GMが新型「シボレー・コルベットZ06」を発表【デトロイトショー2014】
2014.01.15 自動車ニュース ![]() |
【デトロイトショー2014】GMが新型「シボレー・コルベットZ06」を発表
北米国際自動車ショー(通称:デトロイトショー)が2014年1月13日に開幕。GMが、北米カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた「シボレー・コルベット」のハイパフォーマンスモデル「Z06」を初披露した。
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■コルベットのレースイメージを象徴する新型「Z06」登場
フォードが全てのモデル、ディビジョンをまとめて発表するのに対し、GMではディビジョンごとに発表会が行われる。プレスデイ初日に行われたシボレーのプレスカンファレンスは、会場がほほ笑みに満ちていた。なぜなら、北米カー・オブ・ザ・イヤーならびにトラックオブザイヤーを、シボレーの2台、すなわちピックアップトラックの「シルバラード」とスポーツカーの「コルベット」がダブル受賞したからである。
そのカー・オブ・ザ・イヤーに輝いたコルベットに、新たなモデルが追加された。発表会場はショーフロアなのだが、まさに立錐(りっすい)の余地もないとはこのことで、ひとつ前のカンファレンスを終えて会場に駆けつけた時にはすでにディスプレイがまるで見えない状態。通常はそうした状態に備えて大きなモニター画面が設置されるのだが、今回はそれもなし。というわけで、ひたすら英語のスピーチを聞くしかなかった。
新たに追加されたのは、最もサーキット走行に適したスポーツモデル「Z06」である。コルベットの最高峰といえば、先代の「C6」時代は「ZR1」というモデルが存在しており、パフォーマンスの上ではZ06はそれよりも下に位置していた。しかし、スモールブロックV8史上最大の排気量を誇る7リッター自然吸気V8エンジンを搭載し、ドライサンプのオイル潤滑システムを備えるなど、最もレーシーなイメージを持っていたのはZ06の方だった。
新しいZ06は、先代ZR1と同じ仕様の、スーパーチャージャー付き6.2リッターV8を搭載している。つまり、先代のZ06とZR1が合体したモデルが新しいZ06というわけだ。またトランスミッションには、先代と違って新開発の8段ATも用意されている。
もちろん、これによってレーシーなイメージが失われたわけではない。今回のショーでは、同時にこのZ06をベースとした新しいレーシングバーション「C7.R」が発表されたのだが、何とそのシャシーはZ06のものを全くそのまま使っているというから、いかにZ06が市販モデルとして強固な構造を持っているかがわかる。ちなみにルーフは既存のコルベットクーペと同じ脱着式だが、それでもボディー剛性は確保されているという。
また、会場での発表は行われなかったが、GMのトラック/SUV専門ディビジョンのGMCからは、新しいミドルサイズのピックアップ「キャニオン」が初披露された。2013年のロサンゼルスショーでデビューした「シボレー・コロラド」の兄弟車で、実質的な開発はブラジルGMとGMアジアパシフィックの部隊が行ったものだ。
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■注目車種が盛りだくさんのキャデラック
プレスデイ2日目はキャデラックのプレスカンファレンスが行われた。ここでワールドプレミアされたのは「ATSクーペ」である。BMWの例を見るまでもなく、ラグジュアリーブランドのクーペモデルはこのところ存在感を増している。中国やアメリカ市場でラグジュアリーカー市場が拡大していることにその理由があるのだが、キャデラックの場合、より若い顧客層への浸透を狙うという意味もある。エンジンはセダン同様、2リッター直4ターボ、もしくは3.6リッターV6。余談ながらこのATSクーペ、新しくなったキャデラックのエンブレムをつけた最初のモデルとなる。
また、2015年モデルとして展示された新しい「エスカレード」も注目だろう。現行型は日本にも正規輸入されており、また並行輸入でも非常に高い人気を誇るモデルである。新型の設計は、相変わらずシャシーが独立したボディー・オン・フレーム構造。搭載されるエンジンは、これも従来通りのOHVという古式ゆかしき構造を持つ6.2リッターV8ながら、その中身は、直噴、可変気筒システム、可変バルブタイミング機構などを装備した最新鋭のものとなっている。
キャデラックでもう1台紹介したいのは「ELR」と呼ばれるモデルだ。もともと「コンバージュ」という名のコンセプトモデルとして登場したこのクルマ、2009年にはすでにその姿を現していたが、量産化までに4年の歳月を必要とし、ようやく2013年12月末から北米市場での販売が始まった。
野心的なスタイルは一見ミドシップのようだが、実際は前輪駆動の4シータークーペ。ドライブトレインは基本的に「シボレー・ボルト」と同じ、レンジエクステンダーを装備したプラグインハイブリッドである。ただし、価格はかなり高価だから、一般ユーザーがどのような反応を示すかが興味深い。
(文と写真=中村孝仁)
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