニック」を搭載した5段ATを介して前輪を駆動する。2リッター4気筒のクロスシートに対して、V5モデルはシートヒーター付きの高さ調節可能なレザースポーツシートが標準装備。タイヤは上級グレードの「V6 4MOTION」と同じ、205/55R16+アルミホイールを装着する。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
必要なものが必要なところに配置されていて、機能的で使いやすいインパネとその周辺。あくまで地味で控え目。それが悪いわけじゃないが、もうちょっと華が欲しくもなる。特に試乗車は黒色のシートとトリムだったので、余計にそう感じた。以前に乗った別のボーラはベージュのシートと室内で、軽快でカジュアルな好印象を受けた。注文時には、よく見比べたほうがいい。
(前席)……★★★★★
革張りのシートはパァンと張っている上に、中身が詰まっている感じがして、スポーツ走行用のようだ。でも、無用に硬いというわけではない。好感が持てる。パッケージングにも秀でていて、前席の空間の広さ、ドライバーの運転しやすさなどをまじめに考えてつくられている。ドライバーズシートの調整範囲が大きく、あらゆる体格の人に合わせられる。ウィンドシールド、サイドウィンドウなどの傾斜も強過ぎず、身長の高い人が運転しても、フロントガラスを避けようとシート背面を倒さなくて済むだろう。
(後席)……★★★★
後席も、前席同様に優れたパッケージングの賜物で十分な空間が用意される。3人かけてもスペース的には大丈夫だし、2人なら長距離走行も不満ないだろう。
(荷室)……★★★★★
455リッターという荷室容量。ゴルフのラゲッジスペースに、さらに張り出したトランクが足されるので広大。サスペンションにも邪魔されず、深く、奥行たっぷりな空間がある。
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【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
V型5気筒という珍しい気筒配置だが、不快な振動は皆無だ。しかし、「シャープな吹き上がり」とか「力強さ」とかいったクルマ好きが求めるようなエンジン単体での魅力には欠ける。排気量2.3リッターのエンジンとして必要十分なパワーは備わってはいるが。
マニュアルシフト付きの5段ATは、“D”モードで走っていてマニュアルシフトをする時には、シフトレバーを横方向に移動させて、シーケンシャルシフト用のゲートに移す必要があるティプトロニック。移動せずに変速できるアウディのティプトロニックSや、メルセデスベンツ/スマートのティップシフトの方が使いやすい。VWも、ぜひ“S”を。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
首都高速の路面の凹凸や舗装のつなぎ目などを越えた時に車内に伝わるショックが意外に大きい。でも、ボディの剛性感が低いかというとそんなことはない。個人的には、サスペンションのダンピングをもう少し弱めた方が、日本では乗り心地がソフトに感じられていいのでは、と思った。高速道路での100km/h付近での高速安定性はとても高い。安心して長距離を走れる。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:金子浩久
テスト日:2002年5月15日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:8685km
タイヤ:205/55 R16
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(6):高速道路(2):山岳路(2)
テスト距離:345.9km
使用燃料:43.1リッター
参考燃費:8.0km/リッター

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