第10回「ホンダ・アコードハイブリッド」vs「マツダ・アテンザセダンXD」(後編)
2013.08.09 水野和敏的視点音と振動の処理に課題
マツダ・アテンザ、自慢のディーゼルエンジンはいいですね。2.2リッターの直噴ディーゼルで、175psの最高出力と、42.8kgmの最大トルクを発生します。ただ、マックスのパワーに不足はありませんが、実用的には1500rpm前後のトルクがほしいところです。やや“ドッカンターボ”的な部分が気になります。むしろ、ターボ本体のサイズダウンをした方が、トータルとしていいのではないかと思います。
課題は、パワーユニットそのものというより、音と振動の処理にあるのではないでしょうか。エンジン技術者というより、車体側の担当者がもう少し頑張らないといけません。エンジンを載せるマウントや、マウント部分を支えるメンバーの剛性をもっとアップしたいところですね。
それにダッシュボードに使われる遮音材にも、改善の余地がある。また、アテンザを走らせていると、エンジン本体のブロック振動と、エンジンを車体に取り付けるアルミブラケットが共振して、車体に雑な音を伝えてきます。そういったことが、気になりました。
ディーゼルエンジンというと、エンジンが発するノイズに話題が行きがちですが、マツダのそれは、全然悪くありません。BMWやメルセデス・ベンツ並みの滑らかさがあるかといったら、いま一歩ですが、ディーゼルエンジンで出遅れた日本勢にあって、健闘しているんじゃないでしょうか。
ところで、欧州と比較して日本のディーゼルエンジンが後れを取っているのは、燃料たる軽油の品質に問題があるからです。硫黄分が多いために、触媒機能を低下させたり、排気規制に対するエンジン制御などを難しくさせたりしているのです。低硫黄を推し進めるサルファフリーの面ではヨーロッパが先行しており、またドイツなどでは乗用車専用のプレミアム軽油すら一般的に販売されていて、ディーゼルエンジンの開発がどんどん進んでいます。燃料がいいので、非常に精緻に燃料を噴射するコモンレール式でも、デリケートな設定が可能になったわけです。
ガソリンに関しては、日本のハイオクは世界一のクオリティーを誇っているだけに、残念なハナシです。
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