第311回:「懐かしのイタリア車」は最高のアイキャッチ
2013.08.30 マッキナ あらモーダ!ムッソリーニが決めたバーゲン
イタリアの商店では、夏のバーゲンセールがそろそろ終盤を迎えようとしている。この国ではセールの期間は各市町村が決め、商店はそれを守らないといけない。勝手にセールを始めることができないのだ。守らない場合は、交通違反と同じ要領で反則金が課せられる。
歴史を振り返ると、イタリアのセール関連法規はファシスト政権時代の1939年にさかのぼる。値引き前の正価や値引き幅の明記を義務づけ、消費者が安心して安い品を購入できる機会を提供したのが始まりだった。ただし、当時は期間までは定めていなかった。
戦後1980年になると、法律でセール期間まで定められるようになる。これは商店間の過当競争の抑止につながったが、いっぽう昨今は「自由競争を阻害する」との意見がたびたび出るようになった。そこで2012年初め、当時のマリオ・モンティ政権は、セール時期の撤廃を盛り込んだ政令公布を計画した。しかし最終的には商業団体の強い反対に遭い、実現に至らなかった、というのがこれまでの経緯である。
「国会で青島幸男が決めたのだ」というのは往年のギャグ漫画『天才バカボン』の名ぜりふであるが、今日のイタリアのセール統制のルーツは、「ムッソリーニが決めたのだ」といえる。
![]() |

大矢 アキオ
コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。音大でヴァイオリンを専攻、大学院で芸術学を修める。1996年からシエナ在住。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして語学テキストやデザイン誌等に執筆活動を展開。19年にわたるNHK『ラジオ深夜便』リポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも怪気炎をあげている。『Hotするイタリア』、『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり】(コスミック出版)など著書・訳書多数。YouTube『大矢アキオのイタリアチャンネル』ではイタリアならではの面白ご当地産品を紹介中。
-
NEW
ホンダe(RWD)【試乗記】
2021.1.23試乗記「ホンダe」が素晴らしいのは運転してワクワクできるところだ。航続可能距離の短さがデメリットのようにいわれているけれど、それこそがホンダeの持つ強みだ……と筆者は主張するのだった。 -
ジョー・バイデン新大統領誕生で自動車産業はどう変わる?
2021.1.22デイリーコラムもめにもめたアメリカの大統領選挙がようやく決着し、第46代となるジョー・バイデン新大統領が誕生した。クルマ好きとして知られる氏は、果たして自動車業界にどんな変化をもたらすのだろうか。 -
スバル・レヴォーグSTI Sport EX(4WD/CVT)【試乗記】
2021.1.22試乗記いまやスバルの中核モデルへと成長した「レヴォーグ」。六連星(むつらぼし)の新たなフラッグシップと位置づけられる新型は、スポーツワゴンらしい走りと使い勝手のよさが実感できる一台に仕上がっていた。 -
アストンマーティンDBX(前編)
2021.1.21谷口信輝の新車試乗レーシングドライバー谷口信輝が今回試乗したのは、アストンマーティンが開発した高性能SUV「DBX」。そのステアリングを握った走りのプロには、どこか気がかりなところがあるようだが……? -
ホンダCBR600RR(6MT)【レビュー】
2021.1.21試乗記ホンダのミドル級スーパースポーツモデル「CBR600RR」が復活。レースでの勝利を目的に開発された新型は、ライディングの基礎を学ぶのにも、サーキットでのスキルを磨くのにも好適な、ホンダらしい誠実さを感じさせるマシンに仕上がっていた。 -
第690回:GMの本気とBMWの変化球! 大矢アキオがフルオンライン開催の「CES」を練り歩く
2021.1.21マッキナ あらモーダ!オンライン開催された家電エレクトロニクスショー「CES」に大矢アキオが潜入。最新の電気自動車用プラットフォームやフルスクリーンのようなダッシュボード、カーナビゲーションを映し出せるスマートグラスなど、自動車の未来を支える先端技術に触れた。