第54回:“野性の速さ”は欧州へ――人もクルマも飛びまくる! 『ワイルド・スピード EURO MISSION』
2013.06.27 読んでますカー、観てますカークラッシュするクルマは倍以上
『ワイルド・スピード』シリーズの最新作が、早くもやってきた。2年前に紹介したのは『MEGA MAX』だったから、言葉の意味からすればそれ以上はないはずだ。でも、大ヒットのドル箱シリーズをやめるわけがない。第3作の『TOKYO DRIFT』は時系列からいうと今回の第6作の後という設定だったので、これでようやくすべてがつながることになる。
前作ではブラジルの裏社会を支配する黒幕から大金を強奪し、その金を持って海外に逃亡したのだった。彼らは指名手配されているから故国のアメリカに帰れるはずもなく、ヨーロッパで穏やかな生活を送っているという設定である。そこでも事件に巻き込まれ、チームが再結集して最強の敵と戦うことになる。『EURO MISSION』というのは、そういう意味だ。
『MEGA MAX』のクライマックスでは、巨大な金庫を引きずりながら街を爆走するというむちゃなことをしていた。新作では、それを上回る派手なアクションを見せなければ観客は納得しない。シリーズ物のアクションは、必ずインフレを起こして過激になっていくものだ。というわけで、クラッシュして破壊されるクルマの数は、おそらく倍以上になっている。なんとも景気よくバンバン壊し、数百台がスクラップになったようだ。資源の無駄遣いなのは間違いないが、まあ、そういう映画なのである。

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
-
NEW
ホンダN-ONEオリジナル(FF/CVT)【試乗記】
2021.3.6試乗記往年の名車「N360」に込められたスピリットを受け継ぐ、ホンダの軽「N-ONE」。その新型に試乗した筆者は、これまで軽乗用車に抱いてきたイメージを覆すほどの、モノとしての完成度の高さに驚かされたのだった。 -
トヨタ・ミライZ(RWD)【試乗記】
2021.3.5試乗記フルモデルチェンジでがらりと見た目の変わったトヨタの燃料電池車「ミライ」。大型FR車用のプラットフォームを用いたパッケージングや走り、そして一新された内外装デザインなど、純粋に“魅力あるクルマ”を目指したというが、果たしてその進化やいかに。 -
「自動運転のクルマ」がナウ・オン・セール! それでわれわれは救われるのか?
2021.3.5デイリーコラム出るぞ出るぞと言われてきた「自動運転レベル3」に対応するクルマが、ついにデビューを果たした。この調子で時代は「運転支援」から「自動運転」へと移行していくのだろうか? 清水草一は、そこに根本的な問題があるというのだが……! -
第696回:イタリアにEV専用フィアット系ディーラーが誕生 大矢アキオが電撃訪問!
2021.3.4マッキナ あらモーダ!イタリア・トリノに新たなフィアット系自動車ディーラー「eビレッジ」がオープンした。その特徴は電気自動車を中心とした電動モデルのみを取り扱っていることだ。「e-Village」のサインが輝く店舗に、大矢アキオが早速出向いてみた。 -
ポルシェ・パナメーラ ターボS(前編)
2021.3.4谷口信輝の新車試乗ポルシェが開発したパワフルな4ドアサルーン「パナメーラ ターボS」の走りやいかに? ワインディングロードでステアリングを握ったレーシングドライバー谷口信輝に、その第一印象を語ってもらった。 -
ボルボC40リチャージ(デザインプロトタイプ)
2021.3.3画像・写真ボルボがクロスオーバーSUVタイプの新型電気自動車「C40リチャージ」のデザインプロトタイプを発表。「2030年までの完全電動化」をうたうボルボ初のEV専用は、どのようなクルマに仕上がっているのか? 2021年秋導入予定というニューモデルの姿を、写真で紹介する。